フードコーディネーターは食のクリエイター!なり方や仕事内容を解説

テレビや雑誌、Instagramで見かけることも多い「フードコーディネーター」に興味があるものの、どのようなステップを踏めば一人前として働けるのか、疑問に思う方もいるのではないでしょうか?

フードコーディネーターになるための一つの方法として、そのスキルを証明する「フードコーディネーター資格認定試験」に合格する方法があります。フードコーディネーター資格を取得することで「食のクリエイター」を名乗ることができます。

女優でモデルの川島令美さんもフードコーディネーターとして活躍されています。フードコーディネーターは独立して活躍している方も多く、企業の商品開発や宣伝に関わる仕事も多い、魅力的な仕事です。

この記事では、フードコーディネーターの仕事内容やなり方をはじめ、フードコーディネーター資格認定試験の概要について解説します。

フードコーディネーターとはどんな仕事?

フードコーディネーターが活躍できる場はたくさんあります。ここでは、フードコーディネーターとはどのような仕事なのかについて解説します。

フードコーディネーターは食のプロへの第一歩!

フードコーディネーターは、食のブランドやトレンドを創り出すと同時に、食の開発・演出・運営を行なう「食のトータルクリエイター」です。飲食店などのメニューの開発をはじめ、食品メーカでの商品開発、料理教室の講師、自治体や教育機関と連携した食育など、多岐にわたります。

それ以外にも、テレビや雑誌、動画サイトへ提供する料理を作ったり、フリーでレシピ本を出版したり、テレビ番組に出演して活躍している方も。

書籍や広告のフードコーディネート、TVフーディー、シズル撮影、スタイリング、レシピ開発、メディア出演などを行う高橋ゆいさんが、撮影のお仕事を紹介しています。

フードコーディネーターは誰でも名乗ることができますが、活躍する場は多岐にわたるため、食に関する幅広い知識と創造力が求められます。

フードコーディネーターとフードクリエイターの違いはある?

フードコーディネーターと似た言葉で「フードクリエイター」というものがあります。

「フードクリエイター」の定義は未だなく、広義ではフードコーディネーターと同様に「食のトータルクリエイター」という意味で使われており、狭義では

料理研究家・商品開発・フードディレクター・YouTube・TikTok・Instagramなどで活躍されている方

引用:CHEF1-グランプリ2023

として使われているようです。
著名なフードクリエイターとしてyumikoさんやikuraさんがいます。

フードコーディネーターに向いている人

フードコーディネーターという職業は食に対して深い関心のある人に向いています

フードコーディネーターは食のクリエイターとして、味付けはもちろん、彩や飾りつけなど見せ方の工夫も求められます。食に対して深い関心があることで、フードコーディネーターとして重要となる創造力やセンスを磨いていけるでしょう。

また、フリーランスでフードコーディネーターとして働くことを考えているのであれば行動力も大切です。積極的な人脈づくりや営業活動の方法として、ブログでレシピを発信したり、企業に企画を持ち込んだりと、アクションを起こすことが重要になります。

食に関する多くの活躍の場があるなかで、将来どのようなフードコーディネーターを目指すのかをしっかり決めて進んでいくのが理想です。

フードコーディネーターになるにはどうすれば良い?

ここでは、どうすればフードコーディネーターとして活躍することができるのか、フードコーディネーターのなり方を2つ解説します。

アシスタントからスタートする

フードコーディネーターの働き方としては、フリーランスのフードコーディネーターとして活躍したり、食に関する企業でフードコーディネーターとして働いていたりします。
しかし、フードコーディネーターとして働こうと考えていても、求人などでフードコーディネーターの募集をしていることは、あまりないのが現状です。

そのため、まずはフードコーディネーターのアシスタントとしてスタートするのが理想です。アシスタントからスタートし知識と経験を蓄えステップアップしていきましょう。
フードコーディネーターのアシスタントは、先輩コーディネーターの仕事がスムーズに進むようにフォローすることです。ここで得る経験は必ずあとから活きてきます。決して手を抜かないように全力を注ぎましょう。

フードコーディネーター資格認定試験を受ける

日本フードコーディネーター協会が主催する資格認定試験を受けて資格を取得することで、フードコーディネーターとして名乗ることができます。
フードコーディネーター資格を保有していれば、フードコーディネーターとしての知識や技量を客観的に示すことができるため、企業に就職する際もアピールできる材料になります。

ここからは、フードコーディネーター資格認定試験の詳細を紹介します。

フードコーディネーター資格認定試験の概要

フードコーディネーター資格認定試験は日本フードコーディネーター協会が主催する民間資格です。1級・2級・3級の3段階に分かれています。どのように試験内容が違うのか、費用や難易度も併せて解説します。

