就職有利×無料で取得も?介護職員初任者研修とは

求人の多さと安定性で魅力の介護の仕事。関係する資格は、比較的短期間でとれるものから、ちょっと難しい介護福祉士などの国家資格まで多数あります。

その中でも、介護職員初任者研修は1か月~6カ月程度で取得が可能なもっとも取得しやすい資格。いわば介護の入門資格です。

団塊世代の2025問題を控え、施設でも在宅でも介護業界の人手不足はどんどん進んでおり、そのニーズの高まりから、採用の機会が多いだけではなく、無料で取得できたり、割引があったりと費用面での資格取得のハードルも低くなっています。

ここでは、そんな介護職員初任者研修の資格について、調べてみました。

介護職員初任者研修とは

「介護職員初任者研修」の学習内容・カリキュラムは、厚生労働省の指針をもとに、各都道府県が実施要綱を作成し、指定の養成機関(スクール)が決めています。れっきとした厚生労働省認定の公的資格、それぞれの地域によって多少の違いはありますが、全国で通用する資格です。

その内容は介護職員として働くために必要な知識や考え方のプロセスを身につけ、基本的な介護業務を行うことができるように研修することを目的としています。
実際に介護職での就職を希望する方はもちろん、タクシーや販売などのサービス業や家族の介護まで、実際に幅広く役にたつ資格です。

介護の仕事には、掃除や洗濯・料理などの生活援助と、利用者さんの身体に触れて食事・入浴・排せつなどの日常生活を支援する身体介護の2種類があります。

このうち、利用者さんの身体に触れる身体介護をするためには、必ず介護の資格を保有している必要があります。

資格のメリット

介護の業界は慢性的な人手不足状態です。外国人の採用等の検討もされていますが、問題は解決せず、この傾向は、しばらく続くといわれています。

長く働けるスキルが身につく

介護職は資格がなくとも就職することはできます。また実際に就職してから資格を取得することも可能かもしれません。

しかし、無資格の場合は採用先を選びにくく、正社員の場合は資格の取得が必須な事業所もあります。

また、知識も経験もない状態で採用されても、わからないことが多く、教えてもらえる環境がない場合は、すぐに離職してしまうことにもなりかねません。

介護職員初任者研修の講座では、座学だけではなく実技実習も重視されているので、実際に介護する方への声のかけ方、接し方や、身体をいためない介護の仕方など現場ですぐ使えるスキルが身につきます。

給与の差がハッキリ

厚生労働省の「平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」より、処遇改善加算を算定している事業所でのデータを引用しています。
なお、処遇改善加算を取得していない事業所もありますのでご注意ください。

介護職員処遇改善加算とは
介護職員の待遇改善について取り組んでいる事業所に、介護職員の賃金向上のために、介護報酬を加算して支給する制度

          平成30年9月

介護職員初任者研修  285,610円

保有資格なし     261,600円

https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/19/dl/30gaiyou.pdf

働ける場所やキャリアプラン

介護関係での就職先は、訪問介護事業所、デイサービス、有料老人ホーム、特別養護老人ホームなど。小さな事業所もたくさんできているので、就職先には困らない状況です。

それぞれに勤務条件や給料、介護業務の内容にも差がありますので、しっかり情報収集することが大切です。

さらに国家資格である介護福祉士資格を目指す場合は、実務者研修を受講し、介護実務3年の実務経験が必要となります。

実務者研修は450時間ですが、科目が重なっているので初任者研修の資格をもっている場合は130時間が免除されます。

学習内容

カリキュラムは以下のような130時間になります。うち40.5時間は通信学習(自宅学習)でも大丈夫です。しかし、必ず実習等のスクーリングがありますので、独学や通信教育のみでは取得することができません。

すべてのカリキュラム修了後に1時間程度の筆記試験(選択式+一部記述式)を受けます。

スクールにより、カリキュラムのプラン・時間割りは何種類か用意されています。土日、夜間、短期集中、通信教育が多めのものなど、自分に合うものを選ぶことができます。
なお、試験問題は、各スクールで作成されています。

厚生省から出されている研修科目及び研修時間数は以下の通りです。

1.職務の理解 6時間
2.介護における尊厳の保持・自立支援 9時間
3.介護の基本 6時間
4.介護・福祉サービスの理解と医療との連携 9時間
5.介護におけるコミュニケーション技術 6時間
6.老化の理解 6時間
7.認知症の理解 6時間
8.障害の理解 3時間
9.こころとからだのしくみと生活支援技術 75時間
10.振り返り 4時間
合 計 130時間

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000331389.pdf

学習期間

130時間の講義となりますので、毎日通うことができれば最短1カ月~1カ月半、それ以外ですと3~6カ月といったところでしょうか。

スクーリング以外は通信教育で受けることもできますので、仕事との両立を目指している人や、子育て中の方は自分にあったコースを探してみましょう。

試験の難易度

合格率のデータが公表されていないのですが、どこのスクールでもほぼ100%の合格率のようです。

落とすための試験ではなく、学習した内容を振り返るような試験ですので、まじめにテキストの内容を理解し、復習をしっかりと。
万が一、不合格になっても、スクールの無料延長制度やバックアップの講座等を利用して、追試を受ければ合格できるので安心です。

どこで学べばいいの?

スクーリングがあるので、挫折しないように駅の近くや学校・自宅・会社などから通学可能なスクールで、無理なく受けられるコースを選ぶのがよいかと思います。

介護職員初任者研修事業者として指定を受けているかどうかも確認してください。

受講料について

受講料は、各校でキャンペーンが設定されている場合が多く、時期によって変化します。

学校によって、基本的な受講料には5万円~12万円くらいの幅がありますので、それぞれの価格や直近の情報を調べましょう。

無料や割引の制度もいろいろ

介護の資格の特徴としては、求人が非常に多いために、就職とセットにはなりますが、受講料を払わずに学ぶ方法もあることです。

ニチイ、ベネッセ等の老人ホームや訪問介護事業所を運営している講座では、その事業所に就職すれば、受講料が割引になったり無料になる場合があります。

スクールによっては、条件が合えば、受講料の20%(上限10万円)が支給されるハローワークの教育訓練給付制度を利用することも可能です。

これとは別にハロートレーニングという制度もあり、失業保険を利用できない人でも求職者支援制度を利用すると、テキスト代などの自己負担分のみで、受講料無料で受講することができます。ただし、これには試験があり、人気の資格なので、選考がなかなか厳しいようです。

また、就業支援を行っている会社で講座を運営しているサイトでは、特待生扱いで受講料が無料になるコースがあります。

将来必ず役に立つ資格

高齢化社会の日本では、介護の仕事がなくなることはまず考えられません。

比較的難易度が低いため取得しやすく、就職先も全国にあり、自分や家族のためにも必ずその知識と経験は役に立つと思われます。

お得に取得できる手段が多いことも魅力のおススメの資格です。

https://college.coeteco.jp/blog/archives/1200/

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