理容師試験対策!筆記・実技に効果的な方法と試験概要を解説

理容師として働くには、理容師国家試験に合格する必要があります。そのため、理容師国家試験の合格を目指している方もいるでしょう。

しかし、試験合格のためにどのような対策をとれば良いかわからず、困っている方もいるのではないでしょうか?

理容師試験は、比較的難度が低い国家試験のため、正しい対策をとれば合格を目指せるでしょう。合格に近づくには、筆記試験実技試験、それぞれにあった対策をとることが大切です。

この記事では、理容師国家試験に合格するために効果的な対策方法を紹介します。筆記試験、実技試験それぞれの対策方法や試験概要についても解説するので、ぜひ参考にしてください。

理容師試験の概要について

まず、理容師国家試験の概要について解説します。試験内容合格基準合格率などについて解説するので、ぜひ参考にしてください。

理容師試験には受験資格必要

理容師国家試験は、厚生労働大臣指定理容師養成施設の卒業、もしくは卒業見込みがある場合にのみ受験できます。したがって、独学の場合は理容師国家試験を受けられません。

理容師国家試験の受験資格を得るには、昼間・夜間過程2年以上通信課程の場合は3年以上学ぶ必要があります。受験時には理容師養成施設で学んだ証拠として、卒業証明書、もしくは卒業見込証明書が必要になるので覚えておきましょう。

見習いとして働きながら通信課程で資格取得を目指せる理容室の求人もあります。現役理容師のババコスさんが実技練習用のマネキンの写真とともに、働きながら理容師を目指す方法を紹介しています。

理容師と同じくヘアカットを行う国家資格には、美容師があります。理容師と美容師との最も大きな違いは、理容師はシェービング(顔そり・ヒゲそり)ができることです。2017年の理容師法と美容師法の改正により、理容師と美容師の両方の免許を同時に取得しやすくなりました。美容師養成施設を選ぶ際には、ダブルライセンス取得も検討しましょう。

美容師試験対策について、こちらで紹介しています。

https://college.coeteco.jp/blog/archives/6937/

理容師試験の内容と合格基準

理容師試験は「筆記試験」と「実技試験」の二部構成です。どちらも合格基準に満たなければ不合格になります。

筆記試験の問題数は55問で、合格するには60%以上正答率(33問正解)が必要です。ただし、たとえ60%以上の正答率でも、以下の課目のなかから一つでも無得点を出せば、不合格になります。

  • 運営管理、関係法規・制度
  • 公衆衛生・環境衛生
  • 感染症
  • 衛生管理技術
  • 人体の構造および機能
  • 皮膚科学
  • 香粧品化学
  • 文化論および理容技術理論

よって、バランス良く勉強する必要があるでしょう。

実技試験には「衛生上の取扱試験」「基礎的技術試験」の2種類があります。衛生上の取扱試験減点20点以下基礎的技術試験では減点40点以下が合格基準であり、どちらも基準に満たなければ不合格になります。

衛生上の取扱試験では、身だしなみや手指や用具の消毒状況用具の取り扱いなどを見られます。衛生面は特に厳しく審査されるので、しっかり準備する必要があるでしょう。

基礎的技術試験では、カッティングシェービング(顔そり)整髪の3つです。3種類すべての減点の合計を、30点以下にしなければならないので注意してください。

理容師試験の合格率

理容師試験は毎年、春期秋期2回行なわれます。2019年度の春期合格率75.0%(合格数972人/受験者数1,285人)、同年度の秋期の合格率は65.0%(合格者数532人/受験者数819人)です。数多くある国家試験のなかでも、比較的高めな合格率となっています。

公益財団法人 理容師美容師試験研修センター

理容師筆記試験対策として効果的な3つの勉強方法

理容師国家試験では、筆記試験も行なわれます。

実技試験が合格基準に達しても、筆記試験の結果が悪ければ国家試験に合格できないため、筆記試験も真剣に取り組む必要があります。

ここからは理容師国家試験の筆記試験に特化したおすすめの勉強方法3つ紹介します。

テキストや問題集を解く

王道ですが、理容師試験のテキストや問題集を購入し、繰り返し解きましょう。問題集を繰り返し解くうちに、自分の苦手ポイントが見えてきます。苦手な部分はテキストを見ながら理解を深めていきましょう。

テキストや問題集は中古本も売られています。「公衆衛生・環境衛生」「感染症」「衛生管理技術」衛生管理分野や、「人体の構造および機能」「皮膚科学」の保健分野は滅多に内容が変わらないので、中古本を利用してもよいでしょう。

ただし、関係法規・制度などは法制度改正されるたびに内容が変わるため、最新のものを購入してください。中古本の内容では正しく対策できない可能性が高いので、必ず新しいものを手に入れましょう。