参考:特定非営利活動法人 日本フードコーディネーター協会

フードコーディネーター資格認定試験の種類

フードコーディネーター資格認定試験は1~3級まであり、上級を受験するには下級の取得が必須です。数字が小さくなるにつれて難易度が上がります。

フードコーディネーター3級

試験実施期間11月頃
試験申込期間9~10月中旬頃
受験料一般:12,000円
会員: 7,000円
※会員とは入会金・年会費を納め、会報誌を受け取っている方
実施会場全国のCBTテストセンター
試験方法CBT形式
試験内容・文化
・科学
・デザイン・アート
・経済・経営
試験時間120分
出題形式択一式
出題範囲・『新・フードコーディネーター教本』
・テキスト外からは食に関する一般常識問題
出題数1分野25問、4分野 計100問
受験資格中学卒業以上
※すでに3級資格取得者は受験不可
合格発表12月中旬頃
認定登録料21,000円
※登録は任意
※合格発表後、振り込み

フードコーディネーター3級試験は毎年11月頃に受験期間が設けられています。2021年度からCBT方式が導入され、全国のCBTテストセンターで受験が可能になりました。そのため、試験会場が全国各地に広がり、申込時に空席があれば、都合の良い日時・会場で受験できます。

また、今までは調理師・栄養士・管理栄養士・製菓衛生師のいずれかの有資格者は「文化」と「科学」科目が免除されていましたが、2021年度より科目免除制度が廃止されました。

問題は毎年販売される『新・フードコーディネーター教本』から択一式で出題されます。
出題範囲は『新・フードコーディネーター教本』の最新版と前年版が対象です。たとえば、2023年度は『新・フードコーディネーター教本2023』または『新・フードコーディネーター教本2022』が試験範囲となっています。

教本は2020年に大幅改訂を加えられて以降、毎年新年度版が販売されています。最新版を使って勉強すれば問題ありません

希望すれば日本フードコーディネーター協会の3級試験対策講座が受講できます。講座は『新・フードコーディネーター教本』を用いて、オンデマンド配信で行われるので、配信期間中であれば都合の良い時間に視聴可能です。受講料は16,000円で、1分野約40分、4分野計約160分となっています。

3級試験合格後、認定登録をすると「フードコーディネーター3級資格保有者」として認定されます。認定登録料として21,000円かかり、手続きが完了すると認定証が送付されます。

なお、2級資格認定試験を受験するには、3級資格認定登録が必須となります。

フードコーディネーター2級

2級は「1次試験」と「2次資格認定講座」に分かれています。両方に合格し、認定登録を受けると「フードコーディネーター2級保有者」として認められます。
2級試験も3級試験と同様に2021年度からCBTが導入されました。

<2級1次試験>

試験実施期間6月頃
試験申込期間4月下旬~5月下旬頃
受験料<試験のみ>
一般:12,000円
会員: 7,000円

<対策講座セット>
一般:28,000円
会員:23,000円

※会員とは入会金・年会費を納め、会報誌を受け取っている方
実施会場全国のCBTテストセンター
試験方法CBT形式
試験内容『新・フードコーディネーター教本 2級資格試験対応テキスト』
第1章「食市場の動向とマーケティング」
第2章「商品開発」
第3章「レストランプロデュース」
第4章「ホスピタリティと食生活のサポート」
第5章「食の表現と演出」
第6章「フードプロモーション」
試験時間120分
出題形式択一式
出題範囲『新・フードコーディネーター教本 2級資格試験対応テキスト』を中心に、一部重要な食情報など
出題数計100問
受験資格3級資格認定登録者
合格発表7月上旬頃

2級1次試験は3級資格認定登録者のみ受験可能です。『新・フードコーディネーター教本 2級資格試験対応テキスト』を中心に、択一式で計100問出題されます。
教本は、日本フードコーディネーター協会とAmazonで購入することができます。

日本フードコーディネーター協会
https://www.fcaj.or.jp/exam/second/text2

3級と同様に、希望すれば日本フードコーディネーター協会の2級試験対策講座が受講できます。受講料は受験料とセットになっており、一般の方で28,000円(受講料 16,000円+受験料 12,000円)、会員の方で23,000円(受講料 16,000円+受験料 7,000円)です。1分野約30分、6分野合計約180分の講座となっています。

<2級資格認定講座>

講座実施期間8月頃
講座申込期間7上旬頃
受講料14,000円
※ 決済手数料含む
実施方法オンライン講座(オンデマンド配信)・課題提出
講座内容・時間(1)企画書の基礎 約20分
(2)企画書作成のポイント  約50分
合計 約70分
※(2)は「レストランプロデュース」「商品開発」「フードプロモーション」の3分野から1つを選択
※ 動画にて(1)(2)を学習後、課題を提出
受講資格2級1次試験合格者および2級資格取得者(他分野の合格者)
合格発表9月下旬頃
認定登録料21,000円
専門分野2分野以降:6,000円
※登録は任意
※合格発表後、振り込み

2級2次試験はオンライン講座受講後に「レストランプロデュース」「商品開発」「フードプロモーション」の3分野から1つを選択し、企画書の課題を提出。企画書が認められれば晴れて2級合格となります。

2級2次試験合格後、認定登録をすると「フードコーディネーター2級資格保有者」として認定されます。認定登録料として21,000円(専門分野2分野以降は6,000円)かかり、手続きが完了すると認定証・バッジが送付されます。

