本渡章の「古地図でたどる大阪の歴史」~「区」150年の歩み 第3回 西区から港区へ継がれた大阪開港史

 大阪市を形作ってきた歴史を、その土地の成り立ちと経済、文化など様々な要素を持った「区」から見つめ直そうという試みです。
第3回は、築港を中核とする巨大な港湾インフラを中心に大阪の産業発展の起点となった港区です。
 水深が浅く、大型の外国船入港に不向きだった川口の港に代わる近代的な港の建設に迫られた大阪。政府の支援も受けて国家的大事業となった築港は明治36年(1903)に大桟橋が完成し、ようやく開業します。港区の発展とともに、その後の大阪発展の歴史がはじまります。

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本渡章の「古地図でたどる大阪の歴史」~「区」150年の歩み 第3回 西区から港区へ継がれた大阪開港史

600 円(税込)

申し込み期間: 2025年1月1日 00:00まで
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「進化する自治」をテーマに行政と市民との新しい関係を模索します。

受講後の効果

「150年の大阪の区の歩み」を古地図と共に見たり、感じたりすることで、それぞれの町の成り立ちと歴史を知ると共に、これからの大阪に思いを巡らせていただければと思います。

幕末の大阪の中心地であった「大坂三郷」を基礎としながらも、3つではなく「北区」・「東区」・「南区」・「西区」の4つの区から始まり、近代化や戦後復興、人口爆発を経て現在の24区となった経過を「区」の成長(=大阪市の成長)という視点から描かれた「古地図でたどる大阪24区の履歴書」に触発されたテーマです。

区にはそれぞれ成り立ちの理由があります。特に大阪では商業が発達し、産業ごとに町を形成していったという歴史と文化があります。
そしてその土地の特性や、発展していった生業、育った産業など、地域を形作っていった要素は様々です。吸収して大きくなった理由や、大きくなって分区した時の経緯など、それぞれの区、特有の、あるいは固有の訳があることが多いです。
いま大阪市には、未来を展望する経済政策は無きに等しい状況です。政治的思惑による「カジノ=博打」を誘致する以外、何ら明確な経済的ビジョンや産業育成といった政策はありません。スローガンだけで実態とはかけ離れた「国際金融都市」を叫んだり、さまざまな問題が指摘されている「スマートシティ構想」といった夢物語ではなく、地に足の着いた産業のあり方を地域から見直すきっかけの一つとして、区の歴史から再構築してみます。
また、現在の大阪市は、自然の人口減少に加え、転出が転入を上回り、行政区として適正な人口を保持できなくなることが明らかとなっています。戦前から戦後にかけて起こった人口増から、人口減少に向かう中、合区による減区は必要となってくるでしょう。その時、机上の数合わせや、政治的な思惑による線引きではなく、区と大阪市の形成を踏まえた、合理的で、軋轢を生まないあり方を探っていくことこそ、住民の合意形成に必要だと考えます。

区の歴史から見えてくる大阪市の過去と現在を通して未来を妄想してみませんか。

カリキュラム

  • 本渡章の「古地図でたどる大阪の歴史」~「区」150年の歩み 第3回 その1 港区前史 江戸後期の新田開発ラッシュと大阪湾岸フロンティア

    5分

    1. 前回お話したように、明治以後の発展のエネルギーは西に向かって進みます。この西へ向かう流れは、実は江戸時代からありました。江戸後期、幕府の奨励によって、島々が散らばる未開発地の新田開発がはじまります。中でも現・港区エリアにあった市岡新田は、寛延2年(1749)以後辰巳屋によって増墾された・大阪沿岸中最大のものとして語られています。新田開発とともに生まれた天保山が、その後近代築港の建設地となっていく港区の歴史の流れを見ていきます。

  • 本渡章の「古地図でたどる大阪の歴史」~「区」150年の歩み 第3回その2 西区から港区へ継がれた大阪開港史

    4分

    1. 明治元年(1868)、明治政府は川口を開港し、外国人居留地を設置。しかし、江戸時代の大坂の水運の玄関だった川口は、大型の外国船入港に不向きだったため、大型船の入港できる近代港建設が急務となります。明治25年(1892)に計画がはじまった築港は、明治36年(1903)に大桟橋を完成し、ようやく開業。その後、第一次計画が完了するのが昭和4年(1929)。約60年の年月をかけた大阪港が見つめる、その後の大阪の発展をたどります。

