
日常生活がコロナ禍で一変し、働きかたも大きく変化しました。オンライン会議やリモートワークがもはやあたりまえのようになった昨今、在宅で収入を得ることへの関心が高まっています。
なかでも、在宅ライターは特別な免許や資格が必要ではなく、パソコンやスマホがあればすぐにでも始めることができるので、人気が高いお仕事です。
この記事では、在宅ライターの仕事内容と、在宅ライターになるための情報をお伝えします。
在宅ライターとは
在宅ライターとは広い意味では、在宅で「書く」ことに関わる仕事です。組織に所属せずに取材・執筆活動をおこなっているフリーライターや、インタビューや講演会などの音声を文字にするテープ起こし・文字起こしをおこなうテープライターも、在宅ライターに含まれます。
在宅ライターはインターネットが普及する前から活躍していましたが、近年はインターネット上のコンテンツを執筆するWebライターと同義で扱われることが多くなりました。
仕事の発注や受注を特定の人に限らず広くおこなうクラウドソーシングが普及して在宅で受注と納品が完結することと、Webメディアが増えて記事の需要が増えたことから、在宅ライターの人数は増え続けていると考えられます。
また、コロナ禍で収入が減ったり不安定になったりした影響で、在宅ワークやリモートワークへの関心が高まっています。そのため、会社員が副業として、主婦が家事・子育ての合間に、学生がアルバイトとしてなど、さまざまな人が在宅ライターにチャレンジしています。副業としてスタートして、軌道に乗ったら在宅ライターを本業にする方もいます。
在宅ライターを副業として始める理由には、収入をより多くしたいだけでなく、企業が副業を認めるなど本業との相乗効果をねらうケースもあります。また、本業をもちながら副業に限らない社外活動をおこなうパラレルキャリアとして在宅ライターに挑戦する方もいます。
「働き方改革」や「人生100年時代」を踏まえ、厚生省においても副業・兼業に関するガイドラインを作成し、多様な働き方を促進する流れがあるのです。
在宅ライターが活躍する業界
在宅ライターは主に以下の業界で活躍しています。
出版業界
書籍、雑誌、フリーペーパーなどの紙媒体に原稿や記事執筆をおこないます。出版社や新聞社のほかに、編集プロダクションから発注されることもあります。
フリーライターと呼ばれる方が多く活躍しています。
Web業界
Webメディアの記事、ブログ、メールマガジンなどのインターネット上のコンテンツの作成や記事執筆をおこないます。
Webを専門とする方は、Webライターと呼ばれています。
Webメディアはスマホで読むことが多いので、紙媒体とは違うWebメディアならではの書き方であるWebライティング技術や、より上位の検索結果になるようにするSEO対策の知識が必要になります。
広告業界
コピーライティングや広告記事の執筆をおこないます。コピーライターやセールスライターのような専門ライターも活躍しています。在宅ライターとは違って、広告代理店や制作会社に会社員として勤務する方も多いです。
コピーライター
広告でメッセージを伝えるための言葉であるコピーを書きます。テレビ、新聞、雑誌、ラジオ、インターネットの広告だけでなく、ウェブサイト、ポスター、商品パッケージなどの文章を作成することもあります。
セールスライター
レスポンス(問い合わせ、申し込みなど)や売り上げを増やすために、通販カタログ、ダイレクトメールやメールマガジン、ブログ記事などの文章を書きます。
在宅ライターへの発注は上記の業界の会社から以外に、クラウドソーシングサービスをとおしておこなわれることもあります。在宅ライターの仕事が多く紹介されているクラウドソーシングでは、ランサーズやクラウドワークスが有名です。
カテゴリー・ジャンル
専門分野を絞り込んでいる在宅ライターもいますが、複数の専門分野を持つ人や、どんなジャンルにもチャレンジする在宅ライターもいます。
在宅ライターの専門分野、執筆テーマの一例です。
- 金融(資産運用、保険、貯蓄、不動産、家計相談、節約など)
- 恋愛・結婚・婚活
- 美容、化粧品
- スポーツ
- グルメ、料理
- 旅行、観光
- 自動車、オートバイ
- IT、プログラミング、ゲーム
- 子育て、教育
- キャリア、転職
- 政治、事件
ファイナンシャルプランナーの資格を持つ方はFPライターとも呼ばれ、金融テーマを専門に活躍しています。
政治や事件を専門とする方には、新聞や雑誌の記者出身の人が多いです。
このほかにも、製品の取扱説明書やマニュアルなど、専門的な技術に関する文章を書いたり翻訳したりするテクニカルライターや、テープ起こし・文字起こしをおこなうテープライターなど、特定の専門分野で活躍する在宅ライターもいます。
報酬、収入
在宅ライターの報酬は、技術、経験、信頼度や掲載される媒体などによって大きく異なります。
Webメディアの場合は、1文字1円など文字数によって報酬が決定する場合が多いです。未経験から挑戦できたり執筆希望者が多かったりするテーマの場合は1文字1円を切ることもありますが、専門性が高かったり人気や評判が高かったりすると文字単価が上がっていきます。
紙媒体では1記事当たりで単価を決めるケースが多く、報酬は数千円から数十万円と幅があります。取材や調査、インタビューの有無が金額に大きな影響を与えます。
在宅ライターの収入は、本業か副業かなど働きかたや、1つの原稿当たりの単価によって大きく異なります。月に数万円程度の在宅ライターから、年収で7桁を超える方までさまざまです。
在宅ライターになるには
在宅ライターになるために必須の資格はなく、「こうすれば在宅ライターになれる」という王道のような、確実な方法はありません。
前職・現職のつながりやつきあいを通じて営業活動をおこなったり、みずからサイトを運営して人気記事を積み重ねたりして、企業や出版社から案件を獲得するケースもまれにありますが、多くの在宅ライターは、まずはクラウドソーシングサイトで受注することから始めています。在宅ライターになるには、ライティング技術を身につけて、経験と実績を積み上げていくことが大切です。
しかし、コツコツ努力することが大切とはいえ、在宅ライターは自宅で一人で働けるからこそがんばりすぎてしまいがちです。
在宅ライターとして活躍している「cocoro@4歳+7m子育て中ママ」さんが、休養の大切さを教えてくれました。
在宅ライターに役立つ資格や講座
在宅ライターになるために、有利になる資格や講座を紹介します。
ライティングに関するもの
日本語や漢字、校正や著作権についての正しい知識は、良質な記事やコンテンツを作成するために役立ちます。日本語検定、漢検(日本漢字能力検定)、校正技能検定、ビジネス著作権検定などの検定の合格を目指して勉強すれば、在宅ライターとしてのスキルも向上するでしょう。
在宅ライターに特化したものではありませんが、プロの編集者・ライターを目指す方向けの講座もあります。
宣伝会議 編集・ライター養成講座 総合コース

