(取材)「大学ならではの学び」をすべての人へ|明治大学の社会人向け教養・文化/ビジネス講座

生涯学習、リカレント、リスキリング……社会人の学びのあり方は、目的や状況に応じてさまざま。大学や民間事業者が実施する講座も多数あり、「何をどこで学べばいいの?」と迷ってしまうことも多いのではないでしょうか。

そこでおすすめしたいのが、明治大学が運営する生涯学習機関「明治大学リバティアカデミー」。ビジネスから教養・文化まで、総合大学の強みを生かした幅広いジャンルの講座をあらゆる世代に向けて提供し、高い評価を得ています。

学生時代を追体験できるような短期集中プログラムがあるかと思えば、お試しで受けられる単発の無料講座もあり、そのラインナップは実に多彩! 講座の特長や人気講座について、明治大学 学術・社会連携部 社会連携事務室 職員の朝生紫乃氏、國分尚子氏、田中佑太氏のコメントを交えてご紹介します。

https://academy.meiji.jp/

「明治大学リバティアカデミー」とは

明治大学の「知」を社会へ提供

明治大学リバティアカデミー(以下、リバティアカデミー)とは、多種多様な研究教育機関を擁する明治大学が、その知的財産を社会に還元することを目的に、1999年に開設した生涯学習拠点です。

20周年を迎えた2019年度からは駿河台キャンパス「アカデミーコモン」へ会場の集約を進め、コロナ禍を機に対面からオンラインへの移行も実施。現在ではオンラインを中心に常時230ほどの講座を開講し、全国から年間約10,000人もの方が受講しています。初めての方はもちろん、毎年のように受講しているリピーターも少なくありません。

駿河台キャンパス「アカデミーコモン」内観

総合大学ならではの充実したラインナップ

リバティアカデミーは会員制で、会員向けの有料講座は「教養・文化講座」「ビジネスプログラム」を中心に提供されています。2015年度からは仕事復帰・キャリアアップを目指す女性を対象とした「女性のためのスマートキャリアプログラム」、2023年度からはMBAに関心のある社会人に向けた「明治大学プレMBAプログラム」といった短期集中プログラムも実施。このほかに、会員でない人も受講できる無料の「特別企画(オープン講座)」も用意されています。

「文系・理系合わせて10の学部を持つ総合大学という本学の強みを生かし、教養・文化、ビジネスプログラムともに多岐にわたるジャンルの講座を取り揃えています。また、ホームページで講座の詳細をご覧いただくとわかるように、本学の各学部の教員がほとんどの講座で講師を務め、外部から講師を招いた場合もコーディネートに携わっているため、内容も充実しています」(國分氏)

小学生からシニアまで誰もが学べる

ホームページに掲げられた「どなたでも学べる」という言葉通り、あらゆる年代の方に門戸を広げているのもリバティアカデミーの特長。シニア層や主婦、ビジネスパーソンのみならず、高校生や小学生を対象とした講座も提供しています。

「高校生向けには特別企画(オープン講座)の枠で、いろいろな学部の教員が登壇する『文系も理系も集まれ!』というオンライン講座を提供しています。例えば、商学部の教員が週刊少年漫画誌を題材にマーケティングについて語る講座や、理工学部建築学科の教員とともにストリートデザインの可能性について考える講座などがあり、土曜日に1回(60分間)の実施で見逃し配信も付いているので、高校生のみならず幅広い世代に人気の講座となっています。また、小学生向けには春休みや夏休みなどの長期休暇に科学の実験教室を開設しています」(朝生氏)

幅広いジャンルからなる豊富な講座ラインナップ

教養・文化講座

「文化・歴史」「文学」「芸術」「自然・環境」「政治経済・社会・情報」など、知的好奇心に応える講座を幅広く提供。開講は主に平日・土曜の昼間と、リタイア後のシニア層や主婦の方が受講しやすい時間帯に設定されています。

5回完結の講座(受講料13,000円〜17,000円程度)が中心ですが、お試し感覚で受講できる1回完結のものもあります。

「教養・文化講座では、現在60〜70代の方が若い頃に大学で学びたかった分野の講座を受講するというケースも少なくありません。特に『日本の文化・歴史』は、リバティアカデミー開設当時から著名な考古学者が在籍していたこともあり、長きにわたり好評を博しています」(國分氏)

