
ドラマや映画、アニメーションやゲームなど、私たちの日々を豊かにするちょっとした娯楽の中で、3DCGが使われるのは当たり前になってきました。リアルな動きを可能とし、非現実の世界にさらなるリアリティを与えてくれる3DCGですが、制作の作業を大まかに分けるとCGの「モデルを作る」作業と、「モデルを動かす」作業の2つに分かれています。
ZBrushという3DCGのソフトは前者の「モデルを作る」作業において極めて高い能力を発揮するため、第一線のCGモデラーもZBrushを使用することが多いそうです。
この記事では、ZBrushの概要、学習方法について説明していきます。
ZBrushとは
Pixologic社が提供しているスカルプトソフトで、世界的に使用されているデジタル彫刻ソフトです。

3Dプリンターが普及し、誰でも自分の創造物を簡単に具現化できるようになるとともに、キャラクターや生物を造形する「モデリング」の需要は高まり、年々その存在感を増しています。
ZBrushは株式会社オークもしくは、株式会社ボーンデジタルから購入でき、価格は約11万円です。高価すぎていきなり買うのは不安だ……一度試してから購入したい!という方は30日間の無料体験版が配信されているので、お試ししてみてもいいと思います。
また、当たり前ですがこういったクリエイティブ系のソフトはパソコンが動作環境に対応していないと、操作が非常に困難です。自分のPCがZBrushの動作環境を満たしているか、ソフト購入前に必ず確認しましょう。動作環境はこちらから確認できます。
ZBrushCoreとの違いは?
ZBrushCoreはZBrushの機能を削ぎ落とした廉価版のことで、こちらは2万円ほどで購入できます。ただ、ZBrush無印と違い、ZBrushCoreは機能が制限されるため、今後仕事で使っていきたいという方にはあまりおすすめできません。
追加で料金を払えば、ZBrush無印にアップグレードすることは可能なので、趣味でちょっとだけ使ってみたいという方ははじめはZBrushCoreから購入してみてもいいかもしれません。
他のソフトとの違いは?
ZBrushの特徴は粘土を造形するように直感的にモデルをデザインできる、高い操作性です。板タブや液タブといったペンタブを利用して、アーティスティックに簡単にモデリングができるため、モデリングを中心に行いたい初心者にも大変人気があります。
3DCGソフトの中でも有名なMayaや3dsMax、無料ソフトのBlenderなどは総合的なツールなので、3DCGを作成し、動かすことができますが、ZBrushは、あくまでモデリングツール。ライティングやレンダリングという作業を行いたいときは、作成したモデルを読み込み、別のソフトで作業するのが一般的です。本格的にモデルを動かしたい時は、別ソフトの併用も検討しましょう。
また、他ソフトより直感的な操作に優れているため、生き物(クリーチャー)系の造形に向いているという意見もネットでは見かけました。
どんな仕事ができるの?
ゲームやアニメーション、映画などに登場する生き物(クリーチャー)やキャラクターのモデリングを行うCGモデラーやCGデザイナー、フィギュアや模型の原型師、3DCGを利用したイラストを描くイラストレーターなど、様々な仕事に就くことができます。
3Dプリンターの普及がさらに進めば、今以上に仕事が増えることが予想されます。
学習方法
独学の場合
ZBrushに限らず、3DCGの分野は専門用語が多く、これから初めてCGの勉強をするという方にとっては覚えることがとても多いです。
もちろん、独学で勉強していくことは可能ですが、CG用語に加え、ソフトの操作方法、ソフトに搭載されている機能の把握、自身のデザイン力の向上など、学習すべきことは多岐に渡ります。これらに押し潰されず、モチベーションを保ち続け挫折しないようにすることが、独学の場合は一番重要かもしれません。対策としては、SNSでZBrush勉強仲間を探したり、定期的にプロにアドバイスを求めたり、自分に合ったモチベーションを保つ工夫をしましょう。
また、Zbrushの参考書や入門書はたくさん出版されています。一冊を通じて表紙のモデルを作成することを目標としていることが多いので、自分の作りたいモデルのイメージに近い表紙の本を選びましょう!
チュートリアルとしてはこちらのDVDがおすすめ。
英語の動画が多いですが、YouTubeにもチュートリアル動画がたくさん投稿されているので、参考にしてみてもいいと思います。
こちらのさだぢさんは独学でZBrushを習得した時のことを詳しく語っています。

こちらの柚Pさんはソフトの購入から詳細にレポを書いてます。

スクールや専門学校を利用する場合
CGの知識は独学でも勉強することは可能ですが、独学では系統立てて学ぶことも、プロに気軽に質問することもできないため、上達に時間を要する場合が多いです。短い期間で効率よく勉強したい方は、お金を掛けてでも専門学校に通うことをおすすめします。
日本工学院やデジタルハリウッド、日本電子専門学校といった、通学の専門学校のCGクリエイターコースやCGデザイナーコースで、ZBrushの操作方法や活用方法を学ぶことができます。
とはいえ、全日の通学制の専門学校の学費は学校にもよりますが、250万円~400万円程度と非常に高額です。もう少し費用を抑えたい!という方は、デジタルハリウッドONLINEやヒューマンアカデミー夜間・週末講座などがZBrushを専門的に学べるコースを設置しているので、そちらがおすすめです。費用は約30万円~。
それでもちょっと厳しい!という方は、教科書代以外を国が負担してくれるハロートレーニングを利用してみるのも一つの手です。講座の数は限られますが、3DCGを学ぶ講座があります。
ハロートレーニングの記事はこちらから


まとめ
年々私たちの生活の中で存在感を増していく3DCG。CGのキャラクターや生き物をモデリングするモデラーは今後も需要が高まると予想され、ZBrushが扱えると仕事になる!ということも増えていくことでしょう。
ソフト代も高く、独学も決して容易な道ではありませんが、3DCGに興味がある!という方や、フィギュアの造形がしてみたい!という方などは、勉強を検討してみてはいかがでしょうか?