人材不足が叫ばれるIT業界。中でもWebサイトの制作を行うWebデザイナーは需要も多く、在宅勤務やフリーランスといった柔軟な働き方ができるため、IT系の仕事の中でも人気の傾向にあります。
この記事では、Webデザイナーの概要、資格の種類、取得方法などについて説明していきます。
Webデザイナーとは
どんな仕事?
Webデザイナーとは、サイトのレイアウトや配色などのデザインを作成し、実際にHTMLやCSS、PHPという言語を使用してデザインをWebサイトに反映(コーディング)する人のことを指します。
主にコーディングとデザインが仕事ですが、プログラミングも請け負うデザイナーや、WordPressを使用してサイトを作成するデザイナーなど、人によって得意な分野や請け負っている仕事が異なります。
求人に応募する際は、業務内容をしっかり確認しましょう。
どこで働くの?
主に3つのパターンがあります。
広告会社やWeb制作会社に所属して、クラアントからの依頼で1からサイトを制作するパターン。
一般企業で自社のサイトを運営するインハウスのWebデザイナーとして活躍するパターン。
さらに「CrowdWorks」などのクラウドソーシングを利用してフリーランスとして仕事を請け負う方パターン。
それぞれにメリットやデメリットがあるため、自分に合った働き方を選びましょう!
資格は必要なの?
Webデザイナーとして仕事をするためには、資格は必要ありません。資格や経験、学歴がなくても素敵な作品を作ることができれば、十分仕事にすることができます。
さらにパソコンとインターネットさえあれば仕事をする場所を問わないこともあり、子育て中の主婦の方も多く活躍されているようです。withコロナ時代の今、在宅でできるお仕事は嬉しいですね!
しかし、未経験でも比較的参入しやすい反面、Webデザイナーの採用は狭き門です。求人によっては実務経験を条件にしている場合もあるため、何が何でもWebデザイナーになりたい!という方は、アシスタントやアルバイトでもいいので、一度業界に飛び込んでしまうのも一つの手です。
どんな知識を身に付けるべき?
HTML、CSS、PHP、JavaScriptなどのコーディングの知識を蓄えることはもちろん、求人の際に提出するポートフォリオのクオリティーを向上させたり、日頃からデザインのセンスを磨いたりすることが重要です。
特にITの技術は発展が著しく、トレンドの移り変わりも非常にスピーディーです。常にアンテナを張り巡らし、自身のスキルや知識をアップデートし続ける力はかなり大切になっていきます。
また、Webデザイナーを目指す方は、配色センス向上のために色彩系の資格や、サイトのバナーやロゴの作成に役立つPhotoshopやIllustratorなどのデザイン・グラフィックソフトに関する資格を取得する方が多いようです。
色彩検定などの色彩の資格の詳細はこちらから!
https://college.coeteco.jp/blog/archives/873/
Webデザイナーの資格の種類
Webデザイナーになるために資格は必要ありませんが、未経験や初心者の場合は、コーディングやデザインをより理解するための勉強という意味や、「この程度の知識は持っている」というスキルの証明という意味で、資格を取得することをおすすめします。
ここではWebデザイナーとしての大枠の知識を網羅することができる3つの資格を取り上げますが、他にもコーディングやプログラミングなど1つ1つのスキルに特化した資格を取得する方も多いようです。
資格によって費用にもばらつきがあるため、サイトを調べたり、資料請求を行ったりして、自分に合った資格を見付けましょう!
ウェブデザイン技能検定
IT関係で唯一の技能検定。技能検定とは、働く上で必要な技能の習得レベルを評価する国家検定制度で、ファイナンシャル・プランニング技能士などが有名です。合格すると「○級ウェブデザイン技能士」と名乗ることができます。
HTMLやCSSをはじめとするウェブデザインの知識やインターネットに関する知識を問われます。全ての級で学科試験と実技試験が課されます。
1~3級があり、3級は誰でも受験でき、2級までは実務経験がなくても受験することが可能です。未経験の方はまず3級の取得を目指しましょう!
