「job tag(ジョブタグ)」とは|厚生労働省発!適職選びや学びに活かせる職業情報提供サイト

「職業情報提供サイト(job tag(じょぶたぐ)」は、さまざまな職業の仕事内容、就業までのルート、労働条件、求められるスキル・知識などを、わかりやすい解説文や動画、数値データで紹介する厚生労働省のWebサイト。

単なる情報提供にとどまらず、利用者が自身のスキル・知識や仕事に対する興味・価値観を分析し、そこから自分に合った職業を選んだり、必要な学びを理解したりできる点が大きな特徴です。

働き方の多様化が進む今の時代、ライフスタイルに応じたキャリア選択や学び直しによるキャリアアップは一般的なものとなってきています。その一方で、キャリア形成の必要性を感じながらも、「具体的に何をすればよいのかわからない」という声をよく耳にします。

そこで、job tagの運営元である厚生労働省職業安定局にご協力いただき、同サイトでできることや、社会人におすすめの活用法をご紹介。2024年3月に行われたリニューアルの主な内容についてもお伝えします。

「job tag」とは?

さまざまに活用できる職業情報データベース

job tag」は、求職や採用に関する活動に役立つ職業情報を「見える化」し、無料で提供するWebサイト。米国労働省の職業情報データベース(O*NET)をモデルとして、2020年3月に厚生労働省が開設しました。

開設の目的は、労働生産性の向上には欠かせない、仕事と人材のマッチングを高めること。再就職・転職を目指す社会人や就職活動中の学生は、目指す職業を探したり、その職業に就くために必要な情報を調べたりすることができます。さらに、企業の採用活動・人材育成担当者、キャリアコンサルタント、高等学校・専修学校・大学でキャリア教育や就職活動支援を行う教職員などの支援者においても、立場や志向に応じてさまざまに活用できる職業情報データベースとなっています。

官公庁運営サイトならではの膨大な情報量

情報量の膨大さも、job tag の大きな特徴です。例えば「職業情報」のページでは、531の職業(2024年4月現在)それぞれに、具体的な仕事内容、就業までのルート(関連資格、その職業に就いている人の学歴、訓練や実務経験の有無などに関する情報含む)、労働条件の特徴、賃金等の各種統計情報やしごと能力プロフィール(その職業に就いている人の興味・価値観や必要なスキル・知識の数値データ)などに加え、どのような職業なのかが目で見てわかるよう、実際に働いている人々の様子をまとめた動画も掲載されています。

また、厚生労働省が運営する「ハローワークインターネットサービス」や「教育訓練給付制度 検索システム」、文部科学省が運営する社会人の大学等での学びを応援する情報サイト「マナパス」にリンクしており、個々の職業画面から求人情報や訓練・講座情報にアクセスすることも可能。ジョブ・カード(職歴や資格、キャリアプラン等を記録する書類)をオンライン上で作成・管理できるウェブサイト「マイジョブ・カード」ともリンクし、マイジョブ・カードからjob tagを参照したり、job tagのマイリストをマイジョブ・カードに保存したりすることもできます。

これほど幅広い情報を一元的に提供できるのは、官公庁が運営するサイトならでは。着実に利用者数を増やし、2024年3月現在、年間のアクセス件数は2,000万件を超えるほどになっています。

リニューアルでより使いやすく

job tagは、より使いやすいサイトを目指し、毎年リニューアルを行って機能や情報の充実を図っています。

2024年3月のリニューアルでは、job tagの各機能や利用者別の活用方法をわかりやすく紹介した6つの動画を掲載。初めての方はもちろん、使ったことのある方も、充実した機能をより活用しやすくなりました。

また、前述の「職業情報」ページに、「UX/UIデザイナー」「アニメ制作進行管理」など10の職業を新たに掲載

IT系の各職業の職業情報ページでは、スキルレベルごとのタスクや給与の状況がわかるようになりました(これらのデータは「業種・職種を知る」の「IT・通信の仕事」ページにも追加されています)。

このほか、自分の能力の特徴から適職を探索できる「職業適性テスト(Gテスト)」への新たな検査項目の追加(後述)、教育現場でのjob tagの活用事例等を紹介するリーフレットの掲載など、大小さまざまなリニューアルが施されています。

キャリアアップ・キャリアチェンジに役立つ機能と活用法

ここからは、転職や学び直しなどでキャリアアップ・キャリアチェンジを目指す社会人のみなさんにおすすめの機能と活用ポイントをご紹介します。基本的な使い方については、操作マニュアルやよくあるお問い合わせ、使い方動画をご確認ください。

