ファイナンスとは、企業においては、資金の調達や資金の利用、収益の分配等を指した言葉です。難解なイメージがありますが、専門用語を理解すれば基礎となる理論の習得は独学でも可能です。また、ファイナンスは企業だけでなく、個人や家庭にも実は関係があります。
この記事では、ファイナンスを学ぶときに大切なことや独学での勉強方法、ファイナンスに関わる知識を学べる資格、独学にあたっての心得について解説します。
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ファイナンスを学ぶときに大切なこと
ファイナンスをそのまま直訳すると、財政学、財務、融資、調達などとなります。日本におけるファイナンスとは、企業の資金調達や、そのための意思決定を含めて指しており、その目的は企業価値を最大化することにあります。
資金調達の方法としては、株式を発行するなど直接金融によるエクイティファイナンスと、銀行から融資や債券を発行など間接金融によるデットファイナンスの、大きく2種類に分けられます。
普通に仕事をしているだけでは、ファイナンスの知識はなかなか身につかないため、意識的に学ぶ必要があります。まずはファイナンスを学ぶ目的と、教材の選び方について確認しましょう。
ファイナンスを学ぶ目的
ファイナンスを学ぶときには、なぜファイナンスを学びたいのか、自分の目的を明確化しておくことが大切です。目的を決めずに、なんとなく行う勉強には最終的なゴールがないため、学習の継続が難しくなります。
ファイナンスの知識は、経営や財務を担当する場合だけではなく、ビジネス業界の流れを読み、企業の価値を高めようとする場合にも必要です。身につけることで、上司や経営者との意思疎通がしやすくなり、キャリアアップにもつながるかもしれません。
また家庭においても、ファイナンスを知ることは、家計簿を財務諸表として管理したり、最近注目されている投資による資産形成の成功のためには必要なものです。
ファイナンスを学ぶときには、どのように活かしていきたいのかを意識してみるとよいでしょう。
初心者向けの簡単な教材から取り組む
ファイナンスに関する知識がない方が学び始めるときには、初心者向けの簡単な教材から取り組むのをおすすめします。
ファイナンスは専門的な用語が多く、専門用語を知っていることが前提の中・上級者向けの教材を初心者が利用しても、理解するのは非常に困難であるからです。
まずは、初心者向けの簡単な教材から利用して、前提となる知識や考え方を身につけましょう。
ファイナンスの独学におすすめの方法
ファイナンスを独学するおすすめの方法は、次の3つです。それぞれの独学方法について詳しく見ていきましょう。
書籍
市販されているファイナンスに関する書籍を読んで、勉強するという方法です。
メリットとして、広く販売されている書籍を利用するため、本屋や書籍の通販サイトなどで、比較的安価かつ簡単に手に入ることが挙げられます。
また、書籍は間違った情報が記載されないように編集されており、情報の正確性が担保されています。さらに、一度購入すれば手元に残るため、繰り返し復習できることもポイントです。
一方で、デメリットとしては、知りたい情報をすぐに調べるのが難しいことが挙げられるでしょう。書籍には目次や索引がありますが、ある情報をピンポイントで知りたいとき、その情報が記載されているページを探すのに難航する場合もあります。
また、書籍は順序立てて執筆されているため、最初から読まないと理解が難しいこともあり、学ぶのに時間がかかりがちです。
記載されている内容を自分で理解しなければならず、理解が難しい箇所は根気強く読み進めていかなければなりません。
多くの人が役に立ったと紹介している書籍が、こちらです。
インターネットサイト
インターネット上に掲載されている、ファイナンスに関する個人や企業の解説をもとに独学する方法です。
メリットとしては、無料で学べて、知りたいことをピンポイントで検索できる点が挙げられます。インターネット環境がある場所なら、パソコンやスマートフォンですぐに調べられるため、学びやすいといえるでしょう。
しかし、インターネットサイトで独学する際には、注意点があります。個人や企業が自由に記載している情報であるため、サイトによっては情報が不正確な場合もあるのです。
