韓国語の資格・検定とは|仕事にも趣味にも活かせる注目の語学スキル

2時間半ほどのフライトで行ける韓国は、日本人にとって身近な外国のひとつ。近年は韓国映画や韓国ドラマ、K-POPアイドルやダンスはもちろん、コスメやファッション、グルメも人気を集め、第3次韓流ブームが盛り上がりを見せています。

また、日韓関係の冷え込みの影響が懸念されているとはいえ、観光業にとって韓国からの訪日観光客は重要な存在。企業間の取引においても、これまで以上にコミュニケーションの重要性が増しているともいえます。

こうしたことから今、韓国語への関心が高まっています。習得を目指すだけでなく、韓国語の資格や検定に挑戦する人も増え、2019年には韓国語能力試験(TOPIK)の受験者が過去最多を記録しました。

ここでは、そんな韓国語の代表的な資格・検定をピックアップ。それぞれの特徴や取得方法、効果的な学習方法などをご紹介します。

韓国語の資格・検定とは

日本で受けることのできる主な韓国語の資格・検定試験は3種類あり、内容は初心者向けのものから上級者レベルの語学力を問うものまでさまざまです。

韓国語を活かせる仕事の分野は観光、IT、製造、貿易、マスコミ、エンタメなど幅広く、働く場としては日本に進出している韓国企業、韓国に事業展開している日系企業、韓国語専門の人材派遣会社などが考えられます。

求人において必ずしも上級者レベルの語学力が求められるわけではなく、日常会話レベルでOKという条件も珍しくありません。一定レベルの資格・検定を取得すれば、就職・転職時の選考や面接などで韓国語の実力を証明する有効なアピール材料となってくれるはずです。

また、韓国語は日本語と文法が似ており、日本人にとっては英語などに比べて習得しやすいといわれていますが、漫然と勉強していてもスキルアップはなかなか難しいもの。

そんなとき、韓国語のスキルをはかる資格や検定は、自分の実力がどのレベルにあるのかを知るための物差しになってくれます。一つひとつ目標をクリアすることで段階的に韓国語を身につけ、しっかりとスキルを高めていくことができるでしょう。

韓国語の代表的な資格・検定

「ハングル」能力検定試験

「ハングル」能力検定試験
ハングル能力検定試験の公式ホームページです。総出願者数49万人を超える「ハングル能力検定試験」は、日本ではじめての韓国・朝鮮語検定として1993年の6月に1回目の試験を実施しました。この試験の特色は、日本語を母語とする学習者にとって真に意義のある外国語教育理念に基づいた出題と評価にあります。

ハングル能力検定協会が主催する、日本語を母語とする人を対象にした検定試験。「ハン検」の通称で知られ、春・秋の年2回、実施されています。

等級は5級・4級・3級・準2級・2級・1級の6段階で、1級が最上級となっています(受験料は単願で3,700円~10,000円)。試験はマークシート方式の筆記と聞き取りが基本ですが、1級のみ筆記試験に記述式問題があり、合格者にはさらに面接が課されます。

近年の合格率をみると、日本語で出題される5~準2級は80〜40%となっており、 韓国語の勉強を始めたばかりの初心者でも気軽にトライできます。

ただし、韓国語での出題となる2級と1級の合格率は20%〜10%以下と難易度が上がるため、後述する全国通訳案内士などの資格取得を目指す人の腕試しとしても有効です。就職・転職活動で高評価を狙うのであれば、2級以上の合格が望ましいでしょう。

まずは公式ホームページで公開されている模擬試験にトライし、自身のレベルを確認してから本試験に臨むのがベターです。

⇩ハングル能力検定協会への取材記事はこちら

「ハングル」能力検定試験とは|ハングル(韓国語/朝鮮語)のレベルや級・出題範囲を解説
語学検定はさまざまありますが、注目されているのが「ハングル」能力検定試験、通称ハン検です。ハン検は、日本語を母語とする人を対象としたハングル(韓国・朝鮮語の総称)の検定試験です。この記事では「ハングル」検定についての情報をまとめました。さら

韓国語能力試験(TOPIK)

韓国語能力試験 試験概要 | 韓国教育財団
韓国教育財団の公式ホームページです。当財団が実施している韓国語能力試験は、大韓民国政府(教育省)が認定・実施する唯一の韓国語試験です。

韓国の教育省が認定・実施する、韓国語を学ぶすべての人を対象とした試験。世界90ヵ国以上で開催されており、日本でもハン検と並ぶ高い認知度を誇ります。

等級はTOPIKⅠ(初級/1・2級)、TOPIKⅡ(中級・上級/3~6級)の2つからなり、6級が最上級となっています(受験料はTOPIKⅠ4,500円、TOPIKⅡ 6,000円)。受験の際に等級は選択できませんが、各級の合格基準を満たすことで「◯級合格」と認定されます。

