
新型コロナウイルス感染拡大をきっかけに、急速に広がったリモートワーク。在宅業務の環境が整う中で、ますます注目を高めているのが在宅副業です。自宅にいながら稼げることで多くの会社員・主婦(夫)層の関心を集めていますが、実はすべての人が在宅副業で十分稼げるわけではありません。今回は、在宅副業のメリットやデメリット、知っておきたい注意点などを解説します。
自宅で稼ぐ!注目を集める在宅副業
ひと昔前は、会社員や主婦(夫)の副業というと店舗・工場などへの勤務や、シール貼りなど内職での手作業が主でした。その後インターネットの普及に伴い、副業は在宅でのネットビジネスへと主流が移りつつあります。また、厚生労働省が「働き方改革」を推奨したことにより、副業を認める企業も増加。会社員の副業は今や当たり前のものになってきており、在宅副業はひとつのビジネスとして確立しています。
在宅副業にはどんなものがある?
ネット関連の在宅副業を探す手段としてメジャーとなっているのがクラウドソーシングです。クラウドソーシングは、企業がインターネットを通して不特定多数に業務を発注できるビジネスモデルで、データ入力やライティング、動画編集といったパソコンでできる在宅副業を探すことができます。クラウドソーシングを通さず、自身で直接WEB上での求人に応募したり、写真やイラスト、ハンドメイド品を販売したりする方法も。また、動画配信やブログ更新で広告収入を得るアフィリエイトビジネスなどもあります。誰もがスマホやパソコンからネットを使えるようになっている現在、実にさまざまな分野で在宅副業が可能になってきています。
在宅副業の種類やそれぞれの特徴は、こちらの記事でも詳しく紹介しています。

在宅副業のメリット
在宅という働き方を選ぶことでどのような利点があるのでしょう。在宅副業の代表的なメリットを紹介します。
働く場所や時間を選ぶことができる
在宅副業のメリットの中でも大きいのが、働く時間・場所を選べることでしょう。これにより、育児や介護で勤務が難しかった人でも収入を得られるようになりました。また、ビジネスパーソンは本業の通勤時間や休憩時間を活用して副業でき、より効率的に稼げるように。時間が有効に使えて収入も潤う、まさに在宅副業の大きな魅力と言えます。
スマホ、パソコンひとつでできる
スマホやパソコンだけで完結する業務が多く、始めやすいのも在宅副業が広がった理由のひとつと言えるでしょう。開業や投資のように初期費用がかかるものと比べ、リスクを抑えながら稼ぐことができます。
通勤する必要がない
自宅で作業ができるため、通勤にかける時間をそのまま節約することができます。時間的なメリットもありますが、普段から自宅にいる主婦(夫)やフリーランスの人の場合、通勤用の服を買う必要がないといった金銭的なメリットや、面倒な人間関係がないといった精神的なメリットも考えられます。
自分のペースで仕事を進めることができる
クラウドソーシングの場合、基本的には最初に定められた納期までに納品できればOK。自身で運用する動画やブログ、ハンドメイド品販売などはノルマもないため、自分のペースで作業を進めることができます。家事や育児で度々仕事を中断せざるを得ない人にとっては有難い働き方と言えるでしょう。
実際に、家事を在宅ワークの隙間時間にこなすなど、時間を有効に使えている人は多いようです。
在宅副業のデメリット
時間的にも経済的にも余裕がもてる在宅副業。良いことばかりに思えますが、デメリットも存在します。在宅副業で考えられるデメリットとして以下のものが挙げられます。
仕事が安定しない
在宅副業は正規雇用の会社員と違い、収入が保証されているわけではありません。案件を発注する側も試験的な運用で外部に依頼をかけていることも多く、1回のみの単発もざら。案件が常にあるとは限らず、安定を求めるのは難しい働き方です。
時間をかけたわりに稼げないこともある
