中国語の資格・検定とは|多くの業界・企業が求める第二外国語の筆頭格

世界第2位の経済大国として発展を遂げた中国。近年は経済成長に鈍化がみられ、現在はコロナ禍の影響も懸念されているものの、多くの日系企業がいまだ中国でビジネスを展開し、訪日中国人観光客の獲得はインバウンド成功のカギとなっています。

それに伴い、さまざまな業界で中国語を話せる人材への需要が高まり、中国語を学ぶ社会人や大学生が増加。そのスキルを証明する資格・検定への関心も高まっています。

とはいえ、中国語の資格・検定はいくつもあり、どれが自分に必要なものなのかがわからない、といった声もよく聞かれます。

そこで、ここでは代表的な中国語の資格・検定について、特徴や強み、取得方法、効果的な学習方法などをご紹介します。

中国語の資格・検定とは

同じ漢字圏に属する日本人にとって、中国語は習得しやすい言語といわれています。しかし、その発音は複雑で、文法も日本語とは異なるため、スキルアップを図ることは簡単ではありません。

資格・検定試験にチャレンジすることは、自分の実力がどのレベルにあるのかを知り、着実に中国語を身につけ、スキルを高めていく手段として非常に有効です。

また、中国語を活かせる業界は観光・旅行、 商社・貿易、アパレル、食品、自動車、金融など幅広く、働く場には日本に進出している中国企業、中国に事業展開している日系企業、中国語専門の人材派遣会社などがあります。

これらの業界や企業で中国語への需要が高まる一方、中国語が話せる日本人人材は不足しているのが現状です。中国語の実力を保証する資格・検定は、就職や転職、キャリアアップにおける大きな武器。たとえ企業の応募条件に資格について記載がなかったとしても、一定の評価を得られることは間違いないでしょう。

ただし、日本で受けられる中国語の主な資格・検定試験は7種類あり、内容は初心者向けのものから上級者レベルの語学力を問うものまでさまざまです。日常会話レベルの中国語を使う仕事と、高い語学力が求められる仕事とでは、アピール材料となる資格・検定や等級は違ってくるため、自分に必要なものを選んで取得を目指すことが大切です。

中国語の代表的な資格・検定

中国語の主な資格・検定のうち、ここでは特にビジネスに有用とされている4種類を取り上げます。

このほかに、実践的な中国語会話のレベルをはかる「C.TEST」、ビジネスにおける中国語のコミュニケーション能力を問う「BCT(ビジネス中国語検定試験)」、台湾留学に必要な語学能力を判定する「TOCFL(華語文能力測験)」がありますが、以下の4つの資格・検定は、採用時の参考としていたり、従業員に取得を奨励していたりする企業が多いのが魅力です。

中国語検定

中検 | 中国語検定試験
中検・中国語検定試験は,日本国内において中国語の学習成果を測る指標として最も多く利用されている資格試験です。「中検」は日本中国語検定協会の登録商標です。

日本中国語検定協会が主催する、主に日本語を母語とする人を対象にした検定試験。日本では中国語のスキルをはかる指標として最も多く利用されており、特に日系企業や中国企業の日本採用において力を発揮します。

等級は準4級から1級までの6段階で、最上級は1級。試験は年2回(1級は1回のみ)実施されています(受験料は3,000円~9,700円)。

中国語の読解・聴解能力に加えて日本語の翻訳能力を求められるのが特徴で、各級ともリスニング(準4級〜2級は選択式、準1級〜1級は選択式・記述式)と筆記試験(選択式・記述式)が課されます。準1級・1級では、さらに面接形式の二次試験が行われます。

合格基準は等級によって異なるので、公式サイトで確認しておきましょう。

就職・転職活動で履歴書に書く際は、3級以上の合格が望ましいとされています。 近年の3級の平均合格率は約40%と、難易度はさほど高くありません。

しかし、2級は約20%、準1級 は約10%と一気に難易度が上がり、 1級に至っては約4%という狭き門。接客販売などでの簡単な日常会話であれば3級で対応可能ですが、より高度な業務での活躍を目指すなら2級以上通訳・翻訳業に従事するなら 準1級以上の取得が目安となります。

合格にはそれなりの学習時間を要しますが、mari8401さんのように仕事で中国語習得の必要性を実感し、勉強を始めた社会人の方は少なくありません。

HSK(漢語水平考試)

HSK 日本で一番受けられている中国語検定
中国語検定「HSK」公式サイト。インターネットからの試験申込を受付。HSKは中国政府公認で世界基準の中国語資格だから就職や昇進に有利な資格として受験者急増中です。

中国政府教育部の直属機関が主催する、中国語でのコミュニケーション能力の測定に重点を置いた検定試験。118の国・地域で実施され、広く認知されています。

多くの日系企業が利用しているほか、中国企業の現地採用を目指す際にも大きなアピール材料となります。

中国の大学や大学院では留学生受け入れ時の判断基準として使われることが多く、日本でも大学によっては、HSKの有資格者は入学試験で優遇措置が受けられる場合もあります。

等級は1級から6級までの6段階(6級が最上級)に分かれ、試験は年12回実施されています(受験料は3,740円~9,790円)。

試験はリスニング、読解、作文の3部門で構成され、出題・回答ともに中国語で行われるのが特徴。1級と2級はリスニングと読解のみのマークシート方式、3級以上では記述式の作文も課されます。合格基準は各級とも6割以上のスコアとなっています。

