
オンライン講座では、スマートフォンやタブレット端末、パソコン、アプリなどIT機器と言われるものを使います。講座を始めるにあたり、どのような準備が必要なのでしょうか。
今回はオンライン講座に必要なもの、講座の開催に必要なオンラインミーティングサービス、あると便利なアイテムなどをまとめてみました。
オンライン講座で必要なもの
講師はインターネットに繋がるパソコンやタブレット端末、スマートフォンがあればオンライン講座は開講できます。カメラはパソコンやタブレット端末、スマートフォンについているカメラで十分ですが、パソコンにカメラがついていない場合は外付けのカメラが必要です。
オンライン講座の開催はスマートフォンでも可能ですが、スマートフォンは参加者の顔を全員一度に表示できず、左右にスワイプしないと見られない、チャットもスワイプしないと表示できないなど、使い勝手の面ではパソコンに劣ります。
受講者もインターネットに繋がる場所でパソコンやタブレット端末、スマートフォンがあれば講座に参加できますが、受講者側はスマートフォンでも気軽に受講できます。大きな画面で見たい方はタブレットやパソコンをおすすめします。
画面共有して資料を表示したり、録画して保存したりする場合はパソコンをおすすめします。録画の必要がなく、料理など講座をやりながら場所を移動するような場合は、スマートフォンの方が便利でしょう。ヨガなど体全体がうつれば良いような場合も、スマートフォンでも講座を開催できます。
講座の開催に必要なオンラインミーティングサービスについて
オンラインミーティングサービスは何を選ぶか
オンライン講座では、必ずオンラインミーティングサービスを使います。無料で利用できるサービスは、有料にアップグレードすると機能が拡張します。
主なものは以下の4つです。
- Zoom
- Skype Meet Now
- Microsoft Teams
- Google Meet
それぞれ特徴があり、どのオンラインミーティングサービスも無料で試せます。無料版では使える機能と使えない機能がある(有料版にアップグレードすることで使えるようになる)ので、選ぶときは以下の点を確認しましょう。
- 人数制限、時間制限があるか
- 画面共有機能の有無
- 録画機能の有無と保存場所の違い(Web上のクラウドサービスに保存か、パソコンなどの端末に保存か)
- 録画の保存期限の有無
- バーチャル背景や背景ぼかし機能の有無
有料版になると、セキュリティ機能やサポートサービスが追加されるツールもあります。詳しくは以下の記事にまとめてあるので、比較してみてください。

他に、Office 365との連携やGoogleカレンダーとの連携など機能面での違いもあるので、どんな講座をやりたいか、何人くらい集めたいかを考えながら選ぶと良いです。
オンライン飲み会のように単なるコミュニケーションツールとして使うなら必要ない場合もありますが、講座となると画面共有機能(画面に資料を表示して説明できる)や録画機能(参加者に復習用として提供できる)があるツールをおすすめします。
バーチャル背景機能や背景ぼかし機能は必須の機能ではありませんが、自宅の様子を参加者に見られずにすみますし、場所を選ばず講座ができるのであると便利な機能です。
録画や資料を共有するときの注意点
講座の録画や資料を受講者に共有・提供する際は、注意点があります。講座の内容をWeb上に公開されてしまうと、講座への集客に影響が出ます。
- 無断でSNSなどに公開しないこと
- 動画や資料は自分の復習のみに使用すること
この2点を守ってもらうよう、ルール化しておきましょう。申し込み時のフォームに書いておき同意の上申し込んでもらう、講座の最初に必ず伝えるなど必ずアナウンスすることを決めておくとスムーズです。
ダウンロードしておくと便利なアプリ
オンライン講座に必ず必要なアプリはありませんが、ダウンロードしておくと便利なアプリはあります。
オンラインコミュニケーションサービス(ZoomやSkype)はアプリがなくてもブラウザで動作するサービスがほとんどですが、専用のアプリがあれば講師側も受講者側もダウンロードしておくと使い勝手は良いです。
講師が発行したミーティングのURLを受講者がブラウザで開けばミーティングに参加できますが、何かトラブルがあってミーティングに参加できない場合は、ブラウザからではなくアプリにミーティングIDを入れて参加するなど別の方法を試すことができます。
