フォークリフト免許の種類とは?取得方法と費用も詳しく解説

物流、土木、建設などの職場では、荷物の積み下ろしや運搬の業務は欠かせません。そんな時、フォークリフト免許は必ず必要です。

そこで今回は、フォークリフト免許の種類や取得方法について解説します。併せて、取得にかかる費用も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

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フォークリフト免許の種類は2つある

まずは、フォークリフト免許の種類について見ていきましょう。

積載量で2種類に分かれる

フォークリフトを使って荷物の積み下ろしをするためには、国家資格が必要です。フォークリフトの免許は積載量で2種類に分かれており、目的に応じてどちらを取得するか選択します。

積載量が1t未満のフォークリフトを運転する場合は、「フォークリフト運転特別教育」の修了証が必要です。一方、積載量が1t以上のフォークリフトを運転する場合は、「フォークリフト運転技能講習」の修了証が必要になります。

フォークリフト運転特別教育フォークリフト運転技能講習
積載量1t未満1t以上
学科講習6時間最大11時間
実技講習6時間最大24時間
修了試験なしあり
講習の実施機関事業者
各都道府県労働局の登録教習機関
フォークリフト運転特別教育とフォークリフト運転技能講習の違い

履歴書には「フォークリフト運転特別教育 修了」「フォークリフト運転技能講習 修了」と記載します。

また、普通自動車免許や自動二輪免許は道路交通法による免許ですが、フォークリフト免許は労働安全衛生法によって定められていることが特徴です。

もしも、無資格でフォークリフトの運転を会社の敷地内でも行なった場合は、労働安全衛生法の違反行為にあたり、罰則が科されます。運転者本人だけではなく、所属先の会社やその代表者の責任も問われるため、無免許での運転は絶対しないようにしましょう。

公道では特殊免許も必要

公道でフォークリフトを運転するには、フォークリフト免許と併せて特殊免許も必要です。特殊免許には小型と大型の2種類あり、運転するフォークリフトのサイズや走行速度などに応じて、どちらかを取得しなければなりません。

例えば、最高時速が15km/h以下で、全高2.0m以下のフォークリフトを運転する場合は、小型特殊免許を取得します。それ以上のサイズや最高時速で走行できるフォークリフトを運転する場合は、大型特殊免許を取得しましょう。

また、管轄地域の運輸支局などで自動車登録を行ない、ナンバープレートの交付も必要です。さらに公道では、以下の行為が禁止されています。

  • 荷物を積載したままの走行
  • 作業灯を点灯したままの走行
  • 牽引しながらの走行
  • 荷物の積み下ろし作業

ただし、所轄警察署長から道路使用許可を受けている場合は、荷物の積み下ろし作業に関して道路交通法上は問題ありません。

中型、大型、特殊、牽引などの自動車免許の種類については、こちらで紹介しています。

https://college.coeteco.jp/blog/archives/7404/

フォークリフト免許の取得方法を解説!

フォークリフト免許を取得する方法と試験の内容を、解説します。

受験資格と受講会場

フォークリフトの免許取得は、18歳以上という年齢制限をクリアしていれば問題ありません

積載量1t以上のフォークリフト免許を取得すれば、おもな5種類のフォークリフトが運転できます。そのなかには、一般的に使用率の高い「カウンタバランスフォークリフト」や、屋内で使われることの多い「リーチフォークリフト」などが含まれています。

運転技能講習は全国各地の教習所で開催しています。受講したい都道府県名や市町村名と「フォークリフト運転技能講習」で検索すれば、近隣で受講できる会場を見つけることができるでしょう。「全国フォークリフト教習所リンク(運転技能講習実施場所)」は、県別・市町村別に受講できる会場が紹介されています。希望エリアで受講できる会場をすぐに調べられる便利なウェブサイトです。

受講時間数

積載量1t未満のフォークリフト免許を取得する際の「フォークリフト運転特別教育」は、学科6時間と実技6時間、計12時間受講しなければなりません。

一方、積載量1t以上の「フォークリフト運転技能講習」では、所持資格や業務経験に応じて最大24時間の講習免除があります。受講時間と受講条件の内容は以下の通りです。

受講時間受講条件
11時間・大型特殊免許(カタピラ限定除く)を所持している人
・普通免許や大型免許などを所持しており、フォークリフト運転特別教育を修了後、積載量1t未満のフォークリフトの業務経験が3ヵ月以上ある人
15時間・フォークリフト運転特別教育を修了後、積載量1t未満のフォークリフトの業務経験が6ヵ月以上ある人
31時間・普通免許や大型免許などを所持している人
35時間・特に免許を所持していない人

学科講習と試験

フォークリフト運転特別教育の学科

フォークリフト運転特別教育の学科には試験がなく、講習のみとなっています。学科講習は6時間あり、フォークリフトの走行・荷役・力学・法令の4科目について学びます。試験がないので、講習を修了すると実技に進みます。

フォークリフト運転技能講習の学科

学科講習と試験の内容を、35時間の場合を例に挙げて紹介します。学科講習は11時間を占めており、フォークリフトの走行・荷役・力学・法令の4科目について学びます。

講習終了後に60分の学科試験が行なわれ、4科目に分けて問題が出されます。合格基準は100点満点中、60点以上かつ各科目で40%以上です。

科目配点合格点
走行30点12点以上
荷役30点12点以上
力学20点8点以上
法令20点8点以上
合計100点60点以上

試験終了後、すぐに採点され、その場で合否がわかります。そして、学科試験に合格すると、実技講習のステップへ進めます。なお、不合格の場合、簡単に講習が行なわれ再試験になります。難易度は高くなく、講習内容が理解できていれば合格できるので、安心してください。

不安な方は、テキストの販売がされているので、購入して勉強するのもありです。おすすめはこちら!