なお、1級資格認定試験を受験するには、2級資格認定登録が必須です。

2級2次試験で不合格になった場合、次回から2級2次のみの受講となります。

フードコーディネーター1級

1級は「1次試験」と「2次試験」に分かれており、プロとして活躍できる実践的な知識や技量を持っているかが問われます。両方に合格し、認定登録を受けると「フードコーディネーター1級保有者」として認められます。

<1級1次試験>

試験実施期間9月(課題受付期間)
試験申込期間7月下旬~8月末頃
受験料12,000円(税込)
試験内容企画書審査
※2級認定分野「レストランプロデュース」「商品開発」「フードプロモーション」より1つ選択し、企画書を提出。資格は分野別に認定される。
受験資格2級資格認定登録者(取得分野に限る)

1級1次試験は「レストランプロデュース」「商品開発」「フードプロモーション」の3つの分野のうち、2級で認定された分野の企画書を作成し、提出する試験です。

なお、2023年度より「イベント・メディア」 は「フードプロモーション」に名称が変更されています。

1級試験でも希望すれば、日本フードコーディネーター協会の1級試験対策講座が受講できます。受講料は16,000円で、合格するための企画書作りを分野別に学ぶことが可能です。

<1級2次試験>

試験日2~3月頃
試験申込期間12月初旬~12月中旬頃
受験料16,000円(税込)
実施会場東京
試験内容1次試験で合格となった企画書を使ってプレゼンテーションをする
受験資格1級1次試験合格者(前年度までの1次合格者を含む)
合格発表3月頃

1級2次試験は1級1次試験で提出した企画書を使ってのプレゼンテーションです。自己アピール3分、プレゼンテーション15分、質疑応答10分の合計28分となっています。

1級2次試験合格者は認定登録をすることで、フードコーディネーター1級資格保有者として認定されます。認定登録料として31,000円(専門分野2分野以降は6,000円)かかり、手続きが完了すると認定証・バッジが送付されます。

1級2次試験で不合格になった場合、次回から1級2次のみの受験でOKです。

また、1級合格後他分野でも1級取得を目指す場合は、1級1次試験からの受験で問題ありません

フードコーディネーター資格認定試験の合格率と難易度

ここでは、フードコーディネーター資格認定試験各級の合格率と難易度を紹介します。

フードコーディネーター3級

フードコーディネーター3級の合格率は公表されていませんが、70~80%程度といわれており難易度はそこまで高くありません。しっかり勉強すれば合格できる試験といえるでしょう。

また、フードコーディネーター3級の認定登録者数は2023年3月時点までで25,700人となっており、資格設立以降、毎年右肩上がりで増え続けています。

フードコーディネーター2級

年度2級1次試験合格率
2022年度82.39%
2021年度84.80%
2019年度86.49%
2018年度83.85%
2017年度80.26%
※2020年度は新型コロナウイルス感染症感染拡大により試験・試験対策講座を中止
参照:日本フードコーディネーター協会 2級試験合格率

2級1次試験の合格率は80%以上で推移しており、比較的易しい試験といえるでしょう。2次試験の合格率は公表されていませんが、30~60%といわれています。分野によって合格率の幅があるようです。

なお、2級2次試験は2018年度以降、2次資格認定講座に変更されています。

フードコーディネーター1級

年度1級合格率
2022年度40.00%
2021年度22.58%
2019年度43.10%
2018年度48.57%
2017年度42.31%
※ 2021年度は新型コロナウイルス感染症感染拡大により試験対策講座を中止
※ 2020年度は新型コロナウイルス感染症感染拡大により試験・試験対策講座を中止
参照:日本フードコーディネーター協会 1級試験合格率

1次試験、2次試験の合格率は公表されていません。

対策講座が中止されていた2021年度のみ合格率が激しく落ち込みました。その他の年度は合格率が40%台と難易度が高く、1級合格を目指すのであれば対策講座に申し込むのが近道です

1級試験合格者はこれまで累計150人(2023年3月現在)しかいないため、フードコーディネーターの能力を証明できる有効な資格といえます。

まとめ

フードコーディネーターは食の開発・演出・運営を行なう「食のトータルクリエイター」です。企業や飲食店のメニュー開発から、講師や食育に関するものなど、フードコーディネーターの仕事は非常に多岐にわたります。

フードコーディネーターになるには、食品に関する企業への就職や独立をしてなる方法と、フードコーディネーター資格を取得して活躍の場を広げる方法の2通りあります。

資格取得を目指す場合、日本フードコーディネーター協会が主催する「フードコーディネーター資格認定試験」の3~1級に合格することで、「フードコーディネーター3級~1級」の資格を取得可能です。
フードコーディネーター資格は、客観的な知識・技能の証明として、または、知識や技能を深めるためにもおすすめの資格といえます。

食べる喜びは生活を豊かにしてくれます。食は味だけではなく五感をフル活用して楽しむものです。フードコーディネーターとして活躍して、新たな食の文化を創り出していきませんか?

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