簿記には1~3級まであり、数字が小さいほうが難易度が高くなります。簿記3級は比較的簡単に取得できますが、簿記2級は難易度が上がるので、勉強時間も多くなります。
簿記2級の資格を取得するメリットは、就活の際に有利になることと、投資に役立つことです。
履歴書に「簿記2級取得」と書いてあるだけで、未経験者でも経理の仕事に就ける可能性が高まります。
また、決算書の意味がわかるようになるので、その企業に投資するかどうかの判断材料になります。実際に、私は決算書を読み、株主優待目当てで株を保有中です。
この記事では、簿記初心者が1歳の子どもを育てながら簿記2級に合格した体験をもとに、簿記2級の勉強方法を徹底解説していきます。
簿記2級初心者・社会人・子育て中の勉強方法
簿記初心者の勉強方法
簿記初心者は簿記3級のテキストの学習から始めましょう。
「簿記2級合格を目指しているのに、簿記3級から始めるなんて遠回りでは?」と思う人もいるかもしれませんが、簿記3級を勉強すると簿記の基礎知識が身につきます。
もちろん、簿記2級の資格は3級を取得していなくても受験可能です。しかし、簿記3級の内容を理解していないと、簿記2級に合格するのはかなり難しいのです。
実際に、簿記初心者だった私は、簿記3級を取得してから簿記2級に挑戦し、合格しました。
簿記3級を勉強すると、簿記2級合格への近道になるので、簿記3級の内容を完璧に理解することから始めましょう。
社会人の勉強方法
社会人の勉強方法は、
- 休日に机に向かってテキストや問題集で勉強する
- 隙間時間にスマホアプリで仕訳の問題を解く
です。
机に向かって勉強するのは休日がおすすめです。
仕事から帰ってきて疲れている中、勉強するのは難しいですよね。集中力も持ちません。
そのため、帰宅後に無理やり勉強するよりも、休日に集中して勉強すると効率的です。
休日は勉強で潰れてしまいますが、合格するまでです。
ただし、仕事の日に全く勉強しないと、せっかく覚えたことも忘れてしまうので、隙間時間にスマホアプリで仕訳問題を解く習慣を身につけましょう。
通勤電車の中やお昼ご飯を食べ終わったあとなど、意外と隙間時間はあります。
仕訳問題に慣れておくと、テキストの理解度も上がるので、一石二鳥です。
ちなみに、スマホアプリは無料のものより、有料のものがおすすめです。
有料のアプリの方が、
- 広告表示が少ない
- 練習問題が多い
- 試験範囲の変更があっても、すぐ対応する
などのメリットがあります。
私は無料版から有料版へ変更しましたが、後悔していません。無料版ですと35問しかなく、すぐ解き終わってしまったのですが、有料版だと300問以上あるので、長く使えてよかったと思っています。
お金はかかってしまいますが、隙間時間の勉強を積み重ねるためにも、ダウンロードしてみてください。
子育て中の勉強方法
自宅で幼い子を世話している人の勉強方法は、
- 子どもの寝ている時間にコツコツ勉強する
- 家族の理解を得る
この2つが大事です。
子どもが昼寝しているときや就寝後に少しでもよいので学習を進めます。テキストを読んでも、アプリで問題を解いても、動画で理解を深めてもよいです。
子どもが寝ている間につい家事をしたくなりますが、私の場合は簿記2級を取得するまでは勉強優先でした。たまに、子どもを寝かしつけていると、私自身が寝てしまうこともありましたが、疲れているときに無理をすると体調を崩してしまうので、潔く子どもと一緒に寝ていました。
しかし「なんで家事が溜まっているんだ」と怒られたり、自分でもイライラしてしまう場合もあると思います。
そのため、簿記2級の資格を取りたいのであれば、取得するとどうなるかを事前に説明し、理解を得ることと、自分のモチベーションをしっかり保つことが必要です。
簿記2級の資格を取っておくと、経理の仕事で重宝されるので、子どもが少し大きくなり、再就職を考える際、経理の仕事を選択肢に加えることができます。
就職できれば世帯収入が増え、家計に余裕が生まれるので、あなたが簿記2級の資格を取ることはメリットになるのです。
家族に説明をして納得してもらい、合格するまでは協力してもらいましょう。
簿記2級の独学での基本的な勉強方法と流れ
テキストを読む
まずはテキストを読み、簿記2級の全体像をつかみます。内容を理解できなくても、とりあえず読み進めましょう。
簿記3級では商業簿記のみの出題ですが、簿記2級では商業簿記と工業簿記の2つの範囲から出題され、70%以上の正解で合格です。
「商業簿記」は、購買活動や販売活動など、企業外部との取引を記録・計算 する技能で、企業を取り巻く関係者(経営管理者・取引先・出資者等)に対し、適切、かつ正確な報告(決算書作成)を行うためのものです。
「工業簿記」は、企業内部での部門別や製品別の材料・燃料・人力などの資源の投入を記録・計算する技能で、経営管理に必須の知識です。
引用:簿記 試験科目・注意事項