合格率は公開されていませんが、中国語検定に比べると難易度は低く、HSK6級は同検定2級〜準1級に、HSK5級は同検定2級に相当するレベルといわれています。そのため、中国語初学者のスキルアップや、中国語検定である程度のレベルの級を取得した人の腕試しとしても有効です。

就職・転職時のアピール材料とするのであれば5級以上が目安。中国の大学への留学なら4級~5級程度、大学院なら6級の合格を目指しましょう。

ただし、2021年から新しい試験形式への移行が予定されており、等級が9級制に変更され、翻訳の能力も問われるようになるとの情報があります。それに伴い、全体的に難易度が高まる可能性があるので、公式サイトで最新情報をチェックして対策に臨みましょう。

TECC(中国語コミュニケーション能力検定)

TECC 公式サイト 中国語コミュニケーション能力検定
【TECC】公式サイト。生きた中国語、使える中国語を目指す!ビジネスはもちろん、転職・就活にも役立つ。中国語コミュニケーション能力検定。

中国ビジネス交流協会が主催する、実用的な中国語のコミュニケーション能力に特化した検定試験。知名度は高くはないものの、TECC協賛企業内で採用や昇進、海外派遣要員の選考、社員研修などに幅広く利用されており、就職・転職やキャリアアップにおいて有利に働きます。

等級による合否制ではなく、TOEIC® のように統一試験のスコアでレベルをはかる1000点満点のスコア表示方式を採用しているのが特徴。継続的に自分の実力を測定できるため、中国語初学者のスキルアップや、中国語検定などの上位の等級にチャレンジする際の指標としても役立ちます。

試験は年2回(受験料は6,480円)。リスニングと読解(いずれもマークシート方式)の2部構成で、日常生活やビジネスの場面に即した中国語が出題されます。

公開試験の平均スコアは約500点で、就職・転職時のアピールポイントとするには550点の獲得が目安。国内の中国関連業務に従事する場合は600点以上海外赴任を目指すのであれば700点以上が目標となります。

なお、550〜649点は中国語検定2級、HSK5級に、700〜799点は中国語検定2級〜準1級、 HSK6級に相当するとされています。

全国通訳案内士試験

全国通訳案内士試験概要|全国通訳案内士試験|日本政府観光局(JNTO)

外国人観光客に有償で中国語でのガイドやサポートを行う全国通訳案内士の国家試験。この試験に合格し、都道府県知事の登録を受けなければ、全国通訳案内士を名乗って働くことはできません。

語学関連では唯一の国家資格で、観光・旅行業界への就職・転職時に大きなアピールとなるのはもちろん、通訳や翻訳者を目指す人にとっても有効です。

試験は年1回。筆記試験(マークシート方式。言語により記述式有)と口述試験(面接形式)からなり、語学(中国語を含む10言語から選択可)だけでなく、日本の地理、歴史、文化、政治、経済などについての知識や一般常識も問われます(受験料は11,700円)。

難易度は国家試験としては中程度とされているものの、中国語を選択した場合の合格率は例年一桁台という難関資格であるため、しっかりとした対策が必要です。

中国語検定1級かHSK6級の合格者には中国語筆記試験の免除制度が設けられているため、これを利用するのも一手。効率を考えるのであれば、まずHSK6級の合格を目指すのが得策かもしれません。

学習方法

独学

独学で合格を目指すことは可能ですが、効率よく学習を進めていくことが大切です。

中国語は発音が最も重要であるため、初学者であれば、まず中国語の音声を聞いて復唱するなどして、ピンイン(文字の読み方)と声調(イントネーション)を身につける必要があります。そのうえで、簡体字(中国語の漢字)や単語を覚え、文法を頭に入れていくとよいでしょう。音源付きのテキストなどを活用し、音声を聞いて復唱したり、書き起こしたりしながら学習すると効果的です。

具体的な資格・検定対策としては、過去問を繰り返し解き、出題傾向をつかむことが有効です。特に中国語で出題されるHSKは過去問をあたることは必須となります。

中国語検定、HSK、TECCは、公式サイトで公開している過去問やサンプル問題を利用できます。全国通訳案内士を含め、各資格とも公式テキストや過去問題集、市販の対策本などが多数出版されているので、自分に合ったものを選びましょう。

聞き取り試験対策には、中国映画やドラマ、動画、音声アプリ、ラジオ講座などを使うのも有効です。

スクール・講座

基礎レベルの中国語検定3級でも、独学では半年から1年ほどの学習期間を要します。難易度の高い等級や資格に挑戦する人、短期間での合格を目指す人は、通信・通学講座やスクールを利用するのも一案です。

中国語会話や中国語の資格・検定対策の講座・スクールは数多くあり、学習期間や費用もそれぞれ異なります。例えば、ユーキャンの中国語講座は標準学習期間3ヵ月で20,000円〜30,000円ほどですが、長期で通う語学学校であれば、ある程度まとまった費用が必要になります。

また、全国通訳案内士を志す人や、就職・転職を見据えて会話力を高めたい人は、ネイティブ講師から学べる講座やスクールの方がメリットは大きいでしょう。

よく比較検討し、自分の目的やライフスタイルに合った講座やスクールを選びましょう。

まとめ

この先、中国からのインバウンドの伸びが回復すれば、中国語を話せる人材への需要はますます高まるでしょう。

語学を身につけるには、継続することが一番。

「観光業界で働きたい」「中国語をもっと仕事に活かしたい」……そんな思いがあるのであれば、今が始める時。

目指すべき資格や検定を定め、中国語の勉強をスタートしてみませんか?

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