秘書検定は、社会人に求められるマナーや一般常識を学ぶことができる人気の資格です。
「秘書」とは、役職者に直属し、身の回りの世話から、メールや電話応対、来客の接遇、スケジュール管理、書類・原稿作成まで幅広い業務を行います。また、この資格の知識は秘書業務につなかなくとも、総務のエキスパートとして役に立つものです。
受験資格はなく、独学にも向いているので、コミュニケーションスキルや人間力を身に着けて就職に臨みたい学生の方はもちろん、転職を目指すビジネスパーソンの方にもおすすめです。
挑戦しやすい2級、3級から、高度な秘書業務の知識が求められる準1級、1級まで、自分のレベルに合わせて資格を取得することができます。
履歴書に書けるというだけでなく、社会人の方には上司の無茶ぶりにどう感じよく対応していくか・・などのヒントも得られるかもしれません。
ここでは筆記試験だけで取得できる2級、3級を中心に秘書検定の概要、取得方法等を紹介していきます。
秘書検定とは?
秘書検定2級・3級については、公式サイトで以下のように要求される技能の説明がされています。
各級位において期待される技能の程度(難易度)
https://jitsumu-kentei.jp/HS/about/contents
3級
基本的な職場常識を問われる級です。上司が効率よく仕事を遂行するためには,秘書はどんなことに気を利かせる必要があるか,またどのように対応すれば感じがよいと思ってもらえるかの基本部分を問う級です。主に高校生が多く受験しています。
2級
3級より少し複雑な場面設定になります。上司の身の回りの世話や手助けを適切に行うための優先順位も考えることが必要になってきます。感じのよさだけでなく効率のよい仕事の仕方も問われる級で,就職を意識した大学生の受験が多く,社会人の受験も目立ちます。
なお、履歴書に記載できる資格としては2級からが望ましいと言われています。
正式名称は「平成〇年〇月文部科学省後援、秘書技能検定試験〇級合格」「平成〇年〇月秘書技能検定〇級合格」等と記載します。
試験概要など
試験内容
出題形式は準1級・2級・3級は選択問題(マークシート方式)と記述式の全35問(選択問題:31問、記述問題:4問)となっています。試験時間は120分です。
(準1級、1級ではさらに面接試験もあります)
各級の筆記試験は「理論」と「実技」に分かれます。
それぞれの試験が60%以上で合格となります。
理 論
1.必要とされる資質
2.職務知識
3.一般知識
実 技
4.マナー・接遇
5.技能
ちなみにマナー接遇では「電話応対」「祝儀袋の書き方」や「葬儀での言葉遣い」「来客対応」、技能では「返信ハガキの書き方」「社内文書の書き方」など。日常生活では学びにくい、業務ですぐに役に立つ知識がたくさんあります。
試験日と会場
2級、3級については、試験日が年3回(6月、11月、2月)あり、1年で何回か挑戦することが可能です。試験会場は全国の大学や専門学校です。
2021年の日程は
回数 試験日
第124回 2021年6月13日(日)
第125回 2021年11月14日(日)
第126回 2022年2月6日(日)
※第126回は2級・3級のみの実施です。
申込方法・受験料など
公式サイトからの申し込みや、学校等で申し込みができる場合もありますのでご確認ください。
2級 の受験料は4,100円、3級 2,800円、2・3級 併願は6,900円です。(2020年4月現在)
なお、秘書検定では、2級の試験範囲は、3級にプラスアルファされたもので内容が重複しています。さらに、並んでいる級なら2つ併願できるので、滑り止めに両方を併願する方も多いようです。
公式サイトの受験要綱はこちら
https://jitsumu-kentei.jp/HS/guidelines/contents
試験までの準備期間
秘書検定を受けようと思ったとき、どのくらいの期間でとれるのだろうと心配になるかと思います。よく言われているのは2級で1カ月程度です。
ただし、この期間というのは一日に平均1時間の勉強時間を確保できた場合です。学生なのか、社会人ですでに知識を持っているか等によっても変わってきますね。
そう考えると余裕をもって、試験日の1~2か月前から勉強を開始し、1日1時間程度勉強すると合格できる?といった感じになるでしょうか。
合格率・難易度など
第119回 1.11.10 の結果は以下のようになっています。
施行級 | 志願者数 | 受験者数 | 最終合格 | 合格率 |
2級 | 27,708名 | 25,629名 | 12,523名 | 48.9% |
3級 | 12,862名 | 11,858名 | 6,220名 | 52.5% |
一般常識・ビジネスの基本となる資格のせいか、アナウンサーやタレントさんで秘書検定を持っている方も多く、元SKE柴田阿弥さんも2級保持者のようです。
高校や大学で受験を奨励している場合もあるので、学割で受験できるならば、就職する前に取得して損はない資格です。
学習方法は?
お試し問題ではひっかけ?と思われるものもあり、きちんと文章を読むことが大切です。問題は人の気持ちを考えるものが多いので、設問の場面を想像して回答を考えましょう。
秘書検定は上司とのコミュニケーションを主眼にしている傾向がありますので、実務の知識がある方だと?という点もあります。過去問がよく出題されるので、それを参考に、割り切って回答を覚えることも必要かもしれません。
試験時間は120分で、途中退席する受験者もいるようですので、時間は多めにあります。ゆっくり丁寧に解いても大丈夫です。
独学の場合
受験者数が多いせいか、ブログやツイッターなどでも勉強法を見つけることができます。頑張っているつぶやきや合格の報告も多く投稿されていて、仲間がいる!という気持ちになれます。
公式サイトでは早稲田教育出版のテキストがお薦めされており、ネットで見てもそれを使用している人が多いようです。
詳細に解説があるものや、とりあえずコンパクトにまとめてあるものなど、テキストの種類も豊富なので、自分にあったものを選びましょう。(古本やメルカリなどの利用も多いよう・・)
こちらのぴょん吉さんはなんと、1日平均1時間の2週間、15時間ぐらいで1発合格されたそう!2週間は難しいとしても、1か月なら、なんとかできそうな気がしませんか?
通信教育・WEB講座を利用する
独学はムリ・・という方は、通信教育や通学、WEB講座などでトライしてみましょう。
ユーキャン、たのまな、日建学院等、人気の資格だけあって、多くの通信講座や学校で設定されています。
価格は1万数千円~3万数千円程度、たのまなでは2・3級のみの取得、ユーキャンや日建学院では、準1級までをいっぺんに勉強するコースなど、種類も豊富です。
自信をもって、踏み出すために
秘書検定では、社会人として大切な、細かい業務を円滑に進めるために必要な常識、心配りを身に着けることができます。
会社や仕事だけではなく、日常生活でもコミュニケーションを円滑にしたり、知っていないと恥ずかしい慶弔事などの知識を正確に、しかもわずか1か月あまりで学べることは、大きなメリットだと言えるでしょう。