録画を共有するためのアプリを使って参加者に動画を共有することも可能ですが、アプリがなくても共有はできます。録画の共有については次の項で詳しく説明します。
講座を録画して共有するには
動画のデータをそのままメールで送ると容量が大きいので、圧縮して送る必要があります。圧縮・解凍の作業が面倒な場合は、YouTubeや無料の大容量ファイル転送サービス、アプリなどを使うと良いでしょう。
YouTube
YouTubeにアップロードして限定公開にすると、動画のURLを知っている人のみが閲覧できます。簡単な作業でできますしURLを送るだけなので便利です。ただ注意があり、URLを知っていれば他の人も見ることができる、公開再生リストに追加すると他のユーザーが閲覧できるようになってしまうので、リンクを他の人に送ったり公開再生リストに入れないようアナウンスしてください。
非公開は、ユーザーを指定して動画の閲覧を許可する方法です。講師が動画をアップロードする際に共有したい相手のメールアドレスを入れて招待します。招待された人は自分のGoogleアカウントにログインする必要があるので、Googleアカウントがない受講者にはアカウント作成を依頼する必要があります。
大容量データ転送サービス
ギガファイル便、データ便、おくりん坊などの無料で大容量データを転送できるサービスは、動画データを転送するのに向いていますが保存期限があるサービスがほとんどです。
パスワードを知っている人のみダウンロードできるような設定も可能なので、パスワード設定できるサービスを選びましょう。ダウンロードされたかどうかの通知機能がついているサービスもあります。
ファイル転送アプリ
Send Anywhereなど無料のファイル転送アプリは、送る側も受け取る側もアプリのダウンロードが必要です。Send Anywhereは送る側がパスワードやQRコードを送り、受け取る側が入力か読み取るとファイルの転送ができます。容量は無制限ですが時間制限があります。
講師 | 受講者 | |
パソコン・タブレット端末・スマートフォン | ◎ | ◎ |
インターネット環境 | ◎ | ◎ |
オンラインミーティングサービス | ◎(無料版・有料版あり) | ー |
オンラインミーティングサービスの専用アプリ | ◯(あると使い勝手は良い) | ◯(あると使い勝手は良い) |
ファイル転送アプリ | △(動画の共有に必要であれば) | △(動画の共有に必要であれば) |
Googleアカウント | △(YouTubeを利用する場合必要) | △(YouTube非公開にするなら必要) |

必ずしも必要ではないがあると便利なアイテム
オンライン講座において、見やすさ・聞こえやすさは非常に重要です。講座の満足度にかかわってくるところなので、受講者が見やすく聞こえやすくなるような工夫はしてあげると良いですよね。
必ずしも必要ではありませんが、あると受講者の見やすさ・聞こえやすさが上がるアイテムをご紹介します。
パソコンに外付けできるWebカメラ
パソコンにカメラが付いていれば基本的には不要ですが、綺麗な画面で見せたい、視野角を広げたい、カメラ位置を変えたい場合は、Webカメラがあると便利です。
解像度が高いと綺麗な画質になりますし、広い視野角のカメラを選べば広範囲を見せることができます。クリップでパソコンに固定できるものや三脚が付いているものもあるので、講座の内容に合わせて選び、受講生が見えやすいようにしてあげましょう。
性能により2,000円台で買えるものから15,000円ほどのものまであります。マイク内蔵や手振れ補正機能など、求める性能が高くなると値段も上がります。
広角レンズ
スマートフォンについているカメラに広角レンズを付けると、視野角が広がり画面に映る範囲が広がります。2,000〜3,000円ほどで買えるものが多いので、ヨガや料理などしているところをもっと広い範囲で見せたい、会場全体を見せたいなど必要に応じで購入しましょう。
パソコン用の広角レンズもありますが、パソコンの場合は視野角の広いWebカメラもあるので、広角レンズを買う前にWebカメラの導入を検討することをおすすめします。
マイク付きのワイヤレスイヤホン