商業簿記よりも、工業簿記の方が理解しやすいので、工業簿記から勉強すると効率がよいですよ。
問題集を何度も解く
簿記2級の内容を把握したあと、問題集を解き始めます。最初は「テキストで学んだ内容を理解するぞ」という気持ちで取り組みます。
そして、間違えた問題に印をつけておき、何度も解き直しましょう。
問題集は解説がわかりやすいものがおすすめです。
というのも、私は問題集選びで失敗しました。
何も考えずAmazonで「売上No.1」と書いてある問題集を買ったのですが、いざ問題を解いて解説を読んでみると、私にとっては、内容が少なく、詳細に解説してほしいと感じてしまったのです。仕方がないので、本屋さんに行き、1時間読み比べ、問題集をもう1冊買いました。
ネットで問題集を買うのも楽でよいのですが、本屋さんで実際に問題集を手に取り、解説を読んでから購入することをおすすめします。
過去問をひたすら解く
何回分も過去問を解いていると、問題の出題傾向が見えてきます。
過去問の解き方を理解できていれば、試験本番で解いたことのない問題が出題されたとしても、どうにか解くことができます。
勉強終盤には、解くスピードと正確さが大事です。
簿記2級の試験時間は90分で、一通り問題を解くだけで90分経ってしまいます。
見直しをしている余裕はありません。
試験を受ける直前、本番同様に時間を計って問題を解くために、過去問を1回分だけ、わざと解かないで残しておくのもおすすめです。
どうしてもわからない部分はYouTubeで学ぶ
独学で勉強していると、テキストを読んでも、問題の解説を読んでもわからない部分が必ず出てきます。誰かに教わっていれば聞くことができるのですが、独学ではそうはいきません。
そんなときに強い味方になってくれるのがYouTubeです。
YouTubeには簿記を解説している無料動画が山ほどあります。
自分自身に合うチャンネルを1つ見つけておけば、隙間時間に早送りしながら動画をみるとこもできます。
簿記2級の勉強を独学で進める3つのポイント
満点を目指さない
簿記2級は商業簿記と工業簿記を合わせて70%以上正解すると合格です。
問題を解いていると、どうしても「満点を取らなきゃ受からない」という気持ちになってきますが、7割の正解でよいのです。
もちろん、簿記2級の範囲を完全に理解できるのが一番ですが、それは現実的ではありません。完璧を目指さず、できる限りの努力を積み重ねて理解を深めていきましょう。
ただし、毎日根を詰めて勉強するとモチベーションの維持が難しくなるので、息抜きの時間を作るとよいです。「好きなことを我慢して勉強しなくちゃいけない」と考えると勉強がどんどん辛くなると思います。私はドラマが大好きなので、週1日ドラマをまとめて見る日を作っていました。
もし、試験本番で解けそうにない問題や、時間がかかりそうな苦手な問題が出たら、一度飛ばして他の問題を解きましょう。まれに簿記1級の範囲の問題が出題されることもあるので、わからない問題は飛ばすのが吉です。
丸暗記をしない
簿記2級は丸暗記をしても太刀打ちできません。もちろん、勘定科目などは暗記が必要ですが、それよりも「どうしてそう仕訳をするのか」の理解を深める方が大事です。根本的に理解していないと、どこかの段階で「問題が解けない」ということが起きかねません。
そのため、丸暗記をするのではなく、暗記と理解の適度なバランスを心がけましょう。
考え方を理解すると複雑な問題が出題されても、時間があまりかからず解けますよ。
苦手分野を把握する
簿記2級の試験時間は90分しかなく、どの順番で問題を解いていくかを考えなければなりません。苦手分野を把握していれば、効率よく問題を選べます。
私の場合、工業簿記は点を取りやすく得意だったので、最初に解き、連結会計や税効果会計は時間がかかる上にかなり難しく、正解できる自信がなかったので、最後に解くようにしていました。
また、勉強終盤に苦手分野を集中的に勉強し、正答率を上げれば、試験全体の点数も確実に伸びていくので、簿記2級合格に近づきます。
そのためにも、問題集や過去問を解いていく際に、間違えた問題に印をつけるのを習慣にしましょう。
ちなみに、簿記のスマホアプリでは間違えた問題だけを出題する機能が備わっているので、効率的に勉強できます。
私も、スマホアプリで間違えた問題を繰り返し解いて、苦手分野の理解を深めました。そのおかげで、苦手だった連結会計や税効果会計の問題を全3問中、1~2問くらいは解けるようになりました。
まとめ
簿記2級は簿記初心者でも、社会人でも、子育て中の人でも、勉強の仕方を間違えなければ取得可能だと思います。
履歴書に書いてあるだけで就職に有利になるので、これから就活する学生はもちろん、再就職を目指している方、昇格したい方におすすめの資格です。
また、簿記2級の知識は投資にも役立ちます。お金を運用していきたいなと考えている方にもおすすめです。
隙間時間を上手く活用しながら、効率よく勉強し、合格を目指しましょう。