子育て経験がいかせる!|子供にかかわる仕事の資格

子育てがひと段落して再就職したいときに、アピールできるキャリアの一つが子育て経験です。

保育や子どもを預かる仕事なら、子育て経験をそのまま活用できます。さらにスキルと知識を証明する保育士などの資格を取得していれば、再就職する際の大きな武器になるでしょう。共働き世帯の増加から保育所の新設は続き、時間外保育、一時保育、病児保育など各種保育サービスのニーズも拡大し続けています。子供に関わる仕事は、長く安定して働ける仕事です。

この記事では、保育や子どもを預かる仕事について、仕事内容や資格を紹介します。

保育園や幼稚園で働く

保育や子どもを預かる仕事といえば、 まず思い浮かぶのは保育士幼稚園の先生ですね。どちらも国家資格です。

保育士

保育士は、主に保育所で就労や病気などの事情がある親の代わりに保育をおこなっています。保育所は児童福祉法に基づいた厚生労働省が管轄する施設であり、対象は0歳児から就学前の子どもで、夏休みや春休みの期間も朝から夕方まで子どもを預かります。

保育所の他にも、乳児院や児童養護施設などの児童福祉施設、児童発達支援施設、放課後等デイサービスなどさまざまな場で、保育士は活躍しています。

保育士になるには、2つの方法があります。

  1. 大学、短大、専門学校などの保育士養成施設を卒業する
  2. 保育士試験に合格する

受験資格は学歴によって異なります。独学で合格した方も多くいますが、保育士試験の受験勉強をサポートする通学・通信・オンライン講座やアプリもさまざまあります。

保育士については、こちらで詳しく紹介しています。

https://college.coeteco.jp/blog/archives/2460/

幼稚園の先生

保育所と同様に多くの子どもたちが過ごす施設が、幼稚園です。

幼稚園には満3歳児から就学前の子どもが、およそ9時から14時頃まで通います。

幼稚園は文部科学省の管轄であり、小学校・中学校・高等学校・大学などと同じく学校教育法に基づいた学校の一つです。

幼児が通う点は保育所と共通していますが、幼稚園と保育所はあくまで別の施設です。しかし、幼稚園が預かり保育をおこなったり、保育所でも幼児教育に力を入れたりと子どもと保護者のニーズにこたえるための取り組みは、重複する部分も多くなっています。

幼稚園の先生とも呼ばれている幼稚園教諭になるには、大学院、大学、短大、専門学校などの養成機関で必要な単位を取得して幼稚園教諭普通免許状を得なくてはなりません。

養成機関によって、専修(大学院)・一種(大学)・二種(短大・専門学校)と免許状の種類が分かれます。仕事内容は同じですが、給与や待遇、園長への昇進など将来性に違いがあるとされています。 幼稚園教諭普通免許状は、通信制の大学や短大でも取得可能です。

幼稚園教諭も他の教員免許と同様に、10年ごとに講習を受講して更新手続きをおこなう教員免許更新制が導入されています。ただし、文部科学省が廃止する方向で検討していると2021年夏に報じられました。今後の報道や文部科学省の発表を注視しましょう。

幼稚園と保育所のいいとこどり「こども園」で働くための特例制度

少子化対策、子育て家庭の孤立、待機児童問題などの解決を目指して、2015年から子ども・子育て支援新制度が始まりました。

404 Not Found - 内閣府
404 Not Found :指定されたページまたはファイルは存在しません。

この制度の一つである認定こども園法の改正により、「幼保連携型認定こども園」が誕生しました。幼保連携型認定こども園とは、幼稚園と保育所の両方の機能をあわせ持つ施設です。 幼保連携型認定こども園に勤務する保育教諭になるには、保育士と幼稚園教諭の2つの国家資格が必要です。

保育士または幼稚園教諭として3年以上かつ4,320時間以上の実務経験がある方なら、両方の資格を修得できる幼保特例制度が利用できます。幼保特例制度とは令和5年度末にあたる2025年3月までに、指定された5科目8単位を大学で取得すると両方の国家資格を得ることができる制度です。オンラインも活用した通信制大学で単位を取得することが可能です。新型コロナウィルス感染症の拡大影響を受けて、スクーリングをしなくても取得可能な大学も増えています。

こども園で保育士として活躍しているReさんも、2021年度中に幼稚園教諭普通免許状の取得を目指して勉強されています。

幼保特例制度で幼稚園教諭普通免許状の取得を検討しているmako先生の質問に、実際に取得した方がアドバイスを返信しています。

保育士、幼稚園教諭のどちらかの資格を持っているなら、働く機会を増やすために幼保特例制度の活用も是非検討してみてはいかがでしょう。

働き方を選びやすい、ベビーシッターとチャイルドマインダー

保育士、幼稚園教諭の2つの国家資格よりも挑戦しやすい仕事に、ベビーシッターチャイルドマインダーがあります。どちらも主に就学前の子どもを預かる仕事です。

ベビーシッターとチャイルドマインダーは、施設に勤務する、会社に登録して依頼主のもとへ派遣される、独立開業するなどさまざまな働き方があります。

保育園、幼稚園、託児施設に勤務すれば業務面、収入面ともに安定するメリットがありますが、家庭の事情などに合わせて自分らしい働き方や理想とする保育を追求したいなら、組織に所属する以外の働き方も選択肢に入れるのもよいでしょう。