例年は年4回(1級は学科・実技各年1回)全国主要都市で開催。級をまたぐ併願は不可。
費用は各級によって異なります。
学科 | 実技 | 実技・35歳未満 | |
1級 | 7,000円 | 25,000円 | |
2級 | 6,000円 | 12,500円 | 7,000円 |
3級 | 5,000円 | 5,000円 | 3,000円 |
Webデザイナー検定
https://www.cgarts.or.jp/kentei/about/web/index.html
デザイン雑誌の「MdN」が公認する資格で、サイトの仕組みや情報の扱い方などの幅広いWebデザインの知識が問われます。
ベーシックとエキスパートの2つの級があり、実技はなく筆記のみの知識重視の検定試験です。
例年は年2回、20都道府県で開催。マークシート方式で、試験時間はベーシック60分、エキスパート80分。受験資格はなく、併願も可能です。
受験料はベーシック5,600円、エキスパート6,700円。
Webクリエイター能力認定試験
https://www.sikaku.gr.jp/web/wc/
IT系の民間資格試験を多く実施しているサーティファイが実施する資格認定試験で、レイアウトなどのウェブページのデザイン能力やコーディング能力が問われます。
HTML5対応版、XHTML1.0 対応版、HTML4.01対応版の3つの形式に分かれていて、それぞれエキスパートとスタンダードの2つの級があります。スタンダートには筆記がなく、実技重視の試験です。
試験は全国のサーティファイ認定会場にて随時開催。年齢などの受験資格はありません。
受験料はスタンダード5,900円、エキスパート7,500円。
学習方法
独学の場合
Webデザインの知識はコーディングをはじめとした専門用語が多く、IT系の知識に深く触れてこなかった方にとっては覚えることが多いです。しかし、各資格ごとに公式テキストや問題集が出版されているので、独学は十分可能です。
こちらのManamiさんはウェブデザイン技能検定2級の受験を振り返ってこのようなことを言っています。
過去問と同じ問題は
全体の35%しかなかった。
言い換えれば
残りの65%の問題は初見であった。
http://manami-my-page.com/blog/?p=549
ネット上では他にも過去問の情報が古いという意見もあり、ウェブデザイン技能検定を受けようとしている方は少し注意が必要かもしれません。
資格の勉強の前にコーディングやプログラミングを基礎から学習したい!という方は、Progate、Udemy、ドットインストールなどのオンライン学習サイトがおすすめです。コーディングやプログラミング系のオンライン学習サイトは種類が豊富なので、実際にコードを書きながら勉強できるサイトや動画での学習がメインのサイトなど、自分に合った特徴サイトを選びましょう!
スクールなどを利用する場合
資格に直結する講座ではないのですが、Webデザインの基礎知識を学べる講座では、ユーキャンやたのまな、TECH ACADEMY、Code Campなどが通信やオンラインでの講座を開設しています。
また、オンラインや通信教育より費用は掛かりますが、通学タイプのスクールも人気です。INTERNET ACADEMY、デジタルハリウッドSTUDIOなどがWebデザイナーコースを設置しています。
こちらのささはるさんはデジタルハリウッドSTUDIOに通って、Webデザイナーに転職し、見事遠隔地採用されたそうです!
https://note.com/sasa_min/n/n69f697483676
スクールに1年ほど通って転職・就職するというのも、Webデザイナーとして就職するにはメジャーなルートであるようです。
なるべく費用を抑えたい…という方は、教科書代以外を国が負担してくれるハロートレーニングを利用してみるのもおすすめです。
ハロートレーニングの記事はこちらから
https://college.coeteco.jp/blog/archives/84/
合格率・難易度
資格によって異なります。ウェブデザイン技能検定の合格率は、3級60~70%、2級30~40%、1級10~20%となっています。1級以外の難易度はやや易しめでしょう。
Webデザイナー検定は回によって変動がやや激しいのですが、概ねベーシック約60~70%、エキスパート約25~50%です。こちらの難易度もやや易しめといったところ。
Webクリエイター能力認定試験の合格率は、HTML5対応版90.5%、XHTML対応版79.1%、HTML4.01対応版79.4%となっていて、難易度は易しめ。
合格ラインはどの資格も大体60%~70%となっています。実技、筆記それぞれに足切り点が設定されていることもあるので、それぞれ受験前に必ずチェックしましょう!
まとめ
Webデザイナーは未経験でも比較的就職・転職しやすく、全国どこにいても働くことが可能なため、ライフイベントに左右されず、柔軟に働くことができます。
また、資格は必要ありませんが、未経験や初心者から挑戦する方は自分のスキルの証明や勉強のために、資格の取得もしくはスクールへの通学がおすすめです。
IT関係の仕事に転職・就職したい! 在宅で働ける仕事に就きたい!という方は一度検討してみてはいかがでしょうか?
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