職務経歴やスキルを記録し、就職・転職活動やキャリアアップに活用できるジョブ・カード。人生100年時代に突入した今、その重要性は高まっています。
というのも、働く期間が長くなるにつれ、キャリアアップやキャリアチェンジ、それに向けたリスキルが身近なものとなり、職務経歴やスキルの記録を求められる機会が増えるからです。
でも、折々にジョブ・カードに記録しておけば困ることはありません。初めて就職活動に臨む学生の頃から作成しておけば、さらに安心です。
このジョブ・カードを厚生労働省がデジタル化! オンライン上でジョブ・カードを作成・保存できるウェブサイト「マイジョブ・カード」がスタートしました。
これにより、ジョブ・カードの利便性はグンとアップ。サイトには就職・転職活動やキャリア形成に役立つ便利な機能も備わっており、利用しない手はありません。
そんなマイジョブ・カードでできること、活用方法などを調べてみました。
ジョブ・カードについて、詳しくはこちら↓
https://college.coeteco.jp/blog/archives/915/
「マイジョブ・カード」とは?
「マイジョブ・カード」とは、ジョブ・カードをオンライン上で作成・更新・保存できるウェブサイト。厚生労働省が2022年10月に開設しました。
そもそもジョブ・カードとは、これまでの職務経歴、教育訓練・職業訓練の履歴、保有する免許・資格などの情報や、キャリアプランを記録する書類のこと。同省が様式を定め、求職者、在職者、学生などに向けて、広く普及を促進しています。
ジョブ・カードには、主に以下のようなメリットがあります。
・転職活動に向けたキャリアの棚卸しや就職活動の自己分析のツールとして役立つ
・職務経歴やスキルなどを記録しておくことで、履歴書・職務経歴書の作成が容易になる
・履歴書やESの追加資料として添付できる
・就職後のキャリアアップに役立ち、現役を引退するまで継続的に活用できる
また、専門実践教育訓練・特定一般教育訓練、公共職業訓練、雇用型訓練求人といった公的制度を利用する場合には、ジョブ・カードの作成が必要です。
他方では、企業の人材育成や人事評価、学生のキャリア教育や就職活動の指導などにも役立てられています。
そんな活用範囲の広いジョブ・カードですが、これまでその作成・保存は紙か電子媒体に限られていました。それがマイジョブ・カードではオンラインで完結でき、スマホ対応もしたことで、使い勝手が大きく向上しています。
ジョブ・カード制度総合サイト(旧サイト)とは異なり、行政手続のオンライン窓口であるマイナポータルの「もっとつながる」からシングルサインオンで利用できる点もポイントです。
https://www.job-card.mhlw.go.jp/
「マイジョブ・カード」でできること
ジョブ・カードのメリットや活用法がわかる
「ジョブ・カードを知る」から、ジョブ・カードでできることや活用法、利用者ごとのメリット、ジョブ・カードの種類などについて知ることができます。
ジョブ・カードのメリットをわかりやすく紹介した「マンガでわかる!ジョブ・カード活用法」が公開されているほか、ダウンロードできるリーフレット(PDF)「ジョブ・カード活用ガイド」も用意されています。これらのコンテンツへはトップページからもアクセス可能です。
ジョブ・カードを作成する前に、まずはジョブ・カードへの理解を深めておきましょう。
ジョブ・カードの作成・保存・更新ができる
「ジョブ・カードをつくる」では、アカウント登録のメリット、おすすめの作成の流れなどが紹介されています。
アカウント登録でより便利に
アカウント登録しなくてもジョブ・カードは作成できますが、便利なマイページ機能を利用するにはアカウント登録が必要です。マイページにログインすると以下の機能を利用できます。
・作成したジョブ・カードの保存、管理
作成したジョブ・カードの下書き保存や登録ができます。いつでも確認・編集・ダウンロードが可能です。
・ダウンロードしたジョブ・カードのアップロード、再編集
マイジョブ・カードや旧サイトからダウンロードしたジョブ・カード、ハローワークインターネットサービスの求職者マイページからエクスポートしたデータもアップロードして編集できます。
・保存したジョブ・カードによる履歴書・職務経歴書の自動作成
登録したジョブ・カードのデータを抽出し、履歴書・職務経歴書を自動で作成できます。
初めてのジョブ・カード作成でも安心のサポート機能
ジョブ・カードは、以下の3種類のシートに大別されます。
キャリア・プランシート (様式1-1、1-2) | 自分の価値観、強み・弱み、キャリア・プランを記入します。 就業経験がある方向けの様式1-1と、 就業経験のない方や学卒者向けの様式1-2があります。 |
