保育士試験に合格した保育士ママに聞く 受験勉強と再就職のコツ

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保育士といえば、子どもの将来の夢・なりたい職業のランキングではいつも上位であり、出産・育児のために離職した女性の再就職でも人気の職業です。保育士に再就職するのは、出産前から保育士だったママだけでなく、新たに勉強して保育士資格を取得するママも少なくありません。

保育士になるには、大学、短大、専門学校などの保育士養成施設を卒業するか、保育士試験に合格するかの2つの方法があります。出産後に保育士を目指す場合、保育士試験を選択する方が多い傾向です。

この記事では、出産後に子育てをしながら保育士試験を受験して、合格後に保育士として働いているママに聞いた、保育士試験の受験勉強と合格してからの再就職について紹介します。

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小さな子どもの成長を見届けたくて、保育士を目指す

子育て家族に人気の街のマンションで夫と小学生の兄弟と暮らしている、保育士のえりさんに聞きました。

コエテコカレッジ編集部(以下、編集部) 保育士試験を受験して、保育士を目指そうと思ったきっかけを教えてください。

えりさん わが子を育てることで、子どもの成長をみるのが楽しくて、子どもが育つ様子をもっとみたいと思ったからです。特に小さな子どもの成長を見届けたいと思い、保育園で子どもの様子をしっかりたっぷり見ることができる保育士を目指すことにしました。

今の保育園は0歳~2歳までが対象で、小さな子どもの成長過程に向かい合えることにやりがいを感じます。

今年度は0歳児クラスを担当しています。立ち始める、歩き始める姿を見ることは、本当にうれしいですよ。昨年度の担当は1・2歳クラスでしたが、ある日突然「えりせんせぇ」と呼ばれたときは感激しました。「先生」とただ呼ばれるのではなく、顔と名前を一致させて呼んでくれたってことですから、保育士冥利に尽きますね。

3年かけて合格すればいい

編集部 保育士試験に向けて、どのように受験勉強をしましたか。

えりさん 保育士試験の合格科目は3年間有効で、全科目同時に合格する必要はありません。育児経験はありますが、保育の勉強や実務の経験がなかったので、3年後に合格しようと目標を立てました。

編集部 計画通りに3年後に合格したのだから、すごいですね。どんな教材を使いましたか。

えりさん 通信教育に申し込みましたが、添削などは私には合っていなかったようで、教材として活用しました。

保育士試験の情報が送られてくる無料メールマガジンも利用しました。保育士試験への出願の注意点、過去問題やオリジナル問題など試験対策の演習問題から保育士試験当日の解答速報まで紹介されていて、ありがたかったです。

えりさんも活用した「保育士試験情報メールマガジン」の配信登録フォームはこちらです。

https://www.career-station.co.jp/mmagazine/

編集部 メルマガの他に、おすすめの勉強法はありますか。

えりさん いろいろなウェブサイトで過去問が紹介されています。保育士試験が気になる方は、まずは腕試しの気分で解いてみることをおすすめします。

編集部 家事や子育てと受験勉強の両立は大変ではありませんでしたか。

えりさん 一発で合格しようとは気負わずに、3年かけて合格すればいいと考えていました。お昼寝の時間は、大好きな音楽を聴く貴重な時間でもありますが、勉強も進めました。

すき間時間でコツコツ進めながら、試験直前の1か月間は集中して過去問を解き込みました。過去問は、法律や制度の改正があるので、古いものは解かなくてよいと私は考えました。実際に私が解いた過去問は1~2年分程度です。

編集部 受験勉強をやり直すとしたら、どのようにしますか。

えりさん 正直、やり直したくないですね(笑)。法律関係は覚えるのが大変でした。

編集部 暗記は、学生の頃のようには進まないですね。

えりさん 学生時代との違いといえば、保育士は体力が必要です。保育士試験が気になるなら、無理のない範囲で体力の維持にも気を配りましょう。

多くの受験生が苦労する「ニコイチ」

編集部 苦労した科目とその克服法を教えてください。

えりさん 多くの受験生が苦労する、教育原理社会的養護の2科目には私も泣かされました。

保育士試験の合格点は6割以上で、合格科目は3年間有効です。しかし、教育原理と社会的養護は同じ試験で同時に合格しなくてはなりません。この二科目は「ニコイチ科目」とも呼ばれ、プレッシャーが大きいです。さらに、年によって出題されるところも難易度も大きく異なるといわれていて、受験対策がむずかしいです。今働いている保育園の保育士の多くの方も、苦労したと言っていました。

編集部 大変だったんですね。

保育士試験の最大の難所ともいえるのが、このニコイチ科目です。Twitterにもニコイチに苦労した声があふれています。保育士試験筆記4回目で合格したまゆまゆさんも、ニコイチには泣かされたそうです。

