世界的に有名な存在になった片づけコンサルタントの「こんまり」こと近藤麻理恵さんや、必要最低限の物しか持たないミニマリストの出現、断捨離の流行など、近年、世間では片づけや整理整頓への関心が高まっています。
人気ドラマ『家政夫のミタゾノ』が幅広い世代から絶大な支持を集めたのも、片付けが家事の中でも大きなウェイトを占めるからでしょう。
整理収納アドバイザーは、物や部屋が片付かないという悩みの原因から考えていきます。資格を取ることによって、整理収納の知識が身に付くのはもちろん、片付かない……という問題を根本から解決し、快適な空間を作り出していけるのです。
この記事では、整理収納アドバイザーの資格、概要、難易度等を紹介していきます。
<前編>資格の概要や難易度、合格率はこちらからチェック!
https://college.coeteco.jp/blog/archives/690/
試験について
整理収納アドバイザーの3級・2級・準1級は認定講座を受講することで、資格を取得することができます。講座の最後に○×式の確認テストがありますが、テキストやノートの参照が可能です。
ここでは1級のみに課される学科試験と実技審査について説明します。
1級1次試験
マークシート方式の筆記試験もしくはコンピューターを利用したCBT受験で、試験時間は60分。
出題問題数は100問。
問題は1級テキストと2級テキストから出題され、引っ掛け問題が多いようです。試験時間に対して問題数が多いため、短い時間で次々に問題を解くことが重要です。
1級2次審査
2023年2月27日の試験より1級の2次試験が「2次審査」と名称を改め、「研究発表資料提出→口頭試問」から「面談→ファシリテイト体験報告書提出」へと内容・形式が変更されています。
具体的には、以下の実作業編・提案編のどちらかを選択し、対象となるクライアントと整理収納のテーマについて考え、面談を受けた後にファシリテイト体験報告書を提出します。
実作業編
友人宅・自身の職場・実家・自宅の共有ゾーンなどの整理収納で、自分(アドバイザー)以外の第三者がクライアントとなります。テーマに沿ってクライアントが抱える問題点の解決に向けて、整理収納アドバイザーとしての実践体験を行っていただきます。クライアントに対してどのようなファシリテイトが出来たのか、アドバイザー自身がどのように成長が出来たのかを、ヒアリングや作業手順や内容、使用した整理収納アドバイザー理論、改善点や効果、などを含め具体的にまとめてください。
※自分が使いやすいという視点だけで作業されたものは不可となります。
提案編
自分以外の第三者(家族可)をクライアントと設定します。クライアントは特定の個人、または「1人暮らしの30代女性」のようなターゲット層でもかまいません。問題点を指摘し、解決に向けた整理収納法についてのご提案をしていただきます。クライアントに対してどのようなファシリテイトができるのか、そこから得られる意識改革や効果、アドバイザー自身の成長についてなど、作業手順や方法、整理収納アドバイザー理論を含め、ご提案として有効なプランを具体的にまとめてください。
※過去に作成済みのプランや、理論を並べただけの内容、セミナー内容等は不可となります。
http://housekeeping.or.jp/wp/wp-content/uploads/2jishinsa_tebiki_20230227.pdf
面談
整理収納アドバイザーとしてのお客様とのコミュニケーション能力を確認するオンライン審査。最初に試験官から受験者全員に説明があり、その後1人ずつ10分程度、面談が行われます(事前説明・待機時間含め最大90分)。
質問内容は、ファシリテイト体験報告書を作成するにあたり、取り組もうとしている作業や提案の内容について。すでに作業・提案が終了していたり、進行中の場合は、その内容について問われます。
必ずされる質問は以下の5つ。当日は用意したメモなどを見ながら話してもよいそうですが、事前にしっかりと考えをまとめておきましょう。詳細はハウスキーピング協会のファシリテイト体験報告書作成の手引きで確認できます。
1.実作業編・提案編のどちらにするか
2.誰をクライアントにするか(誰に対して提案するか)
3.どんなテーマにするか、どこを対象にするか
4.その作業(提案)をするにあたりどんな課題や問題があると思うか
5.その作業(提案)によってどんな効果をもたらせると思うか
http://housekeeping.or.jp/wp/wp-content/uploads/2jishinsa_tebiki_20230227.pdf
ファシリテイト体験報告書
前述の実作業編・提案編のどちらかを選択し、ファシリテイト体験報告書作成の手引きに沿って、A4サイズ11ページまで(表紙1ページ含む)の報告書を作成します。ファイル形式はPDF、Word、Excel、PowerPointのいずれかで、手書きも可とされています。