職業検索

職業検索」機能は、目指す職業がはっきりしている方をはじめ、目指す職業が明確にない方でも自身の興味・関心などをもとに多様なアプローチで職業が検索できる機能。

目指す職業がはっきりしている場合は、フリーワードからの検索、そうでない場合は、例えば、興味・関心のある分野から関連する職業を検索できるテーマ別検索や、取得した(又は取得を目指す)免許・資格に関連する職業の検索など、それぞれの志向などに合った方法で職業を検索できます。

このほか、「色々な切り口から検索」ボタンでは、社会人にも意外に知られていないB to B(企業間取引)の仕事をはじめ、B to C(消費者取引)の仕事、IT関係職業(業界別・工程別)、土木・建築の仕事、介護の仕事、未経験でも比較的入りやすい職業などを簡単に調べることができます。

気になる職業が見つかったら、「職業情報」のページで詳しい内容を確認し、具体的な転職や学び直しの検討の参考にするとよいでしょう。

自己診断ツール

自己診断ツール」(2024年3月のリニューアルより従来の「適職探索」から名称変更)ページでは、以下に紹介するいろいろな検査の結果から、自分に合った仕事を探すことができます。職業興味検査、価値観検査、職業適性テスト(Gテスト)、しごと能力プロフィール、ポータブルスキル見える化ツールのうち、2つ以上の検査の結果をマイリストに保存すると、それらの結果を組み合わせて適職を検索することも可能です。

職業興味検査・価値観検査

「職業興味検査」や「価値観検査」は、10分程度で自身の興味や価値観をもとに直感的に回答していく検査。

質問に回答すると、自身の仕事に対する興味と価値観の特徴がテキストと数値で示されます。診断結果は今後のキャリアを検討する際に活用できるだけでなく、表示される職業リストから自分に適した職業を探索することも可能です。

価値観検査の診断結果例

・職業適性テスト(Gテスト)

職業適性テスト(Gテスト)」は、複数の種類の検査を受けて、能力面の特徴を測る検査。

2024年3月のリニューアルでは、新たに「運動共応(眼と手または指を共応させて、迅速かつ正確に作業を遂行する能力)」を測定する検査項目を追加。従来の5つの検査(展開図から立体型を探し出す検査、文章を完成させる検査、算数の応用問題を解く検査など)に加えてこの検査を行うことで、より適職を絞り込むことができるようになりました。

職業適性テストの結果表示例

検査結果では上の画像のようなグラフのほかに、結果に近い職業グループと、それに含まれる職業例が一覧で表示され、そこから「職業情報」のページにアクセスできます。

・しごと能力プロフィール・キャリア分析

しごと能力プロフィール」「キャリア分析」は、これまでの職業経験や身につけたスキル・知識を活かして職業を探したい方、キャリアの棚卸をしたい方におすすめの機能。

「しごと能力プロフィール」では、これまでに経験した職業を選択すると、その職業に一般的に求められるスキルや知識等が数値で表示されますので、それを自身の状態に合わせて調整することで、自身のスキルや知識を可視化することができます。また、職業を選択せずに一から設定することもできます。

また、このしごと能力プロフィールからスキル・知識等の値が近い職業を検索することも可能です。

「キャリア分析」では、自身のしごと能力プロフィールと希望する職業のしごと能力プロフィールとを比較して適合度をチェックしたり、足りないスキル・知識を明確にしたりすることができます。希望する職業の関連資格も表示されるので、学び直しを検討するのにも役立ちます。

キャリア分析の結果例

ホワイトカラー系職種の職業能力チェック、ポータブルスキル見える化ツール

ホワイトカラー系職種の職業能力チェック」は、人事や営業といったホワイトカラー系の職業でキャリアアップを目指す方におすすめの機能。それぞれの職種について、初級レベルから責任者や高度な専門職として認められるレベルまで、段階ごとに業務で求められる能力をチェックシートで確認できます。

ポータブルスキル見える化ツール」は、ミドルシニア層のホワイトカラー系職種の方がキャリアチェンジ・キャリア形成を進める際に役立つ機能。業種や職種が変わっても強みとして発揮できる持ち運び可能な能力であるポータブルスキルを測定し、それを活かせる職務・職位を探すことができます。

ポータブルスキル見える化ツールの診断結果例

まとめ

job tagには多くの機能や情報があり、利用者しだいで活用の仕方は無限大

「目指す職業では具体的にどんな仕事をするんだろう」

「自分に合った職業はどんなものがあるんだろう」

といった疑問の解決を支援するサイトです。

個人での利用方法も参考に、ぜひjob tagでこれまでの自分を振り返り、今後のキャリア形成やスキルアップを考えてみてはいかがでしょうか。

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