子育て経験が役に立った科目と、子どもと一緒に対策した実技科目

編集部 保育士試験の科目は、学科実技に分かれていますね。ニコイチ科目以外の学科科目についても教えてください。

えりさん 保育士実習理論子どもの保健は、子育ての経験と知識を生かしやすい科目です。この2科目については、事前に過去問を1回見て、試験当日の電車の中で復習しただけです。それでも、自信を持って試験に臨むことができました。

編集部 保育士試験で子育て経験は役に立つんですね。

えりさん 熱性けいれんのような緊急時にどのように対応するか、子育てでいざという時に困らないように知っておくべきことは、保育士試験にも重要だと思います。

編集部 実技科目は造形、音楽、言語から2科目を選びますが、どれにしましたか。

えりさん 私は音楽と言語にしました。

小学生の頃にピアノを習っていたので、音楽の準備はスムーズにできました。実際の試験では伴奏しながら歌います。試験対策はわが子と一緒に、ピアノを弾きながら歌って練習しました

言語は事前に指定された物語から1つ選んで、3分間15人3歳児向けに身振り手振りつきでお話しします。これも我が子たちを聞き役にして練習しました。

指定の物語は数年おきに同じものが出題されます。過去問とその対策について古いものを探せば、参考になるものが見つかると思います。

編集部 お子さんと試験対策をおこなうとは、実践的でいいですね。
保育士試験の当日の様子を教えてください。

えりさん 年齢層は幅広かったです。受験生は20~30代が最も多かったと思いますが、50~60代と思われる方も少なくありませんでした。

男性の割合は、全体の1割程度と感じました。実技で音楽を選んだのでしょうね、ギターを背負ってきた男性が目立っていました。実技の音楽はピアノ以外に、ギターアコーディオンでもいいんですよ。

編集部 ピアノ以外でもいいんですね、びっくりです。

保育士への再就職に関するさまざまなサポート

編集部 保育士試験に合格してから、実際に働き始めるまでについて教えてください。

えりさん 合格後に保育士の就職情報サービスにウェブサイトから登録して最初に勤めた保育園を紹介されるまで、とてもスムーズに進みました。

その次に勤めているのが、今働いている保育園です。この園には、市が主催する保育士のための就職合同説明会を通して、就職しました。説明会は、いろいろな保育園を一度に見て比較することができます。園から直接説明を受けることもできて、参加してよかったです。住んでいる市だけでなく、近隣の市町村の合同説明会にも参加しました。

編集部 スムーズに就職できるなんて、うらやましいです。

えりさん 私が住む地域は子育て世帯が多いこともありますが、保育士のニーズは大きいんですよ。

最近、幼稚園延長保育を担当する保育士の募集をよく見かけます。教習所、ショッピングモール、歯科、美容院などの託児施設でも保育士の求人がありますから、パートで短時間だけ働くこともできます。小学生のための学童保育でも活躍できるし、資格があるのは有利だなと感じています。

編集部 試験勉強をがんばって、やりがいもニーズもある仕事に就けてよかったですね。
最後に、えりさんのように保育士試験に合格して保育士になりたい方へ、アドバイスをお願いします。

えりさん 私が保育士になった2017年よりも、現在はアプリなど受験勉強をサポートするサービスが充実しているようです。私の頃より、今のほうが合格しやすいかもしれません。便利なサービスを活用して、是非合格を目指してください。

編集部 オンライン授業やアプリは日々進化しているから、保育士試験合格へのハードルは下がっているとも考えられますね。えりさんに続いて合格、保育士として活躍する方が増えるように願っています。今回はありがとうございました。

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決意と努力があれば、ニーズが高くやりがいの大きな保育士を目指すことは可能

保育士の給与は地域によって大きく異なるといわれています。正職員の年収は270~370万円前後、パートタイムの時給は900円~1200円前後が多くみられます。保育士の待遇改善を目指す政策等は多数提案されており、これから給与も上がると期待されます。

未来を担う子どもを育てる保育士はやりがいも社会的意義も大きく、ニーズはこれからも高まり続けるでしょう。社会人になってから、子育てをしてからでも、決意して学びの努力を続ければ保育士を目指すことはできます。子どもの成長を見守る保育士をあなたも目指してみませんか。

保育士の仕事内容や資格の取得方法は、こちらで紹介しています。

https://college.coeteco.jp/blog/archives/2460/

こちらの記事では保育・子どもを預かる仕事について、保育士や他の資格を比較しながら紹介しています。

https://college.coeteco.jp/blog/archives/5992/

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