
動画販売やコンテンツサイトへの動画アップロード以外にも、SNSの発信に動画を使うなど動画編集のスキルが求められることが多くなっています。オンライン講師の方でも、高度な編集スキルは必要としなくても、動画のトリミングなど初歩的なスキルは必要という方は多いのではないでしょうか。
初歩的な動画編集であれば、パソコンのOSに搭載されているアプリで十分対応できる場合もあります。
Apple製品で使える無料動画編集アプリ「iMovie」の操作方法は、こちらの記事でご確認ください。

今回は、Windowsパソコンで使える無料動画編集アプリ「ビデオエディター」について、詳しくご紹介します。
無料動画編集アプリで出来る基本的な動画編集
動画編集アプリを使って動画を編集する場合、Apple製品ならiMovie、Windowsパソコンならビデオエディターがプリインストールされているので、まずは無料で使えるそれらのアプリを使って動画編集をしてみましょう。
無料の動画編集アプリでもできる動画編集の基本的なスキルとして
- いらない部分をカットする
- 2本以上の動画をつなぐ
- 字幕をつける
- 色の補正やフィルター機能を使って編集する
これらのことは無料編集アプリでも十分できます。
また、効果音やBGMを入れたり、エフェクトを入れたりすることも可能です。そこで、Windowsで使えるビデオエディターについて詳しく操作方法などを説明していきましょう。
ビデオエディターとはどんなアプリ?
初心者でも簡単な動画編集が可能
ビデオエディターは、Windows 10以降に標準搭載された動画編集アプリで、
- いらない部分をカットする
- 動画を繋げる
- 字幕を入れる
- タイトルカードを入れる
- BGMを入れる
- モーションや3D効果、フィルターの追加
などの編集が可能です。シンプルで操作しやすく、初心者でも簡単に動画を編集できるのが特徴です。
出力できる動画はフルHDまで
ビデオエディターは、4K動画の読み込みはできますが、出力には制限がありフルHDまでとなっていて、4Kの高画質動画を販売したい場合は向いていません。
本格的な映像を編集したい人にとってはあくまで簡易的な編集アプリかもしれませんが、多くのオンライン講師の方は「わかりやすい動画であること」が優先されると思いますので、画質には拘らずあくまで内容が理解されれば良い場合にはビデオエディターでも機能としては十分でしょう。
ビデオエディターでも秒数・カウントダウンの挿入はできない
Macで使えるiMovie同様、秒数のカウントや経過時間の表示はビデオエディターでもできません。
例えば、
- 同じ姿勢を一定時間キープするヨガで秒数のカウントダウンを入れたい
- 5分間おこなうエクササイズで経過時間を表示したい
などの場合は、別途対応している編集アプリを導入する必要があります。無料で利用できるアプリやソフトでもこうした編集ができるものもあるので、有料版をダウンロードする前にまずは無料でできるアプリなどで試してみても良いでしょう。
字幕の種類に制限がある
MacのiMovie同様、ビデオエディターも字幕を好きな場所に好きな字体で入れることはできません。字幕のレイアウト、テキストスタイルはテンプレートの中から選ぶ必要があります。
ビデオエディターでできる動画編集
まずは動画を編集できる状態に
ビデオエディターを立ち上げて、プロジェクトライブラリに編集したい動画を追加する手順です。
「新しいビデオプロジェクト」をクリックして、まずはプロジェクトの名前を編集します。わかりやすいように講座名でもOKです。


次に、プロジェクトライブラリに編集したい動画を追加します。動画を追加したら、ストーリーボードに動画を配置します。



動画が配置されるとメニューバーが表示されますので、この状態になったら編集可能になります。

複数の動画を繋げたい場合は、繋げたい動画をプロジェクトライブラリに追加して、ストリートボードに順に配置します。
トリミング
動画に入っている雑音は、音に敏感な方など不快に感じてしまう方にとっては大きな問題です。
気になってしまって