「集中力を高めるためには青」、「ポジティブな気持ちを高めるには赤」等、色彩が人に大きな影響を与えることは広く知られています。これらの効果を上手く利用して、商品の購買意欲を高めたり、賑やかな食卓を演出し食欲を増進させたりすることができます。
こうした色が持つ心理的効果や特性は、カラーコーディネートの知識を持つ、色のスペシャリストであるカラーコーディネーターの手によって、様々なシーンで幅広く活用されています。
この記事では、カラーコーディネートを行う上で重要な色彩関係の資格の種類、概要、取得方法等について説明していきます。
カラーコーディネーターとは
カラーコーディネーターとは、商業施設や居住環境、出版物や製品などのデザインに関して、専門的な色彩の知識に基づき、目的に合った適切な色の効果を引き出すためにアドバイスする仕事です。
日本では、専業のカラーコーディネーターとして働いている方は非常に少なく、他の専門的スキルとカラーコーディネーターの知識を組み合わせて仕事をしたり、会社で働きながら日々の業務に色彩の専門知識を活かして働いたりする方が圧倒的に多数派です。
カラーコーディネーターの知識は、主にファッション関係やインテリア関係、Webデザイン、メイクやネイルといった美容関係、ブライダル、フラワー関係等のお仕事に役立ちます。また、会社の資料作成や企画制作といった日常的な業務でも、カラーコーディネートの知識を発揮することで、周囲の人とは一味違った活躍をすることもできるでしょう。
こういった仕事では勿論のこと、センスのよい配色パターンを理論や法則として身に付けることで、服の組み合わせ等のおしゃれや家の模様替えといった、プライベートのセンスアップも期待できます。
資格の種類は?
カラーコーディネーターになるためには資格は必要ありませんが、色彩関係の資格を取得することをおすすめします。色彩系の資格は種類が豊富なので、まずはどの資格を取得したいか決めることが必要です。
費用にも5,500円~20,000円とばらつきがあるため、サイトを調べたり、資料請求を行ったりして、自分に合った資格を見付けましょう。
色彩検定
文部科学省後援の公的資格で、やや服飾よりの色彩の総合的な知識が問われます。色彩系の資格の中では知名度が高く、学生も多く受験しています。
1~3級と2018年に新設されたUC級(色のユニバーサルデザイン)があります。どの級も筆記試験ですが、1級のみ2次試験でカラーシートを利用した配色の実技が課されます。
芸能人では、仮面ライダーにも出演されていた俳優の岩永徹也さんが2級を取得しています。
カラーコーディネーター検定試験®︎
東京商工会議所が実施する検定試験で、通称は東商カラコ。やや製造業よりの色彩の総合的な知識が問われます。
2020年度から試験がリニューアルされ、従来の1~3級から、アドバンスクラスとスタンダートクラスの2つのクラスに変更されました。
ADEC色彩士検定
ややデザインよりの色彩の総合的な知識が必要とされます。
1~3級があり、どの級でも筆記試験に加え、混色等の実技が課されますが、それに加えて1級のみ2次試験でプレゼンが課されます。
パーソナルカラリスト検定
「人と色」に着目したパーソナルカラーを中心とする色彩の知識が必要とされます。
1~3級があり、どの級も筆記試験に加え、カラーシートを利用した配色の実技が課されています。
女優の木村佳乃さんがCMで取得して、話題になりました。他にも、元AKB48の高城亜樹さんが取得されています。
色彩技能パーソナルカラー検定®︎
色彩の中でも実務に直結するパーソナルカラーの知識に特化していて、試験でも実際に色を見分ける能力が重視されます。
モジュール1~3があり、モジュール3のみ布を当てた時のモデルの顔色の変化を見分ける実技試験が課されます。
学習方法
色彩の知識については、普段からデザインや色を扱う仕事をされている方でも、覚えることが大量にあります。しかし、各資格ごとに公式テキストや問題集、市販の参考書が多く出版されているので、地道に暗記をしていけば独学は十分可能です。
こちらの石川さんは、色彩検定を独学で合格した際の勉強法をブログで紹介しています。
https://shikisaikentei-online.com/study23
通信教育だと、ユーキャンやたのまななどが講座を開設しています。人によって差はあるものの、大体6ヶ月ほどで取得できるようです。講座によっては、特定の級のみ在宅受験対応しているのもメリットです。
独学に比べて料金は高くなってしまいますが、自分だけでは少し自信がない!という方は通信教育がおすすめといえるでしょう。
試験内容
内容については各サイトに詳細が記載されていますが、用語から歴史まで様々な色彩の知識を問われます。資格によっては配色等の実技が課されるため、別途対策が必要です。
色彩関係の資格はどれも年2~3回程度で受験のチャンスが少なく、万全の対策をした上で試験に挑むことをおすすめします。資格によっては併願制度もあるため、一気に取得したい!という方は利用するのも一つの手です。
合格率・難易度
資格が多数あるため、難易度にも幅があります。色彩検定を例に取ると、一番難易度が低い3級だと合格率が7割、最難関の1級だと4割と、難易度としては妥当といえます。
気になる合格ラインは、どの資格も概ね70%前後に設定されていて、やや高めと言えるでしょう。
まとめ
色は私たちの生活の中のあらゆるところに存在し、色を有効に活用することで、私たちに様々な影響を及ぼします。そうした効果を持つ色を使いこなすカラーコーディネートの資格は、プライーベートでもビジネスシーンでも存在感を発揮する、活用度の高い資格といえるでしょう。
在宅時間が多くなっている今は、おうちのインテリアも気になりますね。
色のルールを理解して、センスを磨きたい!、暮らしを豊かにしたい!、人とは違う資格をプラスして今の業務のスキルアップを目指したい!という方は、検討してみてはいかがでしょうか?
https://college.coeteco.jp/blog/archives/1447/
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