試験は日本では年3回実施され、TOPIKⅠではマークシート 方式の聞き取りと読解、TOPIKⅡではそれに加えて記述式の書き取り(作文含む)も課されます。

ハン検との大きな違いは、出題がすべて韓国語で行われること。初心者には少しハードルが高いことから、まずハン検に挑戦して基礎を身につけてからTOPIKⅡに臨む人も少なくありません。

とはいえ、近年の合格率はTOPIKⅡで60〜70%と、ハン検の2級、1級に比べて難易度自体は高くありません。それでいて、韓国の企業や大学で語学力の評価基準として用いられることの多いのが利点。履歴書に書く場合は3級以上の合格を目指しましょう。

韓国語能力試験(TOPIK)の詳細記事はこちら

韓国語能力試験(TOPIK)とは|現地企業も認める韓国語検定の代表格
今は世界的な韓流ブーム。日本でもドラマやK-POP、コスメ、ファッション、グルメなどが人気を集め、韓国の文化はぐっと身近なものになっています。それとともに、韓国語の人気も急上昇! 韓国語の資格・検定にトライする人も増え、2019年には韓国語

全国通訳案内士試験

全国通訳案内士試験概要|JNTO(日本政府観光局)
全国通訳案内士試験は、全国通訳案内士として必要な地域及び能力を有するかどうかを判定する国家試験で、JNTOは観光庁の代行機関として毎年度実施しています。今年度の試験概要についてもこちらからご覧いただけます。

外国人観光客に有償で韓国語でのガイドやサポートを行う全国通訳案内士の国家試験。全国通訳案内士を名乗ることができるのは、この試験に合格し、都道府県知事の登録を受けた人のみとなっています。語学関連では唯一の国家資格で、就職・転職時のアピール材料としても有効です。

試験は筆記試験(マークシート方式)と口述試験(面接形式)からなり、語学力(韓国語を含む10言語から選択可)に加えて、日本の地理、歴史、文化、政治、経済などについての知識や一般常識も問われます(受験料は11,700円)。

難易度は国家試験としては中程度とされていますが、韓国語を選択した場合の2021年度の合格率は14.6%。年度によっては10%を切る狭き門となっており、しっかりとした対策が必要です。

ハン検1級またはTOPIK6級の合格者には韓国語科目の筆記試験の免除制度が設けられているため、これを利用するのも一計です。

学習方法

独学

韓国語の資格・検定は、独学で合格している人も少なくありません。

筆記試験対策には各資格の公式テキストや過去問題集、市販の対策本、単語集、学習アプリなどを活用し、ハングルでの読み書きを基礎からしっかりと身につけ、過去問を繰り返し問きましょう。

特に、韓国語で出題されるハン検2級・1級とTOPIKに挑戦する場合は、問題文を読むことに時間をとられすぎないよう、過去問で設問のパターンを覚えておくことが大切。全国通訳案内士試験に臨むなら、ニュースや専門書などを通じて一般常識や専門知識を学ぶことも必要です。

聞き取り試験対策には、オーディオブックや音声アプリ、YouTubeなどに投稿されている講義動画のほかに、韓国の映画やドラマも有効。繰り返し聞き、一緒に声に出して発音して、正しい発音やよく使われるフレーズを身につけましょう。

面接対策には過去問題集の2次試験課題文や対策動画が活用できます。また、実際に受験した人がブログなどで公開している体験談は面接の傾向を把握するのに役立ちます。

可能であれば、韓国語ができる人と会話をするのも効果的です。それが難しい場合は、미nさんのように「ひとりごとを韓国語にする」方法を試してみてはいかがでしょうか。

スクール・講座

難易度の高い資格や等級に挑戦したり、短期間での合格を目指す場合は、通信・通学講座やスクールを利用するのが近道といえます。

韓国語会話や韓国語の資格・検定対策の講座・スクールは数多くあり、学習期間や費用はさまざまです。例えば、ユーキャンの韓国語講座は標準学習期間3ヵ月で30,000円ほどですが、長期で通う語学学校ならそれなりの費用が必要になりますし、逆に月額数千円で手軽に受講できるスクールもあります。

また、全国通訳案内士を志す人や、就職・転職を見据えて会話力を高めたい人は、ネイティブ講師の在籍するところが望ましいでしょう。

よく検討して自分に合った講座やスクールを選びましょう。

まとめ

「韓国の映画やドラマを字幕なしで観られるようになりたい」「韓国語を活かせる仕事がしたい」……韓国語の資格・検定への挑戦は、そんな夢を叶えるための第一歩。

これから韓国語の勉強を始める人はもちろん、いま勉強中の人も、自分の目的に合った資格・検定を選んで挑戦してみてはいかがでしょうか。

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