要約力とは|話を端的・明確に伝えるビジネススキルをトレーニングしよう

相手に説明してもうまく伝わらない。話がまとまらない。「結局何が言いたいの?」と言われてしまう。そんな人は、「要約力」が不足しているのかもしれません。

要約力が身に付いていないと、ものごとを明確、かつ簡潔に伝えることができず、日常のコミュニケーションはもとより、特にビジネスにおいては不利になる可能性があります。上司への説明、顧客との商談、ビジネス書類の作成も要約力ひとつで大きく結果が変わってきます。

そこで今回は、要約のコツやトレーニング方法、学習方法をご紹介。要約力を高め、ビジネス成功への道を開きましょう。

ビジネスに重要な「要約力」

要約力とは、情報の中から重要な「本質」の部分だけをすばやく掴み、簡潔にまとめる力のこと。特にビジネスシーンでは、この要約力が重要となることが多々あります。

例えば、上司や顧客から説明を求められたとき。まず、相手が話す内容から即座に要点をつかみ頭の中でまとめて、相手の求めていることを的確に返答できれば、会話はスムーズに進みます。「仕事ができる人」の印象も持たれやすいでしょう。

一方、要約力が身に付いていない人は相手の話を理解するにも時間がかかり、「頭の回転が遅い」「コミュニケーションが難しい」と思われてしまうことも。つまり、要約力ひとつでその人の印象が大きく変わってくるのです。

どうすればうまく要約できる? 要約のコツ

うまく要約できるようになるには、まずコツをつかむことが重要。相手に説明するうえで効率的に要約するコツ・ポイントを紹介します。

話の着地点をはっきりさせる

相手に説明する際は、自分の頭の中で話の着地点を明確にしておくことが大切。「結局何を伝えたいのか」という着地点がはっきりしていないと、「本質」部分が見えにくくなります。結果、ムダに長々話してしまうことに。また、着地点を理解していないと内容がブレやすく、まとまりのない印象を与えてしまいます。

曖昧な表現をしない

「多分○○です」「○○だと思うのですが」といった曖昧な表現は使わないようにしましょう。内容がぼやけ、結局何を伝えたいのかわからなくなってしまいます。不確かなことを伝える際は、「これはまだ不確定なのですが」など前置きすると、要点と区別しやすくなります

ひとつの文章は短くする

ものごとを伝える際の文章は、一文一文が短いほうが伝わりやすいです。「○○になったのは△△が理由ですが、××にすると△△になることがないため、○○の問題は解消されます。」といったような文章は一文に入っている要素が多く、相手も理解に時間がかかります。「〇〇になった理由は△△です。××にすれば△△にはなりません。そのため、○○の問題は解消されます。」といったように、文を短く区切るだけでも要点を掴みやすります。

5W1Hを意識する

文章を短くまとめる際に意識したいのが、5W1H(いつ、どこで、だれが、何を、なぜ、どのように)。一文一文を短くまとめるときは、この5W1Hを意識するとまとめやすくなります。要約力がなく説明下手といわれる人の中にはこの5W1Hができておらず、主語がない説明をしてしまうケースが多くあります。主語がないと、聞き手はそもそも何の話をされているのかすらわかりません。そのため、余計な混乱を招き、不要な時間を要してしまいます。

要約力は独学で鍛えられる?自分でできるトレーニング法

仕事の効率化に役立つ要約力。要約力はどのようなトレーニングで高められるのでしょうか。自分でできる学習方法、トレーニング方法を紹介します。

書籍を使った要約トレーニング

要約力を鍛えるに効果的なのが要約文の作成。まずは読んだ書籍の内容を要約して短い文章にまとめてみましょう。本に限らず、新聞や雑誌、インターネットサイトの記事でも構いません。この要約文作成をさまざまな記事や本で実践していくことで、5W1Hの抜き出し方や、簡潔にわかりやすく伝える方法が身に付いていきます

また、5W1Hを意識して文章を読むことは読解力向上にも有効です。読解力は、プレゼン資料などビジネス資料を読む際に必須。要約力とともに高めたいビジネススキルのひとつです。

アプリやツールを使って要約を学ぶ

上記で書籍の要約について触れましたが、実際に「本の要約アプリ」というものが提供されています。アプリでは、プロが作成した書籍の要約文が閲覧可能。また、日本語の文章を要約してくれる要約ツールというものもあります。このようなアプリやツールで要約文を見るのも参考になるでしょう。

要約を自分の言葉で話してみる

要約を文章にするだけでなく、言葉で誰かに伝えてみるのもよいトレーニングになります。誰かに話すには、その場で文章をまとめなければなりません。このトレーニングを繰り返すことで、おのずと、頭の中ですばやく要点をまとめる力がついていきます。臨機応変に強くなり、ビジネスにも役立つでしょう。

コピーライターとして活躍するオヤマダタイスケさんがおすすめするのは、映画やドラマの要約(あらすじ)を誰かに話して伝える方法。相手の反応から、自分の要約力レベルを掴むこともできますね。自分の好きな映画やドラマであればモチベーションも高まり、楽しくトレーニングできるのではないでしょうか。

要約力アップに役立つ書籍

要約力の独学に役立つ本も多数販売されています。文筆家やスピーチライターといった文章のプロたちが教える要約のコツ、学習方法で効率的に要約力を身に付けましょう。

SNSやネットニュースで話題になったのが【9割捨てて10倍伝わる「要約力」(著者:山口 拓朗】。1.情報収集、2.情報整理、3.情報伝達の3ステップで要約のコツを解説しています。ポイントを押さえわかりやすく解説されていると評判。口コミでも話題になった書籍です。

こちらはまさに忙しいビジネスパーソン向け。あの大手広告代理店・博報堂のスピーチライターが執筆した、短期間で要約力を身に付けるための書籍です。5日間で「思いを言葉にする力」を学べる構成になっており、効率的に要約のコツを学ぶことができます。

要約力アップのための講座やセミナー

資格取得講座のように、ビジネススキルを取得するための講座も注目を集める昨今。要約力アップの講座や研修、セミナーも複数開催されています。

多くのオンライン研修を扱っているインソースでは、要約力強化研修を開催しています。受講時間は3時間、費用は15,800円(税込)。オンラインで手軽に受講でき、受講生の満足度も96%と高評価のようです。実践レベルの要約力を効率的に高めたい人は、こういったビジネスパーソンを対象とした講座や研修に参加してみてもよいでしょう。

こちらは、オンラインの生放送授業を行うschoo(スクー)の要約力オンライン講座を受講した「ネコ」さんの感想。相手にものごとを伝えるうえでの、「情報収集」「情報整理」の重要さを学んだとのこと。要約力が高まれば、おのずと情報管理能力も高まりそうですよね。

※schooの要約力講座は不定期開催

まとめ

要約力は、話す側になるときも聞く側になるときも役立つスキル。要約力を高めることができれば、コミュニケーションスキルが格段にアップします。要点を得たスマートな話し方は知的な印象も与えます。有能なビジネスパーソンを目指して、今日からでも要約力トレーニングを始めてみてはいかがでしょうか。

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