マインドマップとは|思考を「見える化」、アイディアを生み出すノート法

「マインドマップ」とは、頭の中にある思考を書き出して視覚化するノート法のこと。ビジネスや学習に大きな効果をもたらすと言われ、ビジネスパーソンや学生を中心に注目を集めています。近年は、メンタリストとして活躍するDaigo氏がこのマインドマップを紹介し、話題となりました。

今回は、そんな注目のマインドマップについて、具体的な効果や書き方を解説。マインドマップについて学べる講座・セミナーなども併せてご紹介します。

マインドマップとは

マインドマップは、頭の中の考えや情報を書き出し、整理することによって新しいアイディアにつなげる手法を言います。頭の中を「見える化」すれば情報が整理され、脳が活性化するという考え方のもと生み出されました。

ビジネスにおいて、考えや意見を書き出すのは珍しくありませんが、その際、箇条書きで書いていくケースが多く見られます。一方、マインドマップは、「放射線状」に書き出していくのが大きな特徴。ひとつのキーワードから関連付けられる情報を、思いつく限り放射線状に書き出していきます。こうして関連要素を広げていくことで想像力が高まり、イマジネーションを向上させると言われているのです。情報を整理したいときや斬新なアイディアを出したいときに使われることが多く、「アイディアマップ」とも呼ばれています。

マインドマップの例として、ゆりあさんのツイートのマップをご紹介。ゆりあさんは自己紹介をマインドマップに起こし、情報を整理しています。視覚的インパクトも強く、記憶に残りますよね。

マインドマップが注目されたきっかけ

マインドマップに通ずる思考は古代から存在していたと言われていますが、今のような手法が確立したのは1970年代。イギリスの作家、トニー・ブザン氏が現手法を考案し、著書で紹介したことで世界中に広まったと言われています。日本ではここ10年ほどでマインドマップに関する書籍が多数出版され、認知されるようになりました。

さらに近年は日本のメディアを中心に活動するメンタリスト・Daigo氏がYoutube動画でマインドマップの効果を絶賛。Daigo氏本人が「マインドマップを書くようになって年収が10倍になった」ことを明かし、ますます注目度が高まっています。

ちなみに、マインドマップの創始者であるトニー・ブザン氏は、マインドマップの基本的な考え方をまとめた入門書ほか、マインドマップに関する本を複数執筆しています。よりマインドマップについて理解したいという人は、トニー氏の著書を読んでみるのもおすすめです。

マインドマップの書き方

前述したように、マインドマップでは、主題を中心に「放射線状」に情報を書いていきます。

まず始めに行うのが、メインとなる主題決め。現在課題となっていることや議題にあがっていることを主題とし、紙の中央に書き込みます。このときのポイントは、主題をかっちり絞り過ぎないこと。「新しいネットビジネス」といったように、広い範囲の主題を置いたほうが、そこからのアイディアが広がりやすくなります。

続いて、主題から連想できる言葉や関連する情報、思い浮かぶ感情などを放射状に書き出し、それを主題から伸ばした枝(ブランチ)でつないでいきます。主題が「新しいネットビジネス」であれば、「Web」「オンライン」「スマホ」「動画配信」など。主題から思い浮かぶものをどんどん書き込んでいきましょう。書き込んだら、今度は書き込んだ各キーワードから関連するものをさらに追記し、さらにブランチでつないでいきます。これを繰り返し、関連する要素を広げていくことで、最初は思いつかなかった斬新なアイディアにたどり着けるというわけです。

マインドマップがもたらすさまざまな効果

アイディアの発掘に有効なマインドマップ。これだけでもビジネスに取り入れるべき大きな理由となりそうですが、実はその他にもさまざまな効果をもたらすと言われています。

記憶力の向上

マインドマップでは、キーワードから関連付けてさらなるキーワードを広げていきます。この「関連付け」が記憶には重要。何かを記憶する際、ただそのことだけを覚えようとするよりも、何かに関連付けて覚えた方が、記憶を引き出す際にその引き出されるきっかけのキーワードが増えるため、思い出しやすくなるのです。マインドマップで「関連付け」のクセがつけば、記憶を引き出すのがこれまでより容易になり、記憶レベルが高まるでしょう。

