地球の未来を守るSDGs|私たちや企業に求められる取り組みとは

17色のドーナッツ型のバッジをを見たことはありませんか。テレビ番組などでもよく見かける、このバッジはSDGsの17のゴールを意味する、SDGsカラーホイールを表したものです。SDGsのロゴは、バッジの他にも広告や記事、名刺など印刷物にも多く登場しています。SDGsは私たちの生活にとても大切なこと、生活の中にも取り入れたいことです。

この記事ではサステナビリティ・エシカルなど関連性の深い事項と、SDGsの具体的な取り組みの種類や重要性を説明します。また、SDGsへの取り組みをサポートする相談窓口なども紹介します。

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以前から議論されてきた、サステナブル・サステナビリティ

SDGsとは、日本語では持続可能な開発目標を指します。正式名称はSustainable Development Goalsです。
SDGsの概要、資格や検定試験については、こちらで紹介しています。

https://college.coeteco.jp/blog/archives/6403/

サステナブル・Sustainableサステナビリティ・Sustainabilityは、SDGsが誕生する以前から議論され続けています。日本語では「持続可能性」を指します。

サステナブルやサステナビリティが注目されたきっかけは、1972年にローマクラブが発表した「成長の限界」だといわれています。その内容は、人口増加や環境汚染などの現在の傾向が続けば、100年以内に地球上の成長限界に達すると警鐘を鳴らすものでした。その後、国連による報告書や国際会議での議論を経て、2015年9月の国連サミットでの「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にSDGsが記載されるに至りました。

エシカル消費、エシカル商品は、生活者から選ばれるもの

エシカルとは、「倫理的な」という意味の英単語・ethicalのことです。人や社会、地域、環境に配慮した消費行動やライフスタイルを指し、エシカル消費エシカル商品のように、他の言葉と組み合わせて用いられることが多くあります。

SDGsは行政、企業、NPOなどの組織と同様に、私たち個人も主体的に取り組むことが大切です。一方、エシカルは「エシカル消費をする」「エシカル商品を買う」など、多くの場合に生活者が主体になります。商品やサービスを提供する側は、エシカルを意識する生活者から選ばれるための工夫が求められます。

エシカルはSDGsの多くのと関連がありますが、特に「12. つくる責任 つかう責任 Responsible consumption, production」と直接的に結びついたものといえます。

以下のリンクから「12. つくる責任 つかう責任」を達成するための11のターゲットと、それに対応した指標を確認することができます。

https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/statistics/goal12.html

個人と企業の双方から関心が集まる、ESG投資

ESGとは Environment(環境)Social(社会)Governance(ガバナンス)の頭文字を組み合わせた言葉です。持続可能な世界の実現するために企業の長期的成長に重要な3つの観点を表します。ガバナンスは主に企業統治を指し、日本証券取引所グループ(JPX)によると「会社が、株主をはじめ顧客・従業員・地域社会等の立場を踏まえた上で、透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を行うための仕組み」と定義づけられています。

ESGは単体でも用いられる言葉ですが、ESG投資としても注目を集めています。

投資における企業価値の評価対象は、従来は多くのケースで企業の純資産や将来の利益、総資産などを用いてきました。これらに加えて、ESGを考慮した投資をESG投資と呼びます。ESG投資額は年々増えており、2018年の世界のESG投資額は全体の三分の一を占める3100兆円となりました。

日本でもESG投資は広がっています。2015年には日本の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が責任投資原則・PRIに署名したことが、大きく報じられました。PRIとは機関投資家の投資原則であり、投資にESGの視点を組み入れることなどから構成されています。PRIへの署名数は年々増えており、2021年8月13日現在で日本国内の98の機関が署名しています。

ESG投資は、個人の資産形成においては、短期で大きな利益を得るためではなく、安定的な長期投資の視点から注目されています。

一方、ESG投資の広がりを受けて、投資を受ける側である企業もESGを意識することが必要になりました。ESGもSDGsも共通点が多く、資金調達できるようにESG投資に対応するためにも、SDGsへの取り組みが必須といえるでしょう。

2030年のSDGs達成には、あらゆる企業・事業での取り組みが必要

毎年6月には各国のSDG sの進行状況の評価や、達成状況のランキングをまとめた「持続可能な開発報告書」が発表されています。2021年は、日本の順位は165カ国中18位でした。この報告書では、以下の5つのゴールにおいて、深刻な課題があると指摘されています。

  • 5. ジェンダー平等を実現しよう
  • 13. 気候変動に具体的な対策を
  • 14.海の豊かさを守ろう
  • 15. 陸の豊かさも守ろう
  • 17. パートナーシップで目標を達成しよう