先ほど紹介した子ども・子育て支援新制度は、ベビーシッターやチャイルドマインダーにも追い風にもなっています。子ども・子育て支援新制度では地域型保育事業として、小規模保育、家庭的保育、居宅訪問型保育、事業所内保育が整備されました。

<地域型保育の4つのタイプ>
家庭的保育(保育ママ)
家庭的な雰囲気のもとで、少人数(定員5人以下)を対象にきめ細かな保育を行います
小規模保育
少人数(定員6~19人)を対象に、家庭的保育に近い雰囲気のもと、きめ細かな保育を行います
事業所内保育
会社の事業所の保育施設などで、従業員の子どもと地域の子どもを一緒に保育します
居宅訪問型保育
障害・疾患などで個別のケアが必要な場合や、施設がなくなった地域で保育を維持する必要がある場合などに、保護者の自宅で1対1で保育を行います

内閣府「よくわかる『子ども・子育て支援新制度』」より   https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/sukusuku.html

保育園以外の保育サービスの充実をはかるもので、ベビーシッター・チャイルドマインダーの利用が促進されると期待されています。また、子ども・子育て支援新制度では、事業所内保育の整備とともに、ベビーシッター派遣サービスの利用の促進についても明記しています。

ベビーシッター、チャイルドマインダーともにさまざまな団体・協会が資格の認定をおこなっていますが、仕事内容はほぼ共通しています。コロナ禍も影響してオンラインでの研修や在宅受験が広がり、子育てしながらでも学びやすいでしょう。

以下にベビーシッターとチャイルドマインダーの一般的な仕事内容と資格を紹介します。

ベビーシッター

仕事内容

保育園・幼稚園は集団生活であるのに対して、ベビーシッターは主に依頼主の自宅へ訪問して、原則マンツーマンで子どものお世話を行います(兄弟姉妹を一緒にお世話することもあり)。依頼される子どもの多くは乳幼児ですが、学校から帰宅した小学生のお世話を依頼される場合もあります。

近年、ベビーシッターを名乗る男の自宅から男児が遺体で発見されるという事件を受け、2015年6月に厚生労働省による「子どもの預かりサービスのマッチングサイトに係るガイドライン」が発表されました。また2016年4月からはベビーシッター事業として乳幼児を預かる場合には届出が必要です(それ以前の届け出の義務は6人以上)。

ベビーシッターとして働くには、ベビーシッター専門の派遣会社に雇用されたり請負契約を結んだりするほかに、マッチングサービスを利用する方法もあります。パートタイム、フルタイムどちらの働き方も可能です。個人事業主として仕事をおこなう方もいます。

ベビーシッターの資格

資格名認定ベビーシッター
(公益社団法人全国保育サービス協会)
ベビーシッター資格
(日本能力開発推進協会 )
日本チャイルドマインディング&エデュケア協会認定
ベビーシッター資格
取得に要する期間(試験は年1回)約4か月約3か月
受講料13、050円~17,050円
(受講する研修による)
43,000円37,800円~50,220円
(受講方法による)

認定ベビーシッター(公益社団法人全国保育サービス協会)
ベビーシッターとして必要な職業倫理を備え、専門知識・技術を有している証明となる資格です。全国保育サービス協会による研修を受けて認定試験を受けると取得することができます。

ベビーシッター資格認定試験 | 公益社団法人全国保育サービス協会
安心と信頼のネットワーク。公益社団法人全国保育サービス協会。

研修ではこちらのテキストが使用されています。

ベビーシッター資格(日本能力開発推進協会 )
子育てに関する基礎知識、保育マインドに関する基礎知識、子ども教育に関する職業能力を証明する資格です。キャリカレで実施されている資格取得講座を受講して、在宅受験で試験に合格すれば、取得することができます。

ベビーシッター資格 | 日本能力開発推進協会 (JADP)
日本能力開発推進協会(JADP)が認定する「ベビーシッター」は、全国の保育施設でベビーシッターとして活躍できることを証明する資格です。子育てに関する基礎知識、年齢別の育児ポイント、保育マインドなど、専門家としての知識と保育実践力を備えていることを証明します。
ベビーシッター資格講座 | JADP認定資格を目指すなら | 通信教育講座・資格のキャリカレ
4ヶ月で保育現場のプロへ!資格を生かせる場所は多彩!これから保育業界でもっとも求められるベビーシッターを目指すなら資格のキャリカレで。通信教育講座・資格のキャリカレは、あなたの「なりたい」に直結するさまざまな通信教育をご用意しています。豊富な講座の中からあなたにあったものをお選び下さい。あなたにピッタリのオススメ講座は...