職務経歴シート (様式2) | これまでの職業経験や、そこから得たスキルなどを記入します。 |
職業能力証明シート (様式3-1、3-2) | これまでに取得した免許・資格を記入する様式3-1、 これまでの学習歴・訓練歴を記入する様式 3-2の2枚に分かれています。 |
ジョブ・カードはどの様式からでも作成することができるため、作成する順序に迷ってしまいがちです。その点、マイジョブ・カードでは求職者、在職者、学生のそれぞれにおすすめの作成の流れが紹介されているので、スムーズに作成をスタートできます。
また、ジョブ・カードは項目の数が多く、特に初めて記入する際は戸惑うことも少なくありませんが、マイジョブ・カードでは自分に近い年代や職業の人の記入例を参考に書き進められるようになっているので安心です。
トップページや「知る」からキャリア形成サポートセンターへアクセスし、キャリアコンサルティング(無料・原則1回)を受けながら作成することも可能です。
このほか、キャリア・プランシートの作成を容易にしてくれるキャリア・プラン作成補助シートや、サイト上の機能・ツールの利用手順を網羅した操作マニュアルも用意されています。
キャリア形成に役立つ情報が得られる
自己理解や仕事理解を深めないと、具体的なキャリア・プランが描けません。そこでマイジョブ・カードでは、キャリア形成に役立つ自己診断ツールや情報の提供も行っています。
いきなりジョブ・カードを作るのはハードルが高いという方は、まずはここから始めてみましょう。
自己診断
自分と職業についての理解を深めるためのツール。以下の3種類の診断が可能です。
興味診断 | 自分の興味・関心や特徴を振り返ることができます。 全30問の質問に答えると、自分のパーソナリティのタイプと、 それに合った仕事や職業などが表示されます。 |
スキルチェック | 自分の得意なこと、苦手なことを把握できます。 全2問の質問に答えると、自分の強みとするスキルのタイプや傾向、 仕事において得意とすること・苦手とすることなどが表示されます。 |
価値観診断 | 自分の仕事に対する価値観を振り返ることができます。 全25問の質問に答えると、自分が仕事において何を重視しているかを 示す志向のタイプが表示されます。 |
自己診断ページへは、サイトのヘッダーやトップページなどからアクセスできます。自己診断ページから厚生労働省が運営するjob tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))の適職探索、民間就職支援サイトの診断ツールなどにアクセスし、併せて活用することも可能です。
お役立ちコラム
就活・転職やキャリアアップなど、キャリア形成に役立つ情報がコラム形式で定期的に配信されています。サイトのトップページや「知る」「つくる」などからアクセスできます。
コラムの内容は、再就職のための資格取得に関するものから、転職活動時にキャリア・プランをアピールする方法、仕事と介護の両立方法、就活時の面接対応に至るまで、幅広く充実したものとなっています。
また、求職者、在職者、学生といった利用者の属性や記事の掲載年で絞り込み、自分に合った情報を閲覧することが可能です。
厚生労働省の関連サイトとの連携
求職者・在職者・学生向けの各ページからjob tagへアクセスし、どんな職業があるかを調べることが可能です。このサイトでは職業検索だけでなく、多様な職業の内容や就労する方法、求められる知識・スキル、どんな人が向いているかなど、いろいろな面から職業についての理解を深めることができます。
また、ジョブ・カードで整理したキャリアプランの実現に役立つものとして、学び直しによるスキルアップを支援する教育訓練給付制度や、必要な職業スキルや知識を得るためのハロートレーニング(離職者訓練・求職者支援訓練)を紹介。就職支援を受けたい方のために、全国のハローワークや新卒応援ハローワークへのアクセスも可能となっています。
job tagについて、詳しくはこちら↓
https://college.coeteco.jp/blog/archives/8647/
まとめ
マイジョブ・カードの開設により、ジョブ・カードは利用者にとって、ぐっと身近な存在になりました。
今後は転職やキャリアアップを目指す人の増加とともに、ジョブ・カードを導入する企業や学校も増えていくのではないかと思われます。
今までジョブ・カードに手が出なかったという人も、これを機会にジョブ・カードを作成し、自身のキャリア・プランを見直してみてはいかがでしょうか。