介護に関わる資格|待遇改善のためにキャリアパスの整備が進む

介護業界のイメージは、「賃金が安くて、なかなか上がらない」「離職率が高くて人材が定着しない」「いつも人手が足りない」など、ネガティブなものが多いかもしれません。

介護職のスキルと将来性を高めて介護職の処遇を改善するために、さまざまな取り組みが行われています。2009年に創設された、キャリアパス要件と呼ばれる職責や職務内容、賃金体系や昇給制度に基づいて交付される介護職員処遇改善交付金もその一つです。

この記事では、超少子高齢化が進む日本でますます需要が大きくなる介護に関わる資格と取り方などを紹介します。

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介護を行なう仕事

ケアワーカーとも呼ばれる介護職は、高齢者や障害者など介護が必要な方が自分らしく生活できるように、食事・排泄・入浴の介助など生活動作を支援する身体介護や、日常生活の家事を行う生活援助を行います。

介護職のキャリアパスを一元化すべく、2013年に介護福祉士とその上級資格にあたる認定介護福祉士の取得を目指す資格や研修制度が整えられました。

介護職員初任者研修

介護職は未経験・無資格からでも始めることができますが、利用者の身体に直接触れて行う身体介護には、介護職員初任者研修が必要です。

介護職員初任者研修は、介護の知識や技術の基礎を学ぶことができる研修制度です。仕事のためだけでなく、家族の介護をおこなうために学ぶ方もいます。受講資格はありませんので、介護職未経験の方でも受けることができます。

内容

130時間のカリキュラムの修了後に、筆記試験に合格する必要があります。毎日スクールに通ったら最短で1カ月程度で、多くの方はは3~6カ月程度で修了しています。

費用       

受講料には5万円~12万円程度と幅があります。

スクールや通信講座の受講料キャンペーン以外にも、お得に受講できる方法があります。ニチイ、ベネッセなどの老人ホームや訪問介護事業所を運営している講座では、その事業所に就職すれば、受講料無料や割引が行われます。教育訓練給付制度、ハロートレーニングなどの国の制度を利用できる場合もあります。また、就職活動のサポートをしてくれるスクールや通信講座もあります。

https://college.coeteco.jp/blog/archives/219/

介護福祉士実務者研修

介護福祉士実務者研修は、介護の専門的な知識や技術を学ぶものです。その名の通り、介護福祉士国家試験の実務経験ルートでの受験資格になります。

実は介護職員初任者研修と同じく受講資格はありませんので、介護職未経験の方は、介護職員初任者研修と介護福祉士実務者研修のどちらも選択することができます。

介護職員初任者研修 / 介護福祉士実務者研修 どちらを受ける?

介護未経験の方が介護職員初任者研修と介護福祉士実務者研修のどちらを受けるべきか、さまざまな意見や考え方があります。ご自身の働き方、学び方の希望に合わせて選びましょう。

介護の基本からじっくりと学びたい方には、介護職員初任者研修がお勧めです。介護福祉士実務者研修を受ける際には、重複した科目130時間が免除されます。

介護福祉士になることまで見据えて介護の仕事に挑戦をするならば、受験資格にもなる介護福祉士実務者研修から始めるのもよいでしょう。

介護福祉士実務者研修を受ければ、訪問介護事業所に配置が義務付けられているサービス提供責任者になることができます。サービス提供責任者とはサ責とも呼ばれ、ケアプランに基づいて訪問介護計画書を作り、訪問介護サービスがスムーズに行われるように調整するお仕事です。

介護職員初任者研修と介護福祉士実務者研修をセットで受講できるスクールや講座もあります。自分に合ったスタイルで学びましょう。

内容

カリキュラムは450時間です。介護職員初任者研修の他に、過去に行われていた訪問介護員養成研修(ホームヘルパー)1〜3級や、介護職員基礎研修を受けていると、一部科目が免除されます。

