
2020年は、働き方に大きな変化があった年でした。新型コロナウイルスの影響で、会合や旅行など活動の自粛や通勤通学、買い物など日常の生活にも世界中が大きな打撃を受けました。
そんな中、多くの企業がリモート会議やテレワークを導入し、「人と会う」機会を減らし感染の予防に努めました。今やテレワークは新しい働き方として世の中に大きく普及しましたね。リモート会議はコロナ禍以前からありましたが、世の中の流れとして2020年に一気に世界中に広がり、コミュニケーションツールサービスの拡大につながりました。
また、会合の自粛などもあり、個人でもオンライン飲み会やオンラインお茶会を楽しむ人も増えてきています。今回は顔が見えるコミュニケーションツール(社内や個人でビデオ通話ができるツール)を比較してみました。
Zoom
特徴
コロナ禍で多くの企業でテレワークが導入された際に一番有名になったのがこの「Zoom」ですね。パソコンからなら専用アプリ不要で簡単に始めることができ、最大人数も100人(無料版は制限あり)、画面共有や録画など、無料版でも使える機能が多いのが特徴です。
ただ一時期株価の上昇とセキュリティ上の問題が報道され、そのニュースで知ったという方もいらっしゃるでしょう。パスワードの発行や待機室を設けるなど、現在ではセキュリティ上の工夫もされています。

無料版でできること
Zoom無料版で使える主な機能はこちらです。
・1対1なら時間は無制限
・3人以上のグループミーティングは40分までの時間制限あり
・同時に参加できる人数は100人まで
・録画可能(ローカルに保存)
・ホストが開いている画面を共有できる
・ホワイトボード機能が使える
無料版は人数か時間に制限があること、録画はできますがクラウドに保存できない点が大きなポイントです。無料版でもできることは多くバーチャル背景の設定やGoogleカレンダーとの連携もできるので、使い勝手は良いでしょう。
操作方法
操作方法は、ブラウザで会員登録をおこない、ミーティングをスケジュールします。会員登録は会議のホストのみがおこなえばOKで、ホストの発行したURLを参加者に伝え、参加者はURLをクリックするだけ、というシンプルなやり方です。参加時にパスワードを入れるか待機室を設けるか、ホストが設定します。
有料版になると
有料版の料金形態は3種類あります。(料金は2020年11月現在の価格です。)
個人向けに利用しやすいのは、プロ(小規模のグループミーティング向け)です。1ライセンス月額14.99ドル(日本円で1,600〜1,700円前後、米ドルの為替レートにより変動)で利用できます。最大100人のミーティングが可能で時間制限なし、1GBまで録画をクラウドに保存可能、会議の様子をFacebookやTwitterなどSNSにストリーミング配信できるのが特徴です。
その他、以下の企業向けプランもありますが、個人では利用しづらいのでご参考までに。
・ビジネス(中小企業向け):1ライセンス月額19.99ドル(日本円で2,000〜2,100円前後、米ドルの為替レートにより変動+月10ライセンスより開始)
・企業(大企業向け)):1ライセンス月額19.99ドル(日本円で2,000〜2,100円前後、米ドルの為替レートにより変動+月100ライセンスより開始)
Skype Meet Now
特徴
Microsoft社が提供する個人向けのコミュニケーションサービスです。2020年4月から新しくサービス提供され始めたオンライン会議のためのツールです。
以前のSkypeは、専用アプリや使用者のアカウント登録などが必要で、その後ホストのみアカウント登録が必要に変更されましたが、Skype Meet Nowはアプリもアカウント登録も不要です。

無料版でできること
Skype Meet Nowの主な機能はこちらです。
・50人までのミーティングが全員アカウント登録なしで利用可能
・時間制限なし
・画面共有が可能
・背景ぼかし機能、もしくは背景画像を設定できる
・録画可能だが、ダウンロードには30日間の制限あり
・発行したURLは有効期限なく何度も使える
これらの機能が無料で利用できます。個人向けなので、手軽にサービスを利用できるよう工夫されていますが、アプリと連携させて仕事として機能をフル活用させたい方には物足りないかもしれません。
操作方法
Skype公式ページから「会議を開催する」をクリックし、会議名を決めてURLを発行し参加者へメールなどで共有します。参加者は、URLをクリックすると会議に参加できます。アカウント登録が要らないので、Zoomよりも操作性は良いでしょう。
有料版になると
基本的にSkype Meet Nowは無料サービスなので、有料版へのアップグレードはありません。ですので、参加人数が51人を超えるようなら従来のSkypeの有料版である法人向け「Skype for Business Online」と同社の提供する「Microsoft Teams」があります。
しかしMicrosoftはSkype for Business Onlineのサービス提供終了を発表しています(2021年7月31日まで)。今までSkype for Business Onlineを利用していたユーザーと、今後ミーティング人数が増えてSkype Meet Nowから移行を考えるユーザーは、Microsoft Teamsへの移行を検討されるとスムーズかもしれません。
個人向けのSkype、Skype Meet NowはSkype for Business Onlineサービス終了の影響を受けずに利用できるようなので(2020年11月現在)、ミーティング人数が50人より増えなければSkype Meet Nowを使い続けても問題ないでしょう。