また、情報掲載元のポジションによっては、自身に都合の良い情報を記載していることもあり、知識に偏りが生じる可能性があります。
そのため、インターネットサイトで独学するのであれば、情報の正確性や偏りに注意しながら進めましょう。
セミナー
ファイナンスに関するセミナーに参加する方法です。
民間スクールの入門講座など、一般参加可能なセミナーが多数開催されており、専門的な知識をもった講師がわかりやすく解説してくれます。疑問や不明点があった場合、すぐに質問をして解決できることもセミナーのメリットです。
一方でデメリットとしては、セミナーに参加する費用がかかることが挙げられます。書籍を購入する場合と比べると、高額な費用がかかってきてしまうでしょう。
また、セミナーを受けるためには、開催日に予定を合わせなければなりません。そのため、多忙な方やスケジュールの調整が難しい職種の方は、セミナーの参加自体が難しいこともあります。
他にも、セミナーは録音や録画ができないことが多いため、復習の難しさがネックです。
最近では比較的安価に参加できるオンライン形式のセミナーも開催されているので、上手に利用することをおすすめします。
ファイナンスに関する知識を学べる資格
ファイナンスを独学するときに、ただ漫然と勉強するのではモチベーションを保ちにくいかもしれません。独学の際に設定する目標としておすすめなのが、ファイナンスに関する知識を学べる資格の取得を目指すことです。
ここでは、ファイナンスに関する知識を学べる資格について紹介します。
ファイナンシャル・プランナー
ファイナンシャル・プランナー(FP)とは、あらゆるお金に関するエキスパートともいえる資格です。
次に挙げるようなファイナンスに関する知識が、試験では問われます。
- 金融
- 税制
- 不動産
- 住宅ローン
- 保険
- 年金制度 など
お金に関する幅広い知識を学ぶことになるため、資格取得に向けた勉強がそのままファイナンスの基礎の習得へと結びつくのです。
ファイナンシャルプランナーを目指す人におすすめの資格や、年収とおもな収入源について、こちらで紹介しています。
https://college.coeteco.jp/blog/archives/9236/
簿記
簿記とは経営活動のお金の動きを記録する技能のことで、簿記資格はその技能を証明する資格です。企業のお金の動きや資産、利益の仕組みなどを学べるため、事業を最適化させるファイナンスにとっても必要な知識が身につきます。
簿記資格として一般的に広く知られているのは、日本商工会議所が開催する日商簿記です。
日商簿記は難易度に応じて、次の5つの種類があります。
- 1級
- 2級
- 3級
- 簿記初級
- 原価計算初級
原価計算初級が最もやさしく、1級が最高難易度です。初心者が取得を目指すのであれば、まずは3級を受けてみるのがよいでしょう。以下の記事も参考にしてみてください。
https://college.coeteco.jp/blog/archives/379/
https://college.coeteco.jp/blog/archives/359/
ビジネス会計検定試験
ビジネス会計検定試験は、企業の経営成績をまとめた財務諸表に関する知識や分析力を問う資格です。
ファイナンスは、企業にとって最適なお金の使い方に関する知識といえます。最適なお金の使われ方がなされているかどうかを確認するために、企業の経営成績を知ることは欠かせません。
ビジネス会計検定試験の資格取得を目指すことで、財務諸表を理解して分析できるようになれば、企業の経営状態や経営者・上司の発言の意味するところがわかるようになるでしょう。
まとめ
今回は、ファイナンスを独学できるかどうか、またファイナンスに関する資格や独学の心得を解説しました。
ファイナンスを独学することは可能であり、書籍やインターネットサイト、セミナーなどさまざまな方法で学べます。
多くの社会人にとって、ファイナンスの知識は仕事やキャリアアップに欠かせない知識です。また、家庭においても経済的な安心を得るためには持っていて損はない知識です。この記事も参考にして、ファイナンスの独学を始めてみてはいかがでしょうか。