準1級・2級で身につけた整理収納理論を活用し、実作業編ではクライアントが抱える問題点の解決に向けて行った実践やその効果について、提案編では想定したクライアントへの提案や期待できる効果についてまとめます。
どちらも文字だけでなく写真やイラストなどを使ってわかりやすくまとめることがポイントです。
なお、すでに旧試験の研究発表資料を準備されている方は、ファシリテイト体験報告書として提出することも可能だそうです。
日程・会場
1次試験は全国主要都市の会場と全国のテストセンターで実施されます。会場受験の場合、地域によって日程は異なるため、サイトで確認しましょう。
https://housekeeping.or.jp/about_license/grade1/grade1-1/
2次審査の面談は、Zoomを利用してオンラインで実施。提示された候補日時から希望の日時を選択できます。ファシリテイト体験報告書の提出期限は面談後30日以内で、認定証用証明写真とともにメールに添付して指定の宛先に送付します。
申し込み方法・受験料
受講・受験の申し込みはオンラインのみで、申し込みのためにアカウントの取得が必要です。
受講料・受験料は級、受講方法、試験方法によって異なります。
3級 | 9,900円 8,800円 (会場・オンライン) (N-Academy通信講座) | |
2級 | 24,700円 (会場・オンライン) 14,850円 23,100円 (WEB・テキストなし) (テキスト所持の場合) | |
準1級 | 36,300円 29,700円 (会場・オンライン) (WEB・テキストあり) 32,670円 (早割価格) | |
1級1次 | 14,300円 16,500円 (会場) (テストセンター) | |
1級2次 | 19,800円 (オンライン) |
特に受験料は試験方式によってかなり差があるため、利便性も考慮しつつ、事前にどの方式で受験するか検討が必要です。
難易度
1級の合格率は1次試験が80%、2次審査が95%ほどで、それほど難易度は高くありません。
なお、3級・2級・準1級は講座を修了すれば取得できるため、合格率はほぼ100%となっています。
学習方法について
整理収納アドバイザーは人気の資格のため、ブログやツイッターで勉強方法を公開している人も少なくありません。まずは体験談を探して、自分に合った学習法を選ぶといいかもしれません。
独学
整理収納アドバイザー2級の公式テキストは市販されています。2級認定講座を受講すると入手できますが、事前に一度読んでおきたいですね。
1級1次試験対策は、準1級認定講座で配布されるテキストと、上で紹介した2級テキストをしっかり勉強すれば大丈夫!といった声がネット上では多数見受けられました。
でも、それだけでは不安……実践もしたい!という方は、ハウスキーピング協会が提供する有料の公式オンライン学習サイトがおすすめです。
https://housekeeping.or.jp/online-learning/
実技試験の1級2次試験の対策は、公式のテキスト等は特にないため、ネットに投稿された様々な体験談を参考にするとよいでしょう。実際の試験で使用した資料のフォーマットや抑えるべきポイント等、たくさんの先輩たちが本番で役立つ情報を公開しています。
こちらのぴょりさんのブログでは、以前の2次試験で作成した研究発表資料の内容を公開。2次審査のファシリテイト体験報告書と内容に大きな違いはないので、参考になります。
https://ameblo.jp/pyori-life/entry-12726023195.html?frm=theme
通信教育
独学だと自信がない……という方には通信教育がおすすめです。ユーキャンの整理収納アドバイザー講座では、整理収納の基礎の2級と1級の受験資格でもある準1級を取得することができます。
数年前にはタレントのDAIGOさんがCMの企画で、この資格を取得していましたね!
通信教育のため人により差はありますが、おおむね4ヶ月程度で準1級まで取得できるようです。
費用は49,000円と認定講座よりも少しお得です。
まとめ
整理収納アドバイザーの資格取得は少し費用が掛かるものの、実生活で役立つ整理整頓・収納術を身に付けることができ、工夫次第で資格を仕事に繋げることもできます。
また、外出自粛要請の影響で在宅時間が増加している中、普段できないような大掃除に精を出している方も多いかと思われます。
快適なおうち時間を過ごすために収納について勉強したい!片付けのストレスを減らしたい!資格を取って家事のスキルをお仕事にしてみたい!という方は取得を検討してみてはいかがでしょうか。