ネイリストになるには?ネイル資格の種類と取得方法を徹底解説!

指先をおしゃれに彩るネイリストは、女性に人気の高い職業の一つです。特別な技術が必要とされますが、ネイリストには資格が必須なのでしょうか?

ネイリストとして働く際、必ずしも資格は必要ではありません。しかし、取得することで技術の証明ができるため、ネイリストとしての活躍の場が広がります。ネイル資格を取得するためのおもな方法には、スクール通信独学などで学び、技術検定試験を受けることが挙げられます。

この記事では、ネイリストになるための資格の種類や取得方法を徹底解説するので、ネイリストを目指す方はぜひ参考にしてください。

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ネイル資格は必要?ネイリストになるためのルートとは

冒頭のとおり、資格がなくてもネイリストとして働くことは可能です。しかし、多くのサロンが資格の所持を採用基準としているため、就職転職などの場面で技術の習得度を証明したい場合には、取得しているほうが有利に働くでしょう。

また、すでにネイリストとして働いている場合でも、指名を増やしたい、活躍の場を広げたいというときに、取得しておくことで仕事の可能性を広げられます。

ネイリストとして働く方法には、おもに3つのルートがあります。それぞれ、学び方や資格の取得手順が違うため、自分の状況や好みに合わせて最適な方法を選びましょう。

独学でネイリストを目指す

市販の教材やDVDなどで学び、技能検定試験に合格してからサロンで働くルートです。テキストや道具選びを自分で行なうため、情報収集や準備に時間がかかる場合があります。

費用の節約ができ、自分のペースで勉強を進められるメリットがありますが、モチベーションの維持や技術的な向上が厳しい点はデメリットでしょう。

学校に通ってネイリストを目指す

美容専門学校(昼間課程2年もしくは夜間課程2年以上)や通信課程(最短3年)、ネイルスクール(通学または通信)などで学んでから技能検定試験に合格し、サロンで働くルートです。もしくは学んだあと、働きながらネイリストを目指します。

美容専門学校は一定期間通う必要があり、費用が高めですが、美容に関する幅広い知識技術を得ることができ、試験対策就職のサポートが受けられる点が特徴です。一方、ネイルに特化したネイルスクールは、美容専門学校と比較すると費用を抑えられます。

ネイリスト協会の認定校やサロンを併設しているスクールの場合、優先的に就職できる場合があるので、学校選びの際に確認しておくとよいでしょう。

サロンで働きながらネイリストを目指す

一般の高校・大学を卒業後、もしくはいったん社会人として就職したあと、サロンに勤務しながらネイリストを目指すルートです。ただし、未経験や無資格の場合、サロンの受付や雑用しかできない可能性が高く、空き時間に勉強や練習を積み重ねていくことになるでしょう。

美容院、ヘアサロンには、トータルビューティサロンとしてサービスの幅を広げてネイルサロンを併設するケースが増えています。美容師がネイリストの資格を取得すれば、仕事の幅の拡大や収入アップが見込めます。ネイリストと美容師のダブルライセンスも、ぜひ検討してください。

美容師になるための美容師試験について、こちらで紹介しています。

https://college.coeteco.jp/blog/archives/6937/

ネイル資格の種類と技能検定について

一口にネイル資格といっても、ネイルケアの基本からジェルネイルフットネイルなど、さまざまな種類があり、検定内容もそれぞれに異なります。ネイリストになりたいと考え始めてから最短期間で資格を取得したいなら、検定試験の実施時期や必要な受験資格を確認しましょう。

ネイルに関する代表的な資格を詳しく紹介するので、比較検討して自分の目的に合う資格を選んでみてください。

ネイル資格の種類

ネイリストの資格は国家資格ではなく、すべて民間の資格です。主な資格には、多くのサロンが採用基準にしている「JNECネイリスト技能検定試験」「JNAジェルネイル技能検定試験」が挙げられます。

JNECネイリスト技能検定試験

内閣総理大臣が認めた、JNEC(公益財団法人日本ネイリスト検定試験センター)が認証する、ネイル業界では最も歴史の長い資格です。知名度信頼度が高く、ネイリストの登竜門といわれています。

