
仕事や家事、忙しさに追われてついつい運動不足になりがちの毎日です。さらにコロナ禍でリモートワークが増え、外出の機会も減って体重が増えた方も多く、手軽に始められる運動が求められています。
そんな方にぜひお勧めしたいエクササイズが、バレトンです。この記事ではバレトンの概要と、始める前の基礎知識やレッスンの種類を紹介します。
バレトンとは
バレトンとは、アメリカ・ニューヨークで生まれたエクササイズです。2007年頃から日本でも行われるようになりました。
バレトンとは、バレエ/Balletと、トーン/toneを組み合わせた造語です。「tone」には体を調整する意味があります。バレエをベースにしていますが簡単にできる動きで構成されているので、バレエの経験がなくても気軽に挑戦できるエクササイズです。
バレトンは3つの種類に分かれています。日本で広く行われているものが、ソール・シンセシス / Sole Synthesisです。
ソール・シンセシスは、バレエとフィットネスとヨガの3つのパートを音楽に合わせて行うエクササイズです。日本ではバレトンとソール・シンセシスがほぼ同義語のように使われていますので、この記事ではソール・シンセシスをバレトンとして紹介します。
この他に、スタンディング・フロー/Standing Flowとセンター・ムーブス/Center Movesがあります。
バレトン ソール・シンセシス
Balletone JAPAN ウェブサイトより https://balletonejapan.amebaownd.com/
フィットネス&バレエ&ヨガの3つの要素を融合した、新感覚のエクササイズ。
バレトン スタンディング・フロー
バレエの要素を主にしている、マインド&ボディ系エクササイズ。
バレトン センター・ムーブス
バレエの要素にカーディオパートをプラスしたインターバルワークアウトエクササイズ。
バレトンの特長と効果
バレトンには次のような特長とメリットがあります。
ローインパクトの有酸素運動
バレトンは有酸素運動、消費するカロリーが大きいので、脂肪を燃焼しやすくなり、ダイエット効果が期待できます。筋肉をつけて基礎代謝を上げることで、太りにくい体になるのです。
バレトンには飛んだり跳ねたりする動作がなく、ローインパクトな有酸素運動です。そのため、中高年、運動経験が少ない方、膝や腰、関節などに負担をかけたくない方でも始めやすいエクササイズです。
体幹を鍛える
体幹を鍛えることで、姿勢が良くなり、体のゆがみが直る効果、足首やウェストが細くなるなどスタイルが良くなることが期待できます。また、バランス力が向上するので、ケガの予防にもつながります。
メンタルヘルスや生活の質の改善
身体活動や運動はメンタルヘルスや生活の質の改善に効果をもたらす*と言われており、バレトンにはストレス解消やリフレッシュ効果が期待できます。
*厚生労働省「健康日本21(身体活動・運動 )」より
バレトンに必要なもの
バレトンには特別な道具は必要ありません。Tシャツやショートパンツなど、運動しやすい服装だけ用意してください。素足で行いますので、トゥシューズやバレエシューズ、ダンスシューズなども必要ありません。
バレトンでは立ったままヨガを行うことが多く、ヨガマットを使用しないことが多いです(インストラクターによっては、ヨガマットを敷いてヨガを行ったり、プログラム後にヨガマットを敷いてストレッチをしたりすることはあります)。
自宅でバレトンを行うなら、両手を前後左右に広げて畳1枚程度のスペースで大丈夫です。飛んだり跳ねたりするような動きはないので、マンションでも可能です。さらに姿見のような大きな鏡を用意できれば、姿勢を確認することもできます。
バレトンを始める前に知っておきたい用語
インストラクターは、やり方をていねいに教えてくれますが、用語の意味をなんとなく知っておけば、初めてバレトンをやる際にも安心です。バレトンを始める前に知っておきたい基礎知識の用語を紹介します。
基本姿勢
足の裏の親指の付け根、小指の付け根、かかとの3点を意識して、体重が均等に乗るように立ちます。頭のてっぺんから天井に引っ張られて、お腹を薄くして、お尻は軽く閉めることを意識して、背筋を伸ばしましょう。
スクワット
スクワットは、バレトンの最初の動作としてよく行われます。両足を閉じるかこぶし一つ分程度離して立ち、両手はももの上に置きます。背筋を伸ばしたまま、おしりを後ろに引き、膝を軽く曲げ伸ばします。
注意点は、1. 膝をつま先より前に出さない、2. おしりを後ろにつき出す、の2点です。
プログラムの途中で足を広げて行うワイドスクワットを行うこともあります。
ニーベント
最初の動作のスクワットの後に行うことが多いのが、ニーベントです。軽く膝を屈伸する動きはスクワットと同じですが、おしりを真下に、かかとの上に下ろします。
ターンアウト
両足を付けた姿勢から付け根からつま先まで開いて立つ姿勢を、ターンアウトといいます。
プリエ
プリエはバレエ用語で、「膝を折り曲げる」意味で、姿勢はターンアウトで両足をくっつけて、または肩幅程度に開いて、膝を折り曲げます。ニーベントと同じようにおしりを真下に、かかとの上に下ろします。
パッセ
こちらもバレエ用語です。バレトンでは、軸足1本で立ち、もう片方の足の膝を折り曲げてつま先を軸足の内側の膝上あたりに付けます。
バレトンを紹介した動画を事前に確認することもお勧めします。
フィットネス動画サービス「LEAN BODY」のYouTubeでは、バレトンの紹介動画が公開されています。
椅子に座って行うチェアバレトンは、下肢への負担が少ないので、ひざや関節に負荷をかけたくない方やシニアの方にお勧めです。
バレトンの他にもある、バレエから誕生したエクササイズ
バレトンのようにバレエをベースにしたエクササイズで有名なものに、バレエエクササイズがあります。バレエエクササイズとは、クラシックバレエをベースにしたもので、海外のセレブに多くの愛好者がいたことから話題になりました。
バレエエクササイズは、バレトンのようにヨガやフィットネスの要素は取り入れていません。また、バーレッスンの動作が多い点も、バレトンとは異なります(バレトンにも椅子の背や壁をバーのように使用するプログラムも存在します)。
バレエエクササイズの他にも、バレエワークアウト、バレエストレッチ、バレエフィットネスなどがあります。バレエの動きに集中したいなら、このようなエクササイズも検討しましょう。
バレトンレッスンの種類とメリット
バレトンのレッスンには、インストラクターによるレッスンを対面かオンラインで受ける、動画を見て独学で行うなどの方法があります。
なお、バレトンのインストラクター資格取得には、Balletone JAPANのインストラクター養成コースがあります。Balletone JAPANでは、ソール・シンセシスとスタンディング・フローの2つのコースがあります。

このような資格がなくても、実績や人気もあるインストラクターも多いので、受講する場合は、自分に合ったインストラクターやレッスンを探すのがよいかと思います。
対面のレッスンでは、インストラクターから直接教えてもらうことができます。スタジオやスポーツクラブで行われることが多いので、広いスペースで大きな鏡を見ながら練習できるのも、メリットの一つです。
自宅からオンラインのレッスンに参加する場合は家族に気をつかうことはありますが、近くに他人がいない気楽さがあります。自分の姿を見ているのがインストラクターだけのオンラインのレッスンなら、安心して集中できますね。
また、自宅なら終わってすぐに着替えたり、シャワーを浴びることができる点も便利です。
動画で受講する場合は、インストラクターの対面のように決められたレッスン時間ではなく、都合のよい時間に独学でバレトンを行うことができます。
それぞれの方法を紹介しましょう。
スポーツジムや教室でのレッスン
全国展開するスポーツジムの他にも、インストラクター主催のレッスンが各地で開催されています。公民館のような公共施設で行われていることもあります。
自宅でレッスン
オンライン動画
LEAN BODY
700本以上のフィットネス動画が、1ヶ月980円(12ヶ月プラン)または1,980円(月額プラン)で見放題です。ビリー隊長ことビリー・ブランクスさんの令和版ビリーズブートキャンプも用意されています。

HomeFitness24
30ジャンル1100タイトル以上の動画が、一般会員なら月額550円、またはZUTTO会員なら入会時に6,600円を支払えば見放題です。一般会員は支払総額が7,700円(14ヶ月)に達すると15ヶ月以降からZUTTO会員に自動的に切り替わり、その後は無料で利用できます。
YouTube
Bーlife
登録者数が約165万人(2022年5月現在)のチャンネルです。バレトンの他に、さまざまなヨガ、ワークアウトのエクササイズ動画を無料で見ることができます。不定期でリアルでのワークショップも開催されています。
ブルーレイやDVD
多くの方におすすめされているDVD付きの書籍はこちらです。
オンラインレッスンに参加する
オンラインレッスンは、インストラクター個人が自ら開催しているものも、スポーツジムなど企業がさまざまなジャンルのレッスンを取りそろえているものもあります。
SOELU
インストラクターによるレッスンを自宅で受けられるライブレッスンと、いつでも好きなときにできるビデオレッスンが用意されています。
*バレトンが開催されていない時もあります。入会時に確認してください。
2020年3月にスマホで通うフィットネス動画教室アプリ「BeneFitness」と、等身大の姿を映し出せる等身大サイズのタッチパネルデバイス「スマートミラー2045」が連携しました。Android OSを搭載したタッチパネルディスプレイに映る自分の動きや姿勢を確認しながら、インストラクターの指導を受けてバレトンを誰もが気軽に行える日も遠くなさそうです。


対面でも自宅でも、手軽に始めやすいバレトンに挑戦しよう
バレトンは対面でも自宅でも挑戦しやすく、バレエ経験がなくても問題なく始められるエクササイズです。負荷が大きくないので、運動経験があまりない方や高齢者でも挑戦しやすいでしょう。
人生100年時代といわれるようになり、いつまでも自分らしく働き続けるためには心身の健康と体力の維持が大切です。楽しく簡単に運動できるバレトンに挑戦してみませんか。