受講生からは、「学生時代とは異なり、学びたい講座を選べるのが魅力」「知らないことを学ぶのは楽しい」「最新の幅広い知識を得られる」「講師の方々の教える姿勢や内容がすばらしい」「好奇心が広がり、受講する講座数が増えていった」「素敵な学友に巡り会えた」といった喜びの声が多数寄せられています。

講座ジャンル一覧

ビジネスプログラム

「マーケティング」「マネジメント」「金融財務」「ビジネススキル」など、スキルアップやキャリアアップを目指すビジネスパーソン向けに幅広いジャンルの講座を提供。働きながらでも無理なく通えるよう、主に平日夜間・土曜の開講となっており、40〜50代を中心に職種を問わず多くの社会人が学んでいます。

講座によって回数や金額は異なりますが、5回完結の講座が最も多く、受講料は6,000円〜17,000円程度が目安です。

「ジャンルとしては『コミュニケーション思考法』が人気で、特に職場で実践できるコミュニケーションスキルやコーチングといった分野は講座数も多いです。また、講座では『安全学各論』が好評を得ています。安全学とは製品やシステムを安全に作り、安全に使うためのリスクアセスメント(リスクの特定・分析・評価)やリスク低減方策などについて学ぶもので、主に製造業に従事する方が生産ラインの危機管理や品質管理のために受講されています」(田中氏)

この「安全学各論」は、春期・秋期それぞれ10回(5日間)での実施。YKK AP株式会社からの寄付金によって運営されている「寄付講座」であるため、会員は通常より安価な1万円で受講できるというのも見逃せません。

「寄付講座は寄付をしてくださる企業・団体の意向に基づき、リバティアカデミーが伴走するような形でカリキュラムを企画・運営しています。ほとんどの寄付講座は受講料が無料で提供され、会員でなくても受講が可能なため、多くの方にご受講いただいています」(朝生氏)

特別企画(オープン講座)

通常のプログラムにはない学びを無料で体験できる企画。先述の寄付講座のほか、明治大学と協定を結んでいる地域との連携講座、学内の他部署と連携して実施する講座などを取り扱っています。

1回完結なうえ、多くの講座は土曜日に実施されるため、働いている方も受講しやすいのが大きなポイント。会員でなくても参加できるので、はじめてリバティアカデミーを受講する方にもおすすめです。

「教養・文化講座同様、歴史に関する講座は人気があります。また、ラグビー部など本学が多数擁している体育会のマネジメントについて監督が語る講座も好評です」(國分氏)

特別企画(オープン講座)の様子

その他のプログラム

リバティアカデミーでは、短期間のコースで学べるプログラムも提供。先述のように、仕事復帰・キャリアアップを目指す女性を対象とした「女性のためのスマートキャリアプログラム」、MBAに関心のある社会人に向けた「明治大学プレMBAプログラム」を開講しています。

ビジネスの基礎知識を総合的に学べる「女性のためのスマートキャリアプログラム」は2023年度にリニューアルされ、2カ月(平日午前のみ )で学ぶ「わたしらしくReスタートコース」、6カ月(平日夜間・土曜)で学ぶ「総合ビジネスコース」の2コースで実施されています。

なお、2024年度春期に放送予定のNHKの連続テレビ小説「虎に翼」のモデルで、女性初の法曹として知られる三淵嘉子氏は明治大学法学部出身。このプログラムにも、かねてより女性の教育に力を入れてきた同学の実績が生かされています。

https://academy.meiji.jp/smartcareer/index.html

一方の「明治大学プレMBAプログラム」は、夏期2カ月(平日夜間・土曜)で明治大学MBA(明治大学専門職大学院グローバル・ビジネス研究科)のカリキュラムを体験できるとあって、初年度の2023年度から満員御礼と、こちらも好評を得ています。受講生の中には明治大学MBAへの進学を考えている方もおられるとのことで、学び直しの選択肢の拡大にも一役買っています。

https://academy.meiji.jp/mba/

いずれのプログラムも、カリキュラムの充実はもちろん、受講生同士で交流を深めたり、講師を務める明治大学の教員とつながったりできるコミュニケーションタイムを設けているのが特長です。

「文系・理系問わずさまざまな業種の方が受講されているので異業種交流会としても活用できますし、教員にじっくりと相談や質問をすることもできます。特に『女性のためのスマートキャリアプログラム』は受講生の結束が強く、要望に応えてコミュニケーションタイムを追加設定することもあるほど。そうした受講生同士のつながりも含めて満足度の高いプログラムになっています」 (國分氏)

「女性のためのスマートキャリアプログラム」「明治大学プレMBAプログラム」の取材記事はこちら↓

https://college.coeteco.jp/blog/archives/15369/

見逃し配信やパッケージ割引も!