クラウドソーシングの場合、未経験者は比較的安価の報酬となることも多く、「思ったより稼げなかった」といった口コミも少なくありません。また、ハンドメイド品販売や写真販売は売れなければ実質収入0円となるため、労働がムダになってしまう可能性もゼロではないのです。
孤独を感じやすい
在宅副業のほとんどは自分ひとりで行う作業になります。人間関係に縛られない点はメリットにもなりますが、相談する相手がいない環境に孤独を感じ、挫折してしまうケースも。孤独な作業が苦手な人は、SNSなどで同じような副業をしている人たちを探し、つながっておくと孤独感も和らぐかもしれません。
在宅副業に向いている人・向いていない人
上記で紹介した在宅副業のデメリット部分を見ると、在宅副業に向いている人と向いていない人がおのずと見えてきます。
在宅副業は基本的にひとりで行うもの。自身でスケジュールを管理できる人は向いていますが、ひとりだとダラけてしまう、納期を守れないといった自己管理能力が低い人は稼げるまで継続することが難しいかもしれません。
ネット上でのコミュニケーション能力も重要なポイントになります。ひとりで行う作業とはいえ、クライアントとコミュニケーションをとる機会が多い在宅副業もあります。コミュニケーションが雑な人はクライアントからの信頼も得られません。
また、在宅副業を始めてしばらくは報酬が低く、副業によっては報酬がゼロのことも。コツコツ継続し少しずつ収入を積み上げることに楽しさを感じる人にはよいですが、ラクして一気に稼ぎたい人向きではないでしょう。
より在宅ワークのメリット・デメリット、向き不向きを知りたい方におすすめなのがこちらの本。実際の在宅ワーク体験者の体験談をもとに、さまざまな在宅副業の詳細やメリット・デメリットが紹介されています。自分の合った在宅ワークを見つけるヒントも書かれており、初心者におすすめです。
在宅副業を始める際の注意点
ひとりで行う在宅副業では、トラブルは基本的に自己責任となります。いざ副業を始めて取り返しのつかない事態にならないよう、副業を始める際の注意点を知っておきましょう。
信頼できる求人サイトから応募する
ネットビジネスが広がる裏で、その仕組みを利用した詐欺まがいの求人サイトも多く出てきています。求人サイトやポイントサイトを利用する場合は、利用規約や口コミなどを確認し、信頼できるサイトか見極めましょう。運営会社がはっきり明記されていなかったり電話がつながらなかったりする場合は要注意です。
初期費用が大きくかかる副業は避けたほうが無難
株・FXなどの投資やせどりなど、初期費用がかかる副業は、初心者向きではありません。デメリットでも紹介したように、在宅副業は基本的に収入が安定せず、労力のわりに稼げないことも。途中で挫折してしまった場合、かけた分の初期費用がムダになってしまいます。確実に稼げる自信がある上級者以外は、スマホやパソコンひとつで始められる副業が無難です。
本業の就業規則を確認しておく
副業が広がっているとはいえ、副業を解禁していない会社もまだ多くあります。会社員が副業を始める際は、必ず事前に就業規則を確認しましょう。就業規則において明確に副業禁止が記載されている場合、副業がバレれば懲戒免職や減給など重い処分となる可能性も。収入アップのために始めたことが、かえってマイナスの結果になってしまいかねません。
所得が20万円を超えた場合は確定申告をする
副業での所得が年間20万円を超えた場合は確定申告が必要となります。年間20万というと、月1万7,000円以上の副収入があれば超えてしまう金額。当てはまる人は決して少なくないでしょう。申告しなければ脱税となり、ペナルティが課せられることもあるので自身の年間収入はきちんと把握しておいてください。

まとめ
在宅副業はメリットだけでなくデメリットもあります。自分の中でデメリット部分が上回れば、在宅副業はかえって負担に。一方、デメリット部分をクリアし、注意すべき部分にも配慮しながら継続すれば家計の大きな支えにもなり得ます。慎重に検討しつつ、自分に合った在宅副業を探してみてください。