2030年までにSDGsの達成を目指すには、各省庁や関係機関、民間も個人もそれぞれが主体的に取り組む必要があります。

日本最大の経済総合団体である経団連(日本経済団体連合会)は、SDGsへの取り組みを紹介するウェブサイト「KeidanrenSDGs」を開設しています。

https://www.keidanrensdgs.com/home-jp

このサイトでは、SDGsの達成と目指すべき未来社会は同一として、社会のさまざまな課題解決に取り組む決意が表明されています。また、経団連会員企業・団体によるSDGsへのさまざまな取組事例も紹介しています。

SDGs専門メディアとともに、既存のメディアによるSDGsに特化したサイトも登場しました。Yahoo! Japanでは、地球と日本の豊かな未来をつくるきっかけを届けようと「Yahoo! Japan SDGs」を立ち上げています。

https://sdgs.yahoo.co.jp/

「Yahoo! Japan SDGs」 では企業の取り組みだけでなく、国内外のSDGsに関連したニュースを広く紹介しています。

SDGsへの取り組みは事業規模に関わらず、中小企業でも個人事業主にも今後は求められますが、専任の担当者や部署を設けることは大きな企業や組織ではない場合には難しいでしょう。まずは、「事業・仕事をSDGsを結びつける」「広告や広報、SNSなどの情報発信をSDGsに沿ったものにする」ことができるか確かめることから始めてみませんか。

SDGsへの取り組みは、CSRにもつながる

CSRとは、Corporate Social Responsibilityを略したもので、企業の社会的責任を指します。

CSRとは、企業活動において、社会的公正や環境などへの配慮を組み込み、従業員、投資家、地域社会などの利害関係者に対して責任ある行動をとるとともに、説明責任を果たしていくことを求める考え方です。

厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudouseisaku/csr.html


今までも、公害や表示偽装など大きな事件や不祥事が起こるたびに企業の責任が追及されました。現代では企業は社会の一員として大きな存在になったため、社会の中で役割を果たすことがさらに強く求められます。

より大きな利益を得ることを目指して事業や仕事を行うためには、顧客、地域、従業員、株主などさまざまなステークホルダーと良好な関係を築き、CSRを達成することが必要です。中小企業や個人事業主でも、できる範囲で社会の一員としての役割を果たすべきでしょう。

SDGsへの取り組みは、CSRの一角となります。積極的にSDGsに取り組み、CSRの達成することは、事業や仕事をより大きくするためにも有効です。

SDGsへの取り組みをサポートしてくれる、相談窓口や補助金

主に中小企業を対象にしたSDGを推進するための相談窓口と、SDGsに関する補助金助成金を探すことができるウェブサイトなどを紹介します。

国の中小企業政策の中核的な実施機関である中小機構では、SDGsに関する対面、電話、オンラインによる経営相談窓口を設置しています。以下のリンクでは窓口の案内に加えて、中小企業のSDGs活用に関する最新の支援情報や事例、中小企業がSDGsを活用し、持続可能な企業経営を行っていくためのガイドブックも紹介しています。

https://www.smrj.go.jp/org/policy/sdgs/index.html

開発途上国への国際協力を行う独立行政法人国際協力機構・JICAも、中小企業・SDGsビジネス支援事業に関する問い合わせを各地で受け付けています。

https://www.jica.go.jp/priv_partner/inquiry.html

各地域の商工会議所や中小企業への支援を行う窓口でもSDGsへの相談を受け付けている場合がありますので、まずは問い合わせてみることをお勧めします。東京では、公益財団法人東京都中小企業振興公社がSDGsの知見を持つアドバイザーへの相談を受け付けています。

https://www.tokyo-kosha.or.jp/support/shien/sdgs/soudan.html

SDGsへの取り組みを始める際には、新たに資金が必要なこともあります。そんなときにサポートしてくれるのが、全国の官公庁、市区町村等の補助金や助成金です。

ウェブサイト「補助金ポータル」では、SDGsに関連した補助金が紹介されています。

https://hojyokin-portal.jp/

まとめ

SDGsは2015年に誕生した新しい言葉ですが、毎日のようにSDGsに関わるニュースが紹介されるように、すっかり定着したといえるでしょう。

SDGsに取り組むことは、あらゆる企業・事業とともに、個人にも求められています。SDGsの達成は社会の一員として生活するためにも、あなたの事業や仕事をより大きくするためにも大切です。身近なこと、できる範囲からSDGsへの取り組みを始めてみませんか。

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