費用       

受講料は、15〜20万円前後です。

介護職員初任者研修と同様に、お得に受講できるさまざまなサービスや制度があります。是非ご活用ください。

介護福祉士

介護福祉士は、介護現場の最前線で活躍することに加えて、利用者やその家族からの介護に関する相談へのアドバイスや、介護職員の指導や教育も行います。介護に関わる資格のうち、唯一の国家資格です。

内容

介護福祉士国家試験を受けるには、①実務経験ルート、②養成施設ルート、③福祉系高校ルート、④経済連携協定(EPA)のいずれかのルートで、受験資格を得る必要があります。

試験はマークシートで行われ、2019年度の第32回介護福祉士国家試験の合格率は69.9 %でした。

費用

受験資格を得るルートに応じて、試験への準備期間や費用は異なります。

試験の合格をサポートしてくれるスクールや講座は、費用は5万円~20万円程度です。支払った費用の一部が国から支給される教育訓練給付制度の対象になっている場合があります。

介護福祉士からのキャリアアップ

介護福祉士からキャリアアップするには、上級資格の介護福祉士を目指すほかにも、以下のような職種や、資格を取得して専門性を高めることが考えられます。

施設のマネージメントや管理職を目指す

リーダー・主任、施設長・ホーム長

違う立場で、介護に携わる

ケアマネージャー、介護予防運動指導員、社会福祉士など

認定介護福祉士

介護福祉士の上級資格である認定介護福祉士とは、介護業務だけでなく、リーダーとして介護職職員のとりまとめや人材育成、地域全体の介護サービスの推進に携わります。

内容

認定介護福祉士は、介護福祉士として5年以上の実務経験の後に、600時間の研修を経てなることができます。

費用

研修にかかる期間は、およそ1年~1年半とされています。費用は養成研修機関となる各都道府県の介護福祉士会によって異なりますが、会員が300,000円前後、非会員は600,000円前後です。

介護を支える仕事

介護を行なうには、介護職だけでなく、さまざまな仕事が必要です。介護を支える仕事には、相談援助、レクリエーションや運動、食事、清掃などさまざまありますが、今回は介護保険サービスに密接に関わるケアマネジャーと介護事務について紹介します。

ケアマネジャー

正式名称は介護支援専門員であるケアマネジャーは、利用者の実情と希望に合ったケアプランを作成して、プランに基づいた介護保険サービスが行われるように関係者への連絡や調整、確認を行います。

内容

ケアマネジャーになるための介護支援専門員実務研修受講試験には、介護福祉士など国家資格か、生活相談員などの相談援助業務の実務経験が必要です。

試験はマークシートで行われて2019年度・第22回の合格率は、19.5%でした。

費用

合格をサポートしてくれるスクールや通信講座の費用は、5万円~20万円程度とさまざまです。教育訓練給付制度の対象になっている場合がありますので、是非ご活用ください。

https://college.coeteco.jp/blog/archives/1553/

介護事務

介護事務の主な仕事は、レセプトとも呼ばれる介護給付費明細書を作成し、介護保険サービスの費用を請求する介護報酬請求業務です。介護事務には、さまざまな資格があります。

内容

介護事務は、資格がなくともできる仕事ですが、資格を取得すれば、介護保険や介護に関しての知識と能力が証明されます。

介護事務の資格取得にかかる期間は約1.5か月~6か月です。

費用

費用は4万円~7万円程度です。

介護事務管理士®に対応しているソラストやユーキャンの講座なら、教育訓練給付制度の対象となります。

https://college.coeteco.jp/blog/archives/1996/

まとめ

介護職はキャリアパスの整備や処遇改善が進められており、やりがいをもって安心して働くことができる仕事といえます。また介護業界は需要が高いので、ケアマネージャーや介護事務の活躍する場もますます広がることが予想されます。

キャリアプランを考える際には、年齢に関わらず、長く働き続けることができる介護の資格も検討してみてはいかがでしょうか。

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