双方向性が重視される一部の講座をのぞき、実施形態はオンラインが中心。以下のような形式があり、どの形式で行われるかは講座によって異なります。

  • リアルタイム・・Zoomでの生配信。多くの講座は見逃し配信付き。
  • オンデマンド・・講師が事前に収録した講座を配信。いつでも何度でも視聴が可能。
  • アーカイブ・・・過去に実施したリアルタイム配信講座を配信。いつでも何度でも視聴が可能。
  • ハイブリッド・・対面講座をオンラインでも中継。対面・リアルタイムいずれかを選んで受講。

見逃し配信付きのリアルタイム配信講座なら、当日受講できなかった場合はもちろん、講座内容の復習にも活用できます。オンデマンド講座アーカイブ講座は時間にゆとりのあるときにまとめて視聴したり、隙間時間を利用して学んだりできるので、こちらも忙しい社会人にはありがたいシステムです。

また、一部のオンライン講座やアーカイブ講座を3つ自由に組み合わせ、通常は総額16,000円以上となるところを割引価格の13,000円で受講できる「学び促進パッケージ」というお得な制度も。

「ビジネス講座がメインで、2023年度秋期の対象講座は60分×5回のリアルタイム配信講座とアーカイブ講座の計17講座となっています」(田中氏)

ある受講生はこのパッケージ割引を利用して、実務に役立つ内容やビジネスパーソンのセルフマネジメントに関する3講座を受講。いずれも見逃し配信付きの講座だったものの、「講師との会話や質疑応答から得られる学びも多く、それが当日受講するモチベーションになった」と語っています。

みなさんも、この制度を活用して学びを広げてみてはいかがでしょうか。

大学ならではの充実した学びを、すべての人へ

ここまでご紹介したように、リバティアカデミーは生涯学習、リカレント、リスキリングで求められる学びのすべてを網羅しています。

「今後も継続して社会人の学び直しに対応した講座を提供し、あらゆる年代の方に大学で学ぶ魅力を伝えていきたいと思います」 (國分氏)

その活動の一環として、リバティアカデミーでは社会人の学び直しについての情報発信も行っています。現在は、リバティアカデミー長で同学政治経済学部教授の井田正道氏、同じく文学部教授の齋藤孝氏、政治経済学部教授の原ひろみ氏による「大人の学び」をテーマにした鼎談記事をホームページで公開中。生涯学習、リカレント、リスキリングといった学び直しについて、その背景から意義、魅力までを語り合うもので、これを読むと「わかるようでわからなかった」それぞれの違いがクリアになり、大学で学ぶ価値も理解できます。

「今は無料のショート動画などで簡単に情報を得ることができるものの、そうした切り貼りされた知識とは違い、大学では研究者でもある教員の専門的な視点や理論に基づく体系だった知識を学ぶことができます。忙しさのあまり、大学を卒業した時点で学びは終わりという意識でいる方も少なくないと思いますが、転職や副業など働き方が多様化している今こそ、大学での学びを活用してほしい。鼎談記事には、そんな私たちの想いが詰まっていますので、『何をどのように学べばいいかわからない』という方は、ぜひリバティアカデミーのホームページを訪れていただければと思います」(朝生氏)

※本記事は掲載時点の情報に基づいて作成しており、最新のものとは異なる場合があります。あらかじめご了承ください。

まとめ

時流に合わせた知識のアップデートにとどまらず、知識を体系的に身につけられるのが大学での学び直しの大きな魅力です。

総合大学である明治大学のリバティアカデミーが提供する学びは、ジャンルの豊富さでも群を抜いています。

自分が身につけるべき知識やスキルがはっきりとつかめておらず、講座選びで悩みがちな方にとっては、なおのこと頼れる存在になるはずです。

まずはリバティアカデミーのホームページを訪れ、講座一覧を閲覧することから始めてみてはいかがでしょうか。

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