理解力の向上

情報や考えを簡単なキーワードで書き込んでいくため、文章にすると複雑と思える内容でも、マインドマップではすっきりとまとまります。難しい内容を視覚的に捉えられるので、理解への意欲が高まるでしょう。また、ものごとのつながりがそのままブランチでつなげられているため、情報の関係性が把握でき、より理解が深まります。

実験教室を営むきょうへいさんは、「発酵」について解説する際にマインドマップを使ったとのこと。文章で解説されるより頭の中に入ってきやすいですよね。

より効果的なマインドマップを書くコツ

前述したとおり、マインドマップには脳を活性化させる効果が期待できます。ただ、マインドマップの書き方ひとつでその効果が変わってくることも。より高い効果を得るためのコツを知っておきましょう。

できるだけ大きい用紙を使う

マインドマップを書く用紙に規定はありませんが、じっくり考えたいとき、より発想力を高めたいときは大きめの用紙を使うのがおすすめ。関連要素のブランチが多く書き込めるので、その分思考も広がります。枝分かれしたブランチが増えれば、そのブランチの組み合わせで思いもよらなかったアイディアが生まれることもあるでしょう。

カラーで書く

色は視覚に情報を与え、その情報の多くは脳で処理されます。つまり、色は脳の活性化を助けるということ。マインドマップを書く際も、できるだけ色を使うようにしましょう。また、同じ分野のブランチは同じ色で書くなど色分けをすれば、マップ内も整理され見やすくなります。

重要な部分はイラストを書く

特に覚えておきたいところは関連要素から思い浮かぶイラスト(イメージ)を書き足しましょう。イメージは言葉よりも素早く認識でき、記憶にも残りやすいのです。凝ったイラストにする必要はなく、簡単なアイコンなどでも構いません。イメージとの組み合わせで、覚えたい言葉も記憶から引き出しやすくなります。

アプリで作成するときは音声入力を使う

マインドマップは必ずしも手書きである必要はありません。エクセルなどのPCツールや専用アプリで作成する人も多くいます。手書きする手間が無く、また、データ保存してスマホからいつでも見返せるのがメリット。ただ、簡単に作成できてしまう分、手書きよりも記憶が定着しにくいことも。アプリで作成する際は音声入力を使うようにすると、視覚と聴覚の両方を刺激するので脳への定着率が高まる可能性があります。

マインドマップの通学・通信講座

世界中でも多くの人に活用されているマインドマップですが、実は独学でマインドマップを書いている人の中には、「うまくマインドマップが書けない」「マインドマップの活かし方がわからない」と悩む人も少なくありません。そこで、「本当に脳の活性化に役立つマインドマップの書き方」や、「マインドマップを使った学習方法・勉強法」を学習する講座やセミナーが開催されています。

マインドマップのセミナーを大々的に開催しているのが「マインドマップの学校」で知られる株式会社ヒューマン・リスペクト。マインドマップの基本を学べる基礎講座(50,000円・税別)や応用講座(30,000~70,000円・税別)、初心者向けのマインドマップオンライン体験会(6,000円・税別)など、目的ごとに複数の講座が設けられています。zoomでの個別相談なども行っており、初心者へのサポートも充実。ほとんどの講座がオンライン対応しているので、自宅での受講が可能です。

また、生放送でさまざまなオンライン講座を配信しているメディア「schoo(スクー)」でも、不定期ですがマインドマップのオンライン講座を配信しています。ぜひチェックしてみてください。

マインドマップに関する資格

マインドマップに関連する国家資格はありませんが、マインドマップの世界統括本部であるThinkBuzan公認の資格が存在します。自身が所属する組織でマインドマップの基礎を教えることができる「プラクティショナー資格」や、自身で講座を開設する「インストラクター資格」がそれにあたります。この資格を取得すれば、自身で社内セミナーや講座を開くことが可能に。上記で紹介した「マインドマップの学校」でもこれらの資格取得のための講座が設けられているので、いずれマインドマップの講師を目指したいという人は受講を検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

アイディアの発想、顧客へのプレゼン、試験勉強など、ビジネスに限らずさまざまなシーンで役立つマインドマップ。マインドマップの正しい書き方や活用法も紹介されていますが、何よりも大切なのは、のびのびと自由な発想で書くこと。思いつくものを自由に書き出し、可能性を広げていきましょう。

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