FP2級とは、2級ファイナンシャル・プランニング技能検定のことです。ファイナンシャル・プランニング技能検定は1~3級まであります。FP3級は誰でも受験可能ですが、FP2級はFP3級合格者、金融渉外技能審査3級(旧審査試験)の合格者、AFP認定研修を修了者、もしくは、FP業務の実務経験が2年以上ある人しか受けられません。
FP2級を取得すると、2級ファイナンシャル・プランニング技能士として、相談者の目標や夢を叶えるための資産計画を立てたり、その資産計画のサポートができたりします。
銀行勤めや保険会社勤めの場合、会社からFP2級の資格取得を命じられるかもしれません。また金融・保険関係の会社に勤務していなくても、FP2級を勉強すれば、金融や税制、不動産、住宅ローン、保険、年金制度などの知識が身につくので、自分自身のライフプランに活かせます。
この記事では、FP2級の独学での勉強方法はもちろん、FP初心者が育児中でもFP2級に1発合格できた、誰にでもマネできるコツを紹介します。
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FP2級の独学での勉強方法と流れ
テキストをじっくり読む
まずはテキストをじっくり読みます。
FP3級は基礎的な内容を問われるのに対し、FP2級はより具体的な細かい内容を問われるので、難易度が高いです。また、FP2級の試験は「暗記で対応できる部分」と「仕組みを理解しなければ対応できない部分」に分かれます。
法律の内容や値を求めるための計算式など、暗記する部分が7~8割。経済の仕組み(例:円高円安)や法人会計の仕訳など、理解すべき部分が2~3割です。暗記すべき部分は暗記するしかありません。しかし、理解すべき部分は問題を解いていくうちに理解が深まっていくので、勉強し始めの段階では、内容がわからなくても大丈夫です。
ちなみに、テキストは試験に対応している、最新版のものにしてください。
FP試験には法令基準日というものがあり、その時点ですでに施行されている法令を基準として問題が作成され、正解も決まります。5月試験は前年の10月1日、9月はその年の4月1日、1月は前年の10月1日が法令基準日です。
例:
試験実施年月 | 2023年5月 | 2023年9月 | 2024年1月 |
法令基準日 | 2022年10月1日 | 2023年4月 | 2023年10月 |
古いテキストを使い、古い法令で勉強しても、合格はできません。最新版のテキストを使って勉強しましょう。
私の場合、最新版のテキストを購入し、それでも法令が反映されていない部分は、テキストの公式ホームページに行き、法令改正最新情報に基づいてテキストの内容を書き直していました。
過去問を4年(12回分)解く
テキストを読んだあとは、ひたすら過去問を解いていきます。私の場合は問題集を使いませんでした。なぜなら、問題集を何回も解くより、過去問を解いた方がはるかに効率よく勉強できるためです。FP2級の試験は過去問と似たような選択肢や問題が出題されます。また、過去問を解くと問題の傾向がつかめるので、過去問を問題集代わりとして使いました。
過去問を解くとよいからといって、さかのぼりすぎるのはNG。法令改正によって問題の答えが変わってしまうので、4年分(12回分)程度にしておくのが無難です。
過去問は日本FP協会の公式サイトに載っています。しかし、公式サイトではなく「過去問道場」というサイトで過去問を解くのがおすすめです。公式サイトの過去問は法令改正に対応していませんが、過去問道場の過去問は法令改正に対応しています。たとえ古い問題でも、改題して出題してくれるので安心です。実際に、私は過去問道場を使って過去問を何度も解いていました。
間違えた問題だけを解く
間違えた問題を復習することは、FP2級の試験において非常に大事です。というのも、過去問と同じような選択肢や問題が多く出題されるためです。過去問が解けるようになると、試験本番でも解ける問題が多くなり、合格する可能性も高くなります。
答えが合っているかどうかだけでなく、選択肢のどこが間違っていて、どこが合っているのかも確認しながら解くとよいです。
私の場合、学科試験の勉強では、たとえ問題の答えが合っていたとしても、正解以外の選択肢の内容が理解できていなければ、何度も解き直すようにしていました。そのおかげで、類似問題が出題されても、迷うことなく、正誤判断ができるようになりました。
実技試験では毎年同じような計算問題が出題されるので、間違えた問題は確実に、かつ、早く解けるように反復練習が必要です。
時間を計って1~2回解く
FP2級の試験は学科が120分、実技が90分です。学科も実技も試験開始60分経過すると退出できます。時間内で解き終わるか確認するため、1~2回は時間を計って過去問を解いてみてください。
学科も実技も文章が長いので、文章を読むだけで疲れてしまいます。けれども、疲れていても問題の内容を的確に理解することと、問題を素早く解くことが大切です。