1級2級3級と分かれており、1級・2級はプロとして通用するスキル、3級は基礎スキルの証明になります。下級からの段階的な取得が必要です。

3級

概要ネイルケア、ネイルアートに関する基本的な技術や知識が求められるレベル
試験内容【実技試験】
ネイルケア、カラーリング、ネイルアートなど
【筆記試験】
衛生と消毒、爪の構造、爪の病気とトラブル、ネイルケアの手順など
試験時間実技試験80分、筆記試験30分
合格基準実技試験は50点満点のうち38点以上/筆記試験は100点満点のうち80点以上
受験資格義務教育を修了している者
受験費用6,800円

2級

概要サロンワークで通用するレベルのネイルケア、チップ&ラップ、
ネイルアート、リペアに関する技術や知識が求められるレベル
試験内容【実技試験】
ネイルケア、チップ&ラップ、カラーリング、ネイルアートなど
【筆記試験】
ネイルの歴史、衛生と消毒、爪の構造、爪の病気とトラブル、ネイルケアの手順、チップ&ラップの手順、リペアの種類など
試験時間実技試験100分・筆記試験35分
合格基準実技試験は50点満点のうち38点以上
筆記試験は100点満点のうち80点以上
受験資格ネイリスト技能検定試験3級取得者
受験費用9,800円

1級

概要トップレベルのネイリストが持つべき、総合的な技術と知識が求められるレベル 
試験内容【実技試験】
ネイルイクステンション(スカルプチュアネイル、チップ&オーバーレイ)、ネイルアート(ミックスメディアアート)
【筆記試験】
ネイルの歴史、衛生と消毒、化粧品学、爪の病気とトラブル、ネイルケアの手順、イクステンションの手順、その他実践的施術全般、プロフェッショナリズムなど
試験時間実技試験170分・筆記試験40分
合格基準実技試験は50点満点のうち38点以上
筆記試験は100点満点のうち80点以上
受験資格ネイリスト技能検定試験2級取得者
受験費用1万2,500円

実施時期

春季・夏季・秋季・冬季の年4回開催(等級や会場により異なる)。

公式サイト

http://www.nail-kentei.or.jp/index.html

JNAジェルネイル技能検定試験

サロンメニューでも主流となっている、ジェルネイルの知識と技術を証明する検定試験です。2011年度からスタートし比較的新しい試験ですが、ネイリストとして働く際、人気の高いジェルネイルの技術を必要とされることから、全国で10万人以上が資格を取得しています。

初級

概要ネイルケアのベーシックマスターと、
ジェルネイルの施術に必要な基礎的知識や技術を習得しているレベル
試験内容【実技試験】
<第1課題>ネイルケア
<第2課題>カラーリング、ジェルカラーリング、ジェルアート(ピーコック)
【筆記試験】
ネイルに関する基礎知識、ジェルネイルに関する基礎知識など
試験時間実技試験120分・筆記試験30分
合格基準実技試験・筆記試験ともに100点満点のうち80点以上で合格
受験資格義務教育を修了している者
受験費用9,900円

中級

概要プロとしてネイルケアとジェルネイルを施術するために、
サロンワークに必要な専門知識と技術を習得しているレベル
試験内容【実技試験】
ネイルケア・カラーリング、ジェルフレンチカラーリング、ジェルグラデーション、ジェルエクステンション
【筆記試験】
ネイルに関する基礎知識、ジェルネイルに関する基礎知識・理論など
試験時間実技試験30分・筆記試験140分
合格基準実技試験は100点満点のうち70点以上、筆記試験は100点満点のうち80点以上で合格
受験資格JNAジェルネイル技能検定試験(初級)合格者
受験費用1万3,200円

上級

概要ジェルネイルのスペシャリストに必要な、
総合的知識と技術を習得しているレベル
試験内容実技試験のみ:イクステンション
試験時間実技試験95分
合格基準100点満点のうち70点以上で合格
受験資格JNAジェルネイル技能検定試験(中級)合格者
受験費用1万6,500円

以下の条件に該当する場合は、実技試験の第1課題を免除されます。

  • 初級の場合、国際ネイリスト技能検定試験3級を取得、もしくはネイリスト技能検定試験(JNEC主催)の3級以上を取得した者
  • 中級の場合、ネイリスト技能検定試験(JNEC主催)の2級以上を取得した者