Microsoft Teams
特徴
Skype同様、Microsoft社が提供するオンラインコミュニケーションツールで、ビデオ会議、チャット、ファイルの共有が可能です。Microsoft Teamsの大きな特徴は、Office 365との連携です。
ExcelやPowerPoint、Outlook、PlannnerといったアプリケーションをTeamsと連携させ、Teamsを開くと必要な情報にすぐにアクセスできるようになります。Teamsはどちらかというと個人が友人とオンライン飲み会をしたり趣味の講座をオンラインで受講したりするためのツールではなく、企業がビジネスで使うためのツールです。
無料版でできること
Microsoft Teamsの無料版では、以下のことが可能です。
・チャット機能
・テレビ会議(最大300人参加)
・画面共有
・ファイルの共有(1ユーザーあたり2GB、共有ストレージ10GBまで)
・背景のぼかし
ただし、無料版では会議の録画や録音、ファイルストレージの追加ができません。また、デスクトップ版のExcel、Wordといったアプリケーションの利用も不可で、他のアプリも連携が制限されています。
操作方法
パソコンからなら専用アプリは不要です。ブラウザでホストがMicrosoftのアカウントを作成すれば、利用が可能です。また有償版のOffice 365をダウンロードしていなくても無料版のMicrosoft Teamsは使用できます。
Microsoftのアカウントを取得後、無料版のMicrosoft Teams をセットアップすると機能が使えるようになります。
有料版になると
有料版は年間契約で、プランは以下の3タイプです。
・Microsoft 365 Business Basic:月額540円
・Microsoft 365 Business Standard:月額1,360円
・Office 365 E3:月額2,170円
連携できるOfficeアプリの制限とセキュリティ、管理、サポート面で各プランに違いがあります。
Google Meet
特徴
Googleが提供するオンライン会議用ツールです。2020年5月より、旧法人向けサービスHangouts Meetから名前を変更し、一般ユーザー向けにリリースされました。Googleアカウントを持っていてGoogleのサービスをよく使う人にとっては、使いやすいツールでしょう。
無料版でできること
Google Meetは無料版で使える主な機能です。
・ビデオ会議(100人まで参加可能)
・会議時間は60分まで
・画面共有
・電話での参加が可能
・Googleカレンダーから会議を設定
・通信の暗号化や不正防止機能がついている
ただし、無料版は録画や録音、バーチャル背景の設定ができません。
操作方法
Googleアカウントがなければアカウント登録が必要です。GoogleにログインするとGoogle Meetが使用できます。
ブラウザでGoogle Meetのページを開いて、「新しい会議を作成」でミーティングをスケジュールするか、「会議コードかリンクを入れる」にコードかリンクを入れると参加できます。
有料版になると
有料版のプランは以下の2つです。
・Google Workspace Essentials:ユーザーあたり月額8ドル(日本円で800〜900円前後、米ドルの為替レートにより変動
・Google Workspace Enterprise:(料金は問い合わせ)
有料版になると、会議時間が300時間までになります。また、参加人数もEssentialsが150人、Enterpriseが250人と増やすことができます。Enterpriseはドメイン内でライブストリーミング10万人まで可能です。
他、有料版はGoogleドライブに会議の録画が可能になり、プランによりセキュリティやカスタマーサポートに違いがあります。

まとめ
オンラインビデオミーティングが可能なサービスは、比較すると主に参加人数や会議時間の制限、録画が可能かどうか、背景の設定など、目的に合わせて使い勝手が違います。
個人で気軽にミーティングやオンライン飲み会を楽しむのか、仕事として他のアプリを連動させてスケジュール管理からファイルの共有など機能をフル活用したいのか、目的によって選びましょう。選ぶ際は、無料で使い続けるか有料版への移行が必要かどうかも検討すると良いですね。
テレワークやリモート会議のメリットが評価され普及してきた現在、コロナ禍が終わってもこの流れは続き、今後サービスの拡充もされていくでしょう。この記事を参考に、「オンラインで人と繋がる」ことを試してみてはいかがでしょうか。