理容師国家試験対策アプリを利用する

理容師国家試験対策として、スマートフォンアプリを利用するのもおすすめです。現在は、過去問を繰り返し解けるものや、自分で問題を作れるものなど、さまざまなアプリが開発されています。アプリなら、移動時間などのすきま時間を活用できるので、効率的に勉強できるでしょう。

また、多くのアプリが一問一答方式のため、ゲーム感覚で楽しく取り組めるのもポイントです。テキストを読む、問題集を解くなどのかしこまった勉強方法が苦手な方は、ぜひ活用してみてください。

ただし、筆記試験対策をアプリのみに頼るのは危険です。間違えた部分を復習したり、テキストで内容を確認したりと、理解を深めながら進めていきましょう。

過去問を繰り返し勉強して傾向を知る

実際の試験では、過去問と似たような内容が出される傾向にあるため、過去問を繰り返し解けば、出題傾向をつかめるでしょう。

公益財団法人 理容師美容師試験研修センターのホームページには、20回分過去問が公開されています(※2021年12月時点)。まずはこの内容を一通り解いてみてください。

https://www.rbc.or.jp/exam/past_question/

ただし、過去問は万能ではありません。関係法規・制度など、内容が変わりやすいものは対策できず、基礎的な考え方を理解していなければ、応用問題には対応できないでしょう。

過去問を繰り返し解きながら、テキストなどで内容を突き合わせ、より深く理解を深めることが大切です。

理容師試験に合格するために!実技対策におすすめな5つの方法

実技試験の合格は、練習量が左右するといえるでしょう。とはいえ、闇雲に取り組むのでは非効率です。ポイントを押さえた練習を繰り返すことで、合格にグッと近づけます。

ここからは、理容師国家試験の実技試験対策として効果的な5つの方法を紹介します。

自分の苦手ポイントを知る

まず、実技における自分の苦手ポイントを理解しておきましょう。繰り返し練習するうちに、どこがうまくできないのかが見えてくるはずです。実技試験は減点方式のため、苦手ポイントを重点的に練習するほうが効率的に対策できます。

例えば、すくい刈や固定刈がうまくできなかったり、シェービングで剃り残しがあったりすると、それぞれ5点の減点になります。基礎的技術試験は、減点が30点以下でないと不合格になるため、この範囲におさまるように対策・練習することが大切です。

採点基準を把握しておく

先ほどもお伝えしたとおり、実技試験は減点方式です。採点基準を理解しておけば、無駄な減点を防げます。

例えば、カッティングではネックラインが不ぞろいだったり、セニングカットの作業中に仕上げ刈をしたりすると、それぞれ5点の減点です。

その他、シェービング時の石けんの拭き残しなど、普段から癖づけしていれば防げることもあります。

このように、実技試験の採点基準は練習の指針になるため、具体的な練習を行なう前に必ず採点基準を確認しておきましょう。

タイムを計りながら練習を繰り返す

実技試験では時間制限があります。カッティングの場合は全部で25分間シェービング15分間整髪5分間です。練習の段階で制限時間を意識しておかなければ本番で焦ってしまい、実力を発揮できない可能性が高いでしょう。

したがって、練習では本番を想定し、時間を計りながら取り組むのがおすすめです。制限時間よりも少し早めに完成できるよう、繰り返し練習してみてください。

先生や先輩に指導を仰ぐ

実技は自分のやり方のが出やすく、一人で練習を続けると悪い癖に気付けなかったり、ある一定のところで伸び悩んだりします。

そういったときは、先生先輩に見てもらうとよいでしょう。自分では気付けなかった練習ポイントを知ることができるので、より実技スキルが身につきます。

誰かに見てもらうときは、事前に苦手ポイントを伝え、そこを重点的に見てもらうのもおすすめです。苦手ポイントを改善すれば減点を防げるので、結果として合格に近づけるでしょう。

衛生面にも気を配る

実技試験には衛生上の取扱試験があります。試験当日の身だしなみや用具の扱い方も見られるため、普段から衛生面には気を配っておきましょう。

特に、道具の扱い方には癖が出るので、本番当日だけ整えようとしてもうまくいきません。無駄な減点を避けるためにも、普段から衛生面を意識することが大切です。

また、器具皿や除菌用ウェットティッシュ、汚物入用透明ビニール袋など、さまざまな必要用具の数量が足りているか、規定どおりになっているかも普段から確認しましょう。こまめにチェックする癖をつけておけば、本番でも安心です。

まとめ

理容師国家試験で合格するには、筆記試験と実技試験の両方で合格基準に達しなければなりません。

どちらもバランス良く勉強する必要がありますが、闇雲に取り組んでも思うような成果につながりにくいでしょう。したがって、筆記試験・実技試験で、それぞれ効果的な対策をとることが大切です。

この記事では、両方の効果的な対策方法について解説しているので、ぜひ実践できるものから試してみてください。

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