航空整備士の仕事内容とは?将来性や資格の取得方法も解説

航空整備士
航空整備士

航空機の整備や点検を行なう航空整備士は、航空機の安全な運航に欠かせない非常に重要な職業です。

航空整備士を目指すなら、まずはその仕事内容や将来性、資格の取得方法について知っておきましょう。

この記事では、航空整備士の仕事内容将来性資格取得方法について詳しく解説していきます。航空整備士の仕事に興味がある方は、ぜひ参考にしてください。

航空整備士とは?魅力と将来性

まず、航空整備士の概要とその魅力、将来性について解説します。

航空整備士とは?

航空整備士とは、国土交通省管轄の国家資格です。資格取得後はおもに航空会社や整備会社に勤め、航空機の整備や点検を行ないます。

人命に関わる重大な仕事をするうえ、航空機が稼働していない深夜に作業することもあるため、航空整備士には精神的・肉体的なタフさが求められます。

多くの人の生活を支えるという点で責任は重大ですが、その分やりがいも大きい職業だといえるでしょう。

航空整備士の平均年収は、令和2年賃金構造基本統計調査によると、525万円です。

航空整備士の5つの資格

航空整備士の資格は、取り扱える航空機の種類や作業範囲によって、5つに分かれています。

航空整備士の5つの資格と作業内容

一等航空整備士/一等航空運航整備士
旅客機や大型ヘリコプターを整備する

二等航空整備士/二等航空運航整備士
小型の飛行機・ヘリコプター・グライダーを整備する

航空工場整備士
航空機の各部品についてより専門的に整備する

一等・二等という名称は取り扱える航空機の種類を、整備士・運航整備士という名称は作業できる範囲の違いを表しています。資格取得を検討する際は、どのような仕事をしたいかを考えて資格を選ぶとよいでしょう。

航空整備士に将来性はある?

航空業界に欠かせない航空整備士ですが、将来性はあるのでしょうか。

グローバル化や格安航空の市場拡大にともない、航空業界の求人は増加傾向にあるため、航空整備士の需要も高まっています。今後も需要の高い状態は続くと予想されるため、航空整備士は将来性のある仕事だといえるでしょう。

航空整備士の仕事内容は?

航空整備士3

航空整備士の仕事は整備や点検の内容によって、ドック整備・ライン整備・ショップ整備の3つに分けられます。それぞれの仕事内容について解説します。

ドック整備

ドック整備は、空港に設置されている格納庫(ドック)で、航空機の点検・整備を行なう業務です。

飛行時間に応じて定期的に行なう業務で、日常的な整備の対象にならない機体を、約1ヵ月かけて隅々まで整備します。整備中に問題があれば、部品の交換や修理も行ないます。

ライン整備

ライン整備は、駐機場で航空機の点検・整備を行なう仕事です。フライトごとに行なわれる日常的な業務で、フライトスケジュールに合わせて整備を行なう必要があるため、作業にはスピードも求められます。

ドック整備が「整備」に重点を置いているのに対し、ライン整備は「点検」に重点を置いているといえるでしょう。

ショップ整備

ショップ整備は、航空機の心臓部であるエンジンを整備したり、航空機全体を制御しているコンピューターを点検したりする業務です。

航空機の機関部を整備する特に重要な業務であるため、高い知識と技術力、経験が求められます。

航空機のマニュアルは英語で書かれていることが多く、ほとんどの専門用語が英語です。航空整備士が仕事をを行うためには、TOEICで400点~600点程度の英語力が求められるといわれています。

航空整備士になる2つの方法!

航空整備士になるには、どのような方法があるのでしょうか。具体的な方法を2つ紹介します。

航空専門学校または大学から資格取得を目指すのがおすすめ

航空整備士になるには、国家試験に合格しなければなりません。試験を受けるには年齢や一定の実務経験などの受験資格が必要なので、実務経験を積むために航空会社や整備会社などへの就職を目指すのが王道です。