宣伝や広告に関する雑誌などの出版社でもある、株式会社宣伝会議による講座です。1コマ2時間の講座が合計40回、半年間毎週2コマを対面またはオンラインで受講します。費用は176,000円(税込み)です。
Webライティングに関するもの
インターネットの発達とともに、Webライティングに関する検定や資格も増えています。
WEBライティング技能検定
指定の講座を受講したのちに合格すれば、確かなライティング技能、クラウドソーシングで働くために必要なビジネスマナーや基礎知識、文章作成技術があることを証明できます。
Webライティング能力検定
Webサイトの内容の充実と質の向上を実現するためのWebライティングができることを証明できる検定です。
ライティング内容に結びつくもの
コスメライター養成講座
女性だけでなく男性も、美容への意識が高まっています。美容知識や薬事法にくわえて、ラィティングやSEO対策など、美容を専門としたライターとして活躍するために必要な知識や技術を学ぶことができる講座です。

テープ起こし・文字起こし
テープライターとして受注する以外にも、インタビュー記事をスムーズに書くためにも、有用なスキルであるテープ起こし・文字起こしを学ぶことができます。
金融を得意とするFPライターのように専門分野をもった在宅ライターを目指すならば、ファイナンシャルプランナーなどの専門分野の知識・技術があることを証明する資格や検定があれば有利になります。

まとめ
情報化社会ともいわれる現在において、コンテンツ・記事の数はWebメディアを中心に、ますます増えることが予想されます。また、ライフスタイルの変化から在宅で働くことや、副業・パラレルキャリアへの関心の高まりにより、在宅ライターへの注目は今後も高まり続けるでしょう。
在宅ライターは挑戦しやすい仕事ではありますが、高いスキルや専門知識を持って経験と信頼を積み重ねれば、より大きな報酬を得ることも期待できます。
活躍の場が広がり続けている在宅ライターをあなたも目指してみませんか。