危険物取扱者乙種4類とは|試験概要や学習法など

危険物取扱者は、消防法で定められた燃焼性の高い危険物を管理するために必要な国家資格です。危険物を一定数量以上貯蔵・取り扱いする施設には、危険物取扱者を置くことが義務付けられています。

中でも人気なのは「乙4」と呼ばれる、危険物取扱者乙種4類です。危険物乙4の資格を持っているとガソリンスタンドや石油会社で働ける可能性が高くなったり、昇給や昇進のチャンスに繋がったりします。また、危険物乙4を持っていないと働けない仕事もあるため、転職に有利になることも。

この記事では、そんな危険物取扱者乙種4類の試験概要、学習方法等を紹介していきます。

<前編>資格の概要・難易度等についてはこちら!

https://college.coeteco.jp/blog/archives/422/

危険物乙4の試験について

試験時間と内容

出題形式は五肢択一形式のマークシート方式で、試験時間は2時間です。試験開始から35分経過すると途中退出が可能となります。試験科目は以下の3科目です。

科目(略称)問題数合格ライン
危険物に関する法令(法令)15問9問
基礎的な物理学及び基礎的な化学(物化)10問6問
危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法(性消)10問6問
合計35問21問

なお、乙種は1~6類までありますが、どれか1つの類でも取得していると「危険物に関する法令(法令)」と「基礎的な物理学及び基礎的な化学(物化)」の試験が免除になります。つまり、「危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法」の10問だけを解けば良いのです。試験時間も2時間から、たった35分に短縮されます。

試験科目免除問題数試験時間
法令全部免除0問35分
物化全部免除0問
性消10問
出典:消防試験研究センター 危険物取扱者試験 試験科目及び問題数

試験日程と会場

危険物取扱者は試験回数が多く、各都道府県で最低年2回は実施されています。特に危険物乙4は試験回数が多く、都道府県によっては4類の試験のみ実施される日程もあるようです。

都道府県によって実施回数や試験日程が異なるため、自分の住んでいる地域の試験日を公式サイトでチェックしてみるといいですね。

試験情報検索 : 一般財団法人消防試験研究センター

都道府県によっては、すでに試験日程ごとの試験会場が発表されているので、行きやすい会場を選びましょう。ちなみに、全国どこの試験会場でも受けられるので、居住地や勤務地の都道府県でなくてもOKです。

申込方法・受験料

申込方法は持参・郵送・インターネットの3通りです。

持参と郵送の場合、受験地のセンターや支部から願書を取り寄せ、必要事項を記入するとともに、試験手数料支払証明書を貼付して、受付期間内に受験地のセンターや支部へ持参、もしくは郵送します。

インターネットの場合、消防試験研究センターの電子申請ページへアクセスし、申し込みましょう。スマートフォンでの申請も可とされていますが、公式で動作確認されているOS、ブラウザは限られており、携帯電話会社の提供するメールアドレスやフリーメールアドレスでは各種通知メールを受信できない場合もあるため、注意が必要です。

危険物取扱者の受験料は種によって異なり、危険物乙4の受験料は4,600円です。また、合格すると免状の作成のために別途2,900円と簡易書留代が必要です。

危険物乙4の学習方法について

独学の場合

危険物乙4はブログやTwitterで勉強法を公開している人が多く、様々な体験談を見ることができます。受験前に色々な情報をゲットできるのは嬉しいですね。

人気の資格のため、テキストも多数出版されています。

ネットで人気だったのは、赤本と呼ばれている向学院の「乙4類危険物取扱者 受験教科書」。じっくり勉強したい人におすすめです。ただし、購入手段が公式サイト、またはFAXのみである点に注意!

株式会社 向学院|書籍のご案内

とにかく短期間で合格を目指したい!という方にはこちらがおすすめ。

10日で受かるかはその人の勉強時間次第ですが、「重要ポイントがまとまっていてわかりやすい」「この1冊でOK」という声が多くありました。

また、合格された方の中には、とにかく過去問を解いたという口コミも多かったため、過去問に基づいたテキストもおすすめです。

様々なスタイルの参考書があるため、自分に合ったものを探して、一冊を極めることが合格への近道です。

過去問や予想問題を扱っているサイトもあるので、テキストを読んだ後はそのサイトで勉強するのもアリですよ。おすすめは「危険物取扱者試験過去問題集[乙四]」「過去問ドットコム」の2つのサイトです。特に、「過去問ドットコム」は無料会員登録をすると学習履歴の保存ができ、間違えた問題だけを出題可能なのでとても便利!

最近では、YouTubeにも危険物乙4に関する講習動画がアップされているので、節約して勉強したい!という人はそちらを探してみてもよいでしょう。

基礎的な化学や物理の知識に多少左右されますが、1ヶ月〜3ヶ月程度の学習で合格に辿り着いているようです。

通信教育の場合

そうはいっても自分だけだと自信がない……という方は、独学よりコストは掛かりますが、通信教育がおすすめです。危険物乙4は人気の資格のため、ユーキャンやたのまな、オンスク.JPなど様々な通信講座で講座が開講されています。

価格は講座によって1,000円~40,000円と幅があり、自分に合った講座を探すことが重要です。

また、厚生労働大臣が指定する講座では一定の条件を満たすと、学費の20%が支給される教育訓練給付金制度を利用することができます。自分自身や選んだ講座が対象かどうか調べてみるのもいいですね。

ネットで見つけた口コミ

Satoyanさんは、なんと65歳で1発合格したようです。すごい!

tkさんは文系で、基礎的な化学も曖昧な状態からコツコツ勉強し、合格したそうです。

危険物乙4の取得後

保安講習を受講しなければならない

危険物取扱者免状を所持し、消防法で定める危険物を取り扱う作業に従事している人(ガソリンスタンドや石油類を貯蔵する事業所など)は、3年度ごとに都道府県知事が行う「危険物取扱者保安講習」を受講しなければなりません。また、新たに危険物を取り扱う作業に従事することとなった人は、その日から1年以内に受講しなければなりません。受講手数料は4,700円です。

ただし、上記に当てはまらない人は講習を受けなくても問題ありません

受講場所の指定はなく、どこの都道府県で行われている講習であってもOK。全国危険物安全協会で受講場所を調べられます。都道府県によってはオンラインで講習をしているところもあるので、近くに会場がない人は利用するといいですね。

受講を忘れてしまうと、免状の返納を求められる可能性がありますが、1度受講し忘れただけではほとんどありません。また、法令違反に基づき措置点数が定められており、3年間で処置点数が20点に達してしまうと免状の返納を命じられますので、必ず受講しましょう。

10年に1度写真の更新をしなければならない

危険物乙4に限らず、危険物取扱者の免状は10年に1度、写真の更新が必要です。 居住地や勤務地、 免状の交付を受けた消防試験研究センター支部(東京都は中央試験センター)へ申請をしましょう。窓口はもちろん、郵送でも申請を受け付けています。手数料は1,600円です。

期限内に写真の更新を忘れてもペナルティはありませんが、不備のある免状となり、使用できなくなります。その場合でも申請すれば更新ができるので、速やかに写真の更新手続きを行ってください。

まとめ

危険物取扱者乙種4類は需要が高く、人気の資格です。人気だからこそ、試験回数が多く、自身の受験しやすい会場が選べます。試験は2時間で35問出題され、各科目60%以上で合格。通信教育で対策するのはもちろん、独学でテキストを使って勉強しても合格可能です。

免許取得後は講習を受けたり、写真の更新をしたりしなければなりませんが、取得すれば生涯役に立つ資格なので、この機会に検討してみてはいかがでしょうか?

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