料理などの作業中やスクリーンの前で講座をするような、パソコンやカメラの位置から離れて説明する場合は、受講者は講師の説明が聞こえにくくなることがあります。マイク付きのワイヤレスイヤホンがあれば、動きながらでも講義が可能です。
また受講者の声や音はパソコンやスマートフォンのマイクを通して聞くよりも、性能の良いワイヤレスイヤホンを使った方が聞き取りやすくなります。受講者も、ワイヤレスイヤホンのマイクを通して話した声の方が聞き取りやすいこともあります。
値段は2,000円〜4,000円で買えるものが多く、性能が高くなると価格も上がりますが、音楽を聴くためではなく講座で使用するだけなら音質などの性能にはそこまでこだわらなくても良いでしょう。
ピンマイク
講師がピンマイクを付けると、受講者は音声がクリアに聞こえます。これは前述のイヤホンマイクやマイク付きヘッドフォンがあれば良いように思いますが、ピンマイクはマイクが向いている方向の音をよく拾うので、雑音が入りにくいという特徴があります。
数千円で買えるものから数万円のものまであります。
三脚、スマートフォンやタブレットのスタンド・ホルダー
カメラやタブレット、スマートフォンを固定するのに便利です。三脚は100円均一で買える小さなものから脚の長さを変えられる大きなものまであるので、受講者が見やすいようにどこにカメラを配置してどのように見せるか考慮して選びましょう。スマートフォンやタブレットのスタンド・ホルダーも同様です。
照明
オンライン講座では講師の画面が暗く表情に影ができているとあまり良い印象を与えません。リングライトなどを使って顔映りを良くすると、印象も明るくなります。
リングライトは顔全体に光が当たり、コンパクトで使いやすいものが多いです。卓上のリングライトは三脚とスマートフォンを固定するホルダーが付いているものもあります。パソコンやスマートフォンにクリップで付けられるものもあるので、講座で使うIT機器を考慮して選ぶと良いでしょう。
リングライトは2,000〜4,000円ほどで買えるものが多いです。付属品でリモコンが付いているものもあります。
プロジェクターとスクリーン、またはホワイトボード
立ったまま講義したい場合は、スクリーンとプロジェクターを使って資料や映像などを表示し、それをパソコンやカメラで写して講義することも可能です。リアルで開催する講座に近い状態を受講生に見せることができます。
スクリーンやプロジェクターはそれぞれ1万円以上するものが多いですが、使用する講座が限られていてたまにしか使わないようでしたら会議室をレンタルすると無料で借りられることもあります。
スクリーンの代わりにホワイトボードを使って書いて見せたり、プロジェクターからホワイトボードに資料を表示できますが、ホワイトボードは光ると受講者が見にくくなるという欠点があります。
ちなみにZoomには「ホワイトボード」という機能がありますが、これは「ホワイトボード」を画面共有して手書きで線を書いたりテキストを入力したりする機能です。講師だけでなく受講者側も操作できます。
番外編:外付けの大型ディスプレイ
これは、受講者が見やすいような工夫ではなく、講師が受講者を見やすくする工夫です。大人数の講座になると、受講者一人ひとりの顔が小さく表示されるので表情などがわかりにくくなります。ノートパソコンは画面が大きくないので、表情を捉えることが難しいでしょう。さらに画面共有すると、受講者の表示が一部の人しかされなくなります。
Zoomにはデュアルモニタディスプレイ機能があり、ノートパソコンに外付けできる大型ディスプレイを使うと、画面共有時にディスプレイの方で受講者の様子をメインのパソコンとは別画面で表示できます。チャット画面をディスプレイのほうに表示させることも可能です。
ディスプレイは1万円台で買えるものもたくさんありますが、3〜5万円ほどするもの、もっと高額なものも多いです。
まとめ
オンライン講座は内容が決まると、パソコンやタブレット端末、スマートフォンがあればすぐに始められます。オンラインコミュニケーションツールを選んだら、基本的な操作としてはミーティングを予定してURLのリンクを受講者に送るだけです。
ただ、受講者が見やすいように、聞き取りやすいようにする工夫ことも大切です。初期投資にお金をたくさんかけなくても良いでしょうが、必要に応じてアイテムを揃えて見やすくわかりやすい講座を目指しましょう。