  • 本渡章の「古地図でたどる大阪の歴史」~「区」150年の歩み 第3回 その3 区域に遊びの彩りを生み出した海辺の解放感

    7分

    1. 大正3年(1914)、築港にヘルスセンターの先駆け的施設「築港大潮湯」が登場します。これを機に、天保山・築港を中心にさまざまな遊びの空間が生み出されていきました。大正15年(1926)には湾岸一帯の土地5万坪、水面1万坪の広域で電気博覧会を開催されるなど、この地域は、現在の海遊館へとつながる海辺の賑わいを創造していく様を追っていきます。

  • 本渡章の「古地図でたどる大阪の歴史」~「区」150年の歩み 第3回 その4 遊び空間として今もなおリニューアルを続ける天保山

    9分

    1.  太平洋戦争時、空襲で大打撃を受けた大阪港は修復するも、物流が陸空へと展開する中で、海運としてかつての賑わいを取り戻すことはできませんでした。しかし、国際見本市会場にはじまり、インテックス大阪が開設するなど、戦後の商業の発展を担っていきます。一方では、港の歴史の象徴ともいえる築港赤レンガ倉庫群、ハーバービレッジ、大観覧車、海遊館など、海辺の解放感あふれる遊び空間として栄えていく流れを見ていきます。

 大阪市を形作ってきた歴史を、その土地の成り立ちと経済、文化など様々な要素を持った「区」から見つめ直そうという試みです。
第3回は、築港を中核とする巨大な港湾インフラを中心に大阪の産業発展の起点となった港区です。
 水深が浅く、大型の外国船入港に不向きだった川口の港に代わる近代的な港の建設に迫られた大阪。政府の支援も受けて国家的大事業となった築港は明治36年(1903)に大桟橋が完成し、ようやく開業します。港区の発展とともに、その後の大阪発展の歴史がはじまります。

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こんな人におすすめです

明治生まれの最初の4区が現在の24区になるまでの足跡をまとめました。なぜこんなにたくさんの「区」ができたのか、それぞれの「区」はどんな役割を担ってきたのか、暮らしに身近なのに知られていなかった「区」。その誕生から現在までの大阪150年のドラマを私といっしょに思い描いていただければうれしいです。

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ucoでは、自治のあり方や考え方、また行政と市民との間でどのような自治のスタイルが望ましいのかを受講者のみなさまと考えていきます。脈々と連なっている大阪市の近現代史や行財政の歴史を振り返りながら、現在抱えている課題に対して、市民と行政は何ができるのか、どう取り組めるのかを模索していきます。
昨年より、「大阪の未来を構想する」と題して、大阪市はこれからの都市としてどうあるべきかを、様ざまな視点から学んでいます。その第1弾として、行財政編パート1 大阪市行財政の軌跡とその特質を考える[全5回]を、長く大阪市の行財政にも携わってきた木村収先生を講師にお迎えしてお送りしています。
また、「市民・住民が行政の事業やまちづくりに関与する度合いを拡げていくことで、多くの意見が交わされ、地域の、町の多様性を担保することに繋がる」というヴィジョンをもとに「進化する自治を構想する」講座を展開。公的枠組みの中での自治と協働、あるいは、地域で勝手に行いながらも、地域住民を巻き込み、新しいコミュニティを形成している地域など、新しい協働のかたちや、独自のコミュニティを形成している事例など、実際の取り組みを現地交流や体験学習を通じて研究し、理解を深めていこうとするものです。
そして、2019年に区の誕生から150年を迎えた大阪市。区の成り立ちや発展から見た大阪の近現代の移り変わり、そして、現在の24区からの今後を見つめる「古地図でたどる大阪の歴史」~「区」150年の歩みでは、古地図研究者の本渡章さんを講師に迎えて、大阪市を形作ってきた歴史を、その土地の成り立ちと経済、文化など様々な要素を持った「区」から見つめ直します。

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