また、厚生労働省のホームページでは、外国人労働者などに向けた「補助テキスト」や「講習用パワーポイント」も閲覧できるため、必要に応じて活用してみてください。

実技講習と試験

フォークリフト運転特別教育の実技

学科講習の受講後、6時間の実技講習を受けます。講習内容はフォークリフトの走行の操作や荷役の操作です。学科と同じく、実技試験もないので、講習を修了するとフォークリフト運転特別教育の修了証が発行されます。

フォークリフト運転技能講習の実技

学科試験に合格後、残りの24時間で実技講習が実施されます。講習内容はフォークリフトの走行の操作や荷役の操作です。

講習終了後は、実際にフォークリフトの操作を行なう実技試験を受けます。シートベルトが未着用だったり、制限時間を超えたりした場合はすぐに失格となってしまうため、注意して試験を受けるようにしましょう。

採点は減点方式で実施され、100点のうち最終的に70点以上が残っていれば合格です。発行された修了証は、フォークリフトの運転時に携帯することが義務付けられているため注意してください。

合格率は90%を超えて100%に近いといわれています。難易度は高くありませんが、試験に落ちた方は実際にいらっしゃいます。補講を受けて再受験することにならないように、しっかりと学習しましょう。

取得後の免許更新は不要

フォークリフト免許の取得後は、免許更新が不要です。氏名変更の際には書き換えが必要ですが、住所は変更しても書き換える必要はありません。

前述のとおり、修了証は携帯しなければならないため、紛失してしまうことも考えられるでしょう。万が一、修了証を紛失したり汚損したりした場合は、発行事務局で再発行できます。再発行申請書に必要事項を記入後、顔写真や本人確認書類、手数料などを添えて申請します。事務局の窓口、もしくは郵送での提出が可能です。

ただし、修了証番号、交付年月日、発行機関名などがわからない場合、再発行手続きに時間がかかります。そのため、修了証はコピーしておき、コピーを家に保管しておきましょう。コピーがあれば、スムーズに再発行が行えます。

フォークリフト免許の取得にかかる費用とは?

フォークリフト免許の取得に必要となる費用をチェックしましょう。

※2023年7月時点の費用目安です。

費用は2~4万円程度

フォークリフトの免許取得にかかる費用は、講座の種類によって異なります。一般的に、フォークリフト運転特別教育は2万円、フォークリフト運転技能講習は2~5万円です。

運転技能講習は所持資格や業務経験に応じて受講時間が異なるので、費用も変わります。

例えば、自動車の普通免許を所持している場合は4万円程度の費用がかかり、特に所持している免許がない場合は4万5,000円程度の費用がかかります。また、大型特殊免許や普通免許を所持し、1t未満のフォークリフトの特別教育受講から3ヵ月以上経過の場合は、1万5,000円程度で収まる施設もあるでしょう。

テキスト代や証明写真の発行料金に関して、受講費用に含まれている場合と、別途請求される場合がある点には注意が必要です。

助成金を申請できる場合もある

フォークリフト免許の取得にあたって、助成金を申請できるケースがあります。厚生労働大臣の指定を受けた講座を受講することで、受講にかかった費用を一部支給してもらえる「教育訓練給付制度」を活用する方法です。

「教育訓練給付制度」の対象者であれば、フォークリフト免許の取得にかかった受講料金の20%相当が、給付金として支給されます。ただし、フォークリフト運転技能講習のみが対象なので注意してください。

在職者と離職者、それぞれの条件は以下の通りです。

在職者受講開始日の時点で、雇用保険の被保険者である期間が3年以上(初めて受給する場合は1年以上)
離職者受講開始日の時点で、離職日から受講開始まで1年以内、および雇用期間が3年以上(初めて受給する場合は1年以上)

これらの条件に該当する場合は、給付金の一部を負担してフォークリフト免許が取得できるでしょう。

「教育訓練給付制度」に関する詳細は、厚生労働省のホームページをご覧ください。

参考:厚生労働省「教育訓練給付制度」

まとめ

フォークリフトは積載量によって資格の種類が変わります。積載量1t未満の場合は「フォークリフト運転特別教育」を、積載量1t以上の場合は「フォークリフト運転技能講習」を受講しましょう。

物流センターや土木建築に関係する会社をはじめ、フォークリフト作業員の需要は高く、年齢や性別を問わず働けるメリットがあります。

ぜひ今回の記事を参考にしながら、フォークリフトの免許取得を目指してみてください。

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