航空会社や整備会社へスムーズに就職するには、航空専門学校もしくは大学で、航空機や整備に関係する知識を学ぶことをおすすめします。

専門的なことを勉強せずに航空整備士を目指すことも可能ですが、知識がほぼない状態で航空会社・整備会社に就職するのは非常に困難といえるでしょう。

ここからは、航空専門学校および大学で学ぶ方法について、それぞれ詳しく解説します。

1. 航空専門学校で学ぶ

より早く確実な資格取得を目指すなら、高校卒業後に航空専門学校で学び、航空会社などで実務経験を積むのがおすすめです。

航空専門学校は、整備士に必要な知識と技術を専門的に学べる学校で、関連施設や設備が整っている学校が多く、航空会社への就職支援も充実しています。

また、国土交通大臣によって「指定航空従事者養成施設」に指定されている学校であれば、在学中に2等航空整備士2等航空運航整備士などの資格を取得可能です。

在学中に取得できる資格は学校によって異なるので、学校選びの際にチェックしておきましょう。

2. 大学で学ぶ

航空専門学校ではなく、理工系の大学で学んでから航空会社などに就職を目指す方法もあります。大学では、航空機に関する理論を深く学べるほか、一般教養まで幅広く知識を得られます。

航空専門学校に進学する場合に比べると、資格取得は遅くなってしまいますが、より専門的な知識を身につけたい人にはおすすめだといえるでしょう。

航空整備士の国家試験は難しい?試験の内容と難易度

航空整備士2

航空整備士になるには、国家試験に合格しなければなりません。航空整備士の国家試験の難易度や受験資格、試験内容について解説します。

試験の難易度は高い

航空整備士の国家試験の合格率は非公開となっています。

しかし、航空整備士は人命に関わる職であり、非常に専門性の高い知識と技術が求められるため、試験の難易度は高いと思われます。

航空整備士の国家試験の受験資格

国家試験では、受験する資格や対象となる航空機の種類によって、年齢や実務経験などの受験資格が異なります。

ここでは、一等航空整備士二等航空整備士の受験資格の一部を紹介します。

航空整備士の国家試験の受験資格(一部)

資格受験資格
一等航空整備士
(飛行機)
20歳以上
最大離陸重量(※1)8,618kg以下の飛行機または航空運送事業に使われる飛行機についての6ヵ月以上の整備経験を含む、4年以上の航空機の整備経験
一等航空整備士
(回転翼航空機※2)
20歳以上
最大離陸重量9,080kg以下の回転翼航空機または臨界発動機(※3)が停止しても安全に航行できる回転翼航空機についての6ヵ月以上の整備経験を含む、4年以上の航空機の整備経験
二等航空整備士19歳以上
技能証明を受けようとする種類の航空機での6ヵ月以上の整備経験を含む3年以上の航空機の整備経験

参考:国土交通省「航空従事者技能証明等の試験について

※1 航空機が離陸時にとりうる重量の最大値
※2 ヘリコプターなど回転翼によって飛行する航空機
※3 複数のエンジンが付いている航空機において、故障すると飛行に最も大きな影響が出るエンジン

詳しい受験資格については、国土交通省の以下のページにてご確認ください。

参考:国土交通省「航空従事者技能証明等の試験について

試験内容

試験は学科試験実地試験に分かれています。

学科試験

航空従事者向けの学科試験は原則として年6回実施されますが、そのうち航空整備士に関する学科試験は3月・7月・11月の年3回が対象となっています。試験会場や日程は官報で公示されるので、最新の情報をチェックしておきましょう。

学科試験では各科目100点満点で、70点以上の得点で合格となり、全科目に合格すると学科試験合格となります。

また、学科試験には科目合格制度があり、一度にすべての科目に合格できなくても、合格している科目があればその実績を次回の受験時に持ち越せます。

なお、科目合格は1年間有効です。制度を上手に利用して、計画的に全科目合格を目指しましょう。

実地試験

実地試験は、学科試験合格者のみに実施されます。学科試験合格後2年以内個別で実施されるので、試験案内にしたがって受験しましょう。

試験は面接および実技試験のなかで、整備や点検の知識と技術を見ます。受験する資格に応じた航空機を実際に使用しながらの試験となるため、どれだけ事前に練習しておけるかがカギです。

まとめ

航空整備士は、航空機が空を安全に飛べるよう、機体を整備・点検する非常に重要な職種です。

航空整備士の資格は、取り扱える機体の種類や作業範囲によって分類されており、資格を取得するには、航空整備士国家試験に合格しなければなりません。試験の日程や会場は官報で公表されるので、最新の情報をチェックしておいてください。

また、航空整備士国家試験には、一定の実務経験が必須です。実務経験は基本的に航空会社や整備会社などで積むことになるため、まずは航空業界へ就職できるよう、大学や専門学校などで学ぶ必要があります。

何年後にどのような資格を持ち、どこで働きたいのかなど、目標を明確にしたうえでキャリアプランを立て、航空整備士資格取得を目指しましょう。

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