また、以下の条件に該当する場合は、筆記試験が免除されます。

  • 初級または中級で、過去の定められた回に筆記試験のみ合格になった者

公式サイト

https://www.nail.or.jp/kentei/g_kentei.html

その他の技能検定試験

ネイル資格には、特別な分野に特化した検定試験があります。サロン経営フットケアなど、ネイリストとしての幅を広げるために役立つ資格を2つ紹介します。

ネイルサロン衛生管理士

日本ネイリスト協会(JNA)が制定する「ネイルサロンにおける衛生管理自主基準」を、ネイルサロンで正しく活用できることを証明する試験です。自分でネイルサロンを経営したい方に適しており、お客様が安心できるサロン環境の管理・統括ができるようになります。

JNA認定校で開かれる講習会を受けて筆記テストに合格すると、その日のうちに資格が取得可能です。テスト問題は講習当日に配布されるテキストの内容に沿って出題され、オンラインでの受講・受験も可能です。

講習内容理論講習
確認テスト
試験問題解説・まとめ・成績発表
認定証・バッジ授与(不合格の場合は補習受講)
試験時間講義受講180分・筆記試験20分
合格基準100点満点で80点以上
受験資格年齢が18歳以上、サロンでの実務経験問わず
受験費用一般価格:1万560円、会員価格:6,160円

公式サイト

https://www.nail.or.jp/eisei/index.html

JNAフットケア理論検定試験

サロンワークで正しいフットケアを施術するために、フットケアの知識を高めることを目的とした試験です。JNA認定校で実施されるセミナーを受講し、筆記試験に合格することで合格証書(ディプロマ)が発行されます。試験問題は「JNAテクニカルシステム~フットケア~」から出題されます。

セミナー内容フットケアについての理論、筆記試験
試験時間セミナー120分・筆記試験30分
合格基準100点満点で80点以上
受験資格次の3つの資格のうちいずれかを取得し、
日本国内に合否通知送付先住所のある者
・ネイリスト技能検定試験(JNEC)3級以上
・JNAジェルネイル技能検定試験初級以上
・JNA国際ネイリスト技能検定試験3級以上
受験費用一般価格:8,800円/会員価格:6,600円 

公式サイト

https://www.nail.or.jp/kentei/f_kentei.html

技能検定の合格率はどれくらい?1級・上級まで取得すべき?

ネイル資格は一般資格と同様に、等級が上がるにつれて難易度も上がります。代表的な2つの資格「JNECネイリスト技能検定試験」「JNAジェルネイル技能検定試験」について、合格率と最高レベルの1級・上級を取得するメリットを見ていきましょう。

技能検定の合格率

合格率は、レベルが上がるにつれて高くなる傾向が見られます。しかし、年によって変動があるため、参考程度にしてください。

JNECネイリスト技能検定試験1~2級:40~50%前後、3級:80~90%前後
JNAジェルネイル技能検定試験上級:約45%、中級:約60%、初級:約70% 

技能検定は1級・上級まで取得したほうが良い?

検定は下位の等級から受けていく必要がありますが、ネイリストとして働く際に、必ずしも最高位の資格が求められるわけではありません。ただし、勤務先によっては特定の資格取得を求められる場合があるので、就職や転職の際にはあらかじめ確認しておいてください。

1級や上級の資格は、高い技術の証明になります。取得することで、自分のアピールポイントになり、サロンでの指名が増えたり、給料アップが期待できたりする場合があります。就職転職の際にも有利になるため、ネイリストとして活躍の場を広げたい場合には、大きな武器になるでしょう。

まとめ

ネイリストになるには、独学で目指すルート・専門学校に通いながら目指すルート・働きながら目指すルートなどがあります。

どれも一長一短があるため、費用面やライフスタイルに合わせて最適なものを選ぶようにしてください。

ネイリストとして働くために、資格は必ずしも必要ではありません。しかし、自分の技術を証明する手段としては、資格取得は非常に有効です。資格を取得することで、お客様からの信頼度が高まり、サロンとしてのイメージも向上します。

サロンのなかには、特定の等級以上の資格取得を採用条件としているところもあるので、取得しておいて損はないでしょう。

自分自身のモチベーションを上げるためにも、ステップアップしていく目標を掲げることは、とても大切です。ネイル資格を取得して、技術の高いネイリストとして活躍してみてください。


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