スポーツマネジメントとは|ビジネスの視点でスポーツ振興に貢献する縁の下の力持ち

ビジネスの視点でスポーツの発展に貢献する「スポーツマネジメント」。

綾野剛さん扮する元アスリートの主人公がスポーツマネジメントの世界で奮闘する姿を描いたテレビドラマ「オールドルーキー」をきっかけに、この仕事に興味をもった方も多いのでは?

ドラマではアスリートのマネジメントに焦点が当てられていますが、スポーツマネジメントはあらゆるスポーツ分野に存在する幅の広い仕事。それゆえ、スポーツを愛するすべての人に活躍できるチャンスがあるともいえます。

そんなスポーツマネジメントの仕事内容や就職先、目指す方法、学び方などについて調べてみました。

スポーツマネジメントとは?

スポーツに関わる団体や企業の経営・運営に携わり、その発展をサポートする仕事。

スポーツ大国アメリカが発祥ですが、近年はスポーツ庁が中心となってスポーツ関連ビジネスを推進していることもあり、日本でも知られるようになってきました。

アメリカでは野球、アメリカンフットボール、バスケットボール、アイスホッケーが4大スポーツと呼ばれ、それぞれのプロリーグが多くのファンを獲得していますが、近年はサッカー人気も高まりを見せています。

サッカーの本場といえば欧州と南米で、アメリカは長く「サッカー不毛の地」ともいわれてきました。その同国でサッカーのプロリーグであるMLSが躍進を遂げた背景には、スポーツマネジメントの力があるといわれています。

そんなスポーツビジネスが盛んなアメリカには、スポーツマネジメントに特化した学部を設けている大学が多数あり、優秀な人材を育成しています。

日本のスポーツ業界は欧米諸国に比べるとまだまだ発展途上ですが、だからこそ成長の余地は十分にあります。近年、サッカーJリーグの3部リーグ「J3リーグ」や、ラグビーの新リーグ「リーグワン」が発足して人気を集めていることからも、ビジネスとしての大きな可能性を秘めているといえるでしょう。

スポーツマネジメントの仕事内容は?

仕事内容は多岐にわたりますが、主に以下のような分野で力を発揮します。

スポーツに関わる団体や企業の運営・広報活動

プロスポーツ団体やスポーツ関連団体の運営や広報活動などに携わり、特定のチームやスポーツの発展を目指します。

スポーツイベントの企画・運営

プロスポーツから地域振興まで、スポーツに関連するイベントの企画・運営を担い、イベントを成功に導きます。

選手や監督・コーチのサポート

選手や監督・コーチのイベント出演、宣伝活動、チームやスポンサー企業との契約締結、海外進出、スポンサー獲得などをサポートし、競技や指導に集中できる環境を整えます。選手のセカンドキャリアのサポートを行うケースもあります。

スポーツマネジメントの就職先は?

スポーツマネジメントの就職先としては、以下のような企業・団体が考えられます。フリーランスとして活動する道もありますが、何らかの組織に属して働くのが一般的です。

  • スポーツマネジメント専門エージェント
  • スポーツ関連企業
  • プロスポーツ団体
  • アマチュアスポーツ団体
  • スポーツ関連団体
  • 地方自治体のスポーツ担当部署

給与は所属する企業・団体によって異なりますが、月額18万円程度からが相場のようです。サッカーや野球など人気の確立したスポーツほど、給与は高い傾向にあります。

スポーツマネジメントを目指すには?

資格は不要!でもスポーツや経営に関する知識は身につけたい

スポーツマネジメントの仕事に就くために、特別な資格は必要ありません

とはいえ、国内ではスポーツマネジメントの求人は多いとはいえず、競争率が高めであることを考えると、やはりスポーツや経営に関する知識を身につけておくことが望ましいでしょう。そのため、大学や専門学校などで専門的にスポーツマネジメントや体育学、経営学を学ぶのが一般的です。

日本でスポーツマネジメントを学べる大学・学部には以下のようなものがあります。

  • 早稲田大学スポーツ科学部
  • 同志社大学スポーツ健康科学部
  • 法政大学スポーツ健康学部
  • 立命館大学スポーツ健康学部
  • 日本体育大学スポーツマネジメント学部

競技経験者は有利になる可能性も

競技経験に基づく深い知識は、現場でよりよいサポートや提案をすることにつながります。競技経験者、特に高いレベルで活躍した元アスリートは、スポーツマネジメントの仕事を目指すうえで有利になる可能性があるでしょう。実際に自らの経験を活かして活躍する競技経験者も少なくありません。

その一方で、観客の立場や感覚を理解するという点では、競技経験のないことが、かえってプラスに働くこともあります。スポーツマネジメントの中でも、競技経験者にはない視点を活かせる分野を目指すことで道が開けるかもしれません。

海外で活躍する道もある

語学力のあることが前提となりますが、スポーツマネジメントが職業として確立しているアメリカやヨーロッパなどで就職を目指すという選択肢もあります。

スポーツマネジメントの学び方

短期講座なら社会人も学びやすい

前述のように、スポーツマネジメントを学ぶにはスポーツ系の大学や専門学校に進学することが近道です。

とはいえ、社会人の方が転職でスポーツマネジメントへのキャリアアップやキャリアチェンジを目指す場合は、時間や費用も考慮する必要があります。週末や平日夜間に通える専門学校や民間スクールの短期講座は、比較的通いやすいといえるでしょう。

例えば、総合学園ヒューマンアカデミーが週末・平日夜間に開講しているスポーツマネジメント講座は、週1日・半年から実践的なカリキュラムを学ぶことができます。また、ぴあ株式会社が運営するぴあスポーツビジネスプログラムでは、チケッティングを中心としたスポーツビジネスの基礎を週1日・7カ月(受講料250,000円)で身につけられます。どちらも転職・就職のサポートを受けられる点も魅力です。

国際的な舞台で活躍するには語学の勉強も

スポーツマネジメントは、海外のアスリートと関わったり、世界に進出する選手やチームをサポートしたりする機会の多い仕事。海外での就職を目指す場合はもちろん、国内でキャリアを築く上でも、語学を身につけることはプラスになるでしょう。

以下の記事で英語の資格や学習方法について詳しく紹介していますので、参考にしてみてください。

英語の資格色々あります|国内でも必要性が高まる語学スキルの代表格

欧米諸国にはスポーツマネジメントやスポーツビジネスを専門的に学べる大学やスクールが多いので、学生であれば日本の大学に在籍しながら語学留学を兼ねて現地で学ぶことも可能です。

書籍でスポーツマネジメントの概要をつかむ

スポーツマネジメントの仕事ではスポーツだけでなく経営の知識も求められるため、初めて学ぶ際はすんなり頭に入ってこないことも。そのため、まずは書籍で「スポーツをマネジメントする」とはどういうことかをつかんでおくことをおすすめします。

以下の2冊は、これからスポーツマネジメントを学ぶ人のために書かれたもの。なじみのない経営用語も出てきますが、読み終えたときにはスポーツマネジメントについて一通り理解ができているはずです。

まとめ

スポーツマネジメントを目指すにあたり、専門的な知識やスキルを身につけ、コミュニケーション能力を磨くことはもちろん重要です。

しかし最も大切なのは、「スポーツが好き」「スポーツ界に貢献したい」という情熱。

自分の能力や経験を活かせる分野を見定めたら、スポーツマネジメントの世界へ一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。

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