日本チャイルドマインディング&エデュケア協会認定ベビーシッター資格

たのまなのベビーシッター講座など、認定校にて所定の講義全過程を修了した後に、全4回の添削課題の合格ラインを超えたら認定修得できます。

ベビーシッター | 日本チャイルドマインディング&エデュケア協会(ACE)
日本チャイルドマインディング&エデュケア協会(ACE)のベビーシッターです。
ベビーシッター講座|通信教育講座で資格なら「ヒューマンアカデミー通信講座」|ヒューマンアカデミー
ヒューマンアカデミーのページです。あなたの趣味やニーズにあった通信講座を多数用意しております。動物・ペットの資格取得ならヒューマンアカデミーの通信教育・通信講座「ヒューマンアカデミー通信講座」

チャイルドマインダー

仕事内容

チャイルドマインダーは、集団保育ではなく、少人数を対象とした家庭的保育をおこなう仕事です。日本では民間資格ですが、チャイルドマインダーが誕生したイギリスでは国家資格であり、社会に広く浸透しています。英語でchildmindingとは、子どもを預かる意味があります。預かる子どもの年齢は、0歳から12歳です。

施設に勤務するチャイルドマインダーもいますが、多くは小規模保育、家庭的保育、居宅訪問型保育をおこなっています。たとえば、「複数のチャイルドマインダーが、少人数の子どもを保育する」「保育ママのように、自宅で開業する」「依頼者の自宅で子どもを保育する」などです。チャイルドマインダーを志す方には、一人の子どもとじっくり向き合いたいと考える方も少なくありません。

チャイルドマインダーの資格

さまざまな団体がチャイルドマインダーの資格を認定していますが、資格を取得するまでの期間・費用はベビーシッターよりもチャイルドマインダーのほうが負担が大きいです。

資格名英国チャイルドマインダー
(NCMA,Japan)
NPO 法人 新保育学会 認定 チャイルドマインダー認定資格
(チャイルドマインダージャパン®)

日本チャイルドマインディング&エデュケア協会認定 チャイルドマインダー
(ヒューマンアカデミー)
取得に要する期間の目安約3~6か月約2~4か月約6カ月
受講料214,500円112,200円412,760円
(入学金33,000円含む)

英国チャイルドマインダー(NCMA,Japan)
NCMA, Japanでは、チャイルドマインダーの本場・イギリスの全英チャイルドマインダー協会(NCMA,UK)の指導に基づいたトレーニングを通信・ウェブの2つの講座から選んで受講できます(1回のスクリーニングあり)

https://www.hoiku.co.jp/

NPO法人新保育学会 認定 チャイルドマインダー認定資格(チャイルドマインダージャパン®)

NPO法人 新保育学会によるカリキュラムを学び、課題を提出した後に、認定試験を受験します。学習から認定試験の受験まで、全て在宅で行うことができます。

403 Forbidden


日本チャイルドマインディング&エデュケア協会認定 チャイルドマインダー(ヒューマンアカデミー)
認定校にて62時間の講義を修了し、課題の提出や評価、出席率などの受験条件を満たして、認定試験に合格すると取得することができます。
認定校であるヒューマンアカデミーでは講義の全24回がオンラインライブで配信されますが、期間中なら何度でも繰り返し見ることができます。保育士や幼稚園教諭の有資格者や実務経験者などを対象にしたものや、チャイルドマインダーと保育士の両方の資格の取得を目指す、さらにチャイルドアートセラピーのスキル修得を目指すなど、さまざまなコースがあります。

チャイルドマインダー | 日本チャイルドマインディング&エデュケア協会(ACE)
日本チャイルドマインディング&エデュケア協会(ACE)のチャイルドマインダーです。
チャイルドマインダー講座|ヒューマンアカデミー
ヒューマンでは就職までを徹底サポート!就職への圧倒的実績を誇る資格講座。独立開業する修了生多数・修了生51,124名以上・実践ですぐに役立つ・充実した講義内容・コース:チャイルドマインダー養成、保育士、ベビーマッサージ、チャイルドアートセラピー。

まとめ

保育や子どもを預かる仕事は、未来ある子どもと保護者をサポートするもので、社会的意義の大きな仕事といえます。

女性の社会進出、幼児教育への関心の高まりなど、子どもを取り巻く環境は変化し続けています。子育てや保育を後押ししようと、国や地方自治体でもさまざまな取り組みが行われています。少子化が問題視されていますが、今後も保育や子どもを預かる仕事のニーズは大きいと予想されます。

あなたも保育や子どもを預かる仕事に挑戦してみませんか。

タイトルとURLをコピーしました