学科は9割の人が120分経つ前に退出しますが、実技はほぼ退出者がいません。
実技は本当に時間ギリギリで、問題を解き終わるかどうかです。見直しをする時間はありません。
いかに早く問題内容を理解し、的確に解いていくかが合否を分けるので、時間を計って試験問題を解く経験をしておいた方がよいです。
初心者が育児中でも1発合格できた3つのコツ
FP3級の合格を確信してすぐにFP2級の対策を始めた
FP試験は問題用紙が持ち帰り可能で、模範解答が試験当日の17時30分に発表されます。そのため、自分の解答を問題用紙にメモしておけば、自己採点ができるのです。私はFP3級を受け、試験当日に自己採点をし、FP3級の合格を確信。そして、その日のうちに本屋さんに行き、FP2級のテキストを購入して、読み始めました。
FP2級の内容の約6割はFP3級の内容です。時間が空いてしまい勉強し直すよりも、FP3級の知識があるうちにFP2級の勉強を始めた方が、効率よく勉強できます。
FP2級に合格するために必要な勉強時間は一般的に150~300時間(約4~5ヵ月)と言われています。私の場合、平日に4時間、休日は0時間、約1ヵ月半勉強したので、勉強時間は160時間程度です。FP3級後にテキストを購入し、パラパラと読んでいた時間を含めると200時間近くになります。
FP3級の内容が頭に入っているからといって、勉強時間が短くなったわけではありませんでしたが、FP2級の内容が理解しやすかったので、FP3級の記憶が鮮明なうちに勉強を始めて正解だと思いました。
FP2級と並んで人気な資格が簿記2級です。私は簿記2級を取得してからFP2級に挑戦しましたが、簿記2級を先に勉強してよかったと感じています。
FP2級では簿記2級の仕訳の知識、損益計算書や貸借対照表の知識があると、内容の理解が楽になる分野があります。また、簿記2級の知識で解ける分野を得点源にできるので、個人的には簿記3級や簿記2級を取得してからFP2級に挑戦するのがおすすめです。
ただし、向き不向きがあるので、FP2級と簿記2級の両方の取得を考えている人は、無理に簿記から勉強せず、自分が取り組みやすいと感じる資格から勉強していってください。ちなみに、合格率から考えると、FP2級と簿記2級の難易度はFP2級の方が低いと言えます。
試験 | FP2級 (資産設計提案業務) | 簿記2級 |
合格率 | 学科:20~60% 実技:40~70% | 15~30% |
簿記2級の勉強方法についても書いているので、ぜひ参考にしてください。
https://college.coeteco.jp/blog/archives/15609/
無料過去問サイトを活用した
FP2級の勉強では、無料過去問サイト「過去問道場」が役に立ちました。
過去問道場は、
- 法令改正に対応している
- 問題をわかりやすく解説している
- 間違えた問題だけを解ける機能がある
- グラフで自分の苦手分野がわかる
など、勉強するうえで必要な機能が詰まっています。私は問題集を使わずに、過去問道場で過去問を3周ほど解いて合格しました。スマホがあればいいので、子どもを寝かしつけしているときにもサイトを開いて過去問を解いていましたよ。
過去問道場は会員登録しなくても利用することができます。なんと、私は3回分の過去問を解いたあとに、会員登録をしないとデータが残らないことに気づきました。もちろん、間違えた問題を復習しようとしてもできなかったので、「失敗したな」と思っています。
みなさんは必ず会員登録をしてから問題を解き始めてくださいね。メールアドレスがあれば誰でも無料で登録できます。
テキストに載っていない内容をノートにまとめる
過去問を解いていると、テキストに載っていない選択肢や問題が必ず出てきます。特に、学科の問題はかなり細かい内容まで問われるので、テキストに載っていない場合が多いです。
私はテキストを見直して、情報が足りないだけであれば、テキストに書き足していましたが、根本的にその内容が載っていないこともありました。そのようなときは、テキストに載っていない内容だけをノートにまとめ、勉強をしていました。実際に、私が受けた試験では、ノートにまとめた内容が出題されましたよ。
初めは「何でテキストに載ってないことが出題されるのだろう?違うテキストにすれば良かった。」と後悔が多かったです。しかし、勉強していくうちに、FP2級の試験は6つの分野にわたって出題されるので「細かいところまでテキストに載せてたらキリがないんだな」と思うようになりました。
まとめ
FP2級は金融や税制、不動産、住宅ローン、保険、年金制度などの、生活に活かせる知識が身につくので、取得して損はない資格だと思います。
保険の加入を検討するときや、新築一軒家を購入するとき、老後の資金計画を考えるときなど、FP2級の勉強をしておけば、情報に惑わされることなく、自分で正しい判断ができます。
人生100年時代、自分らしい人生を歩んでいくためにも、必要な知識を身につけておくことが大事です。コツコツ勉強すれば資格取得できるので、諦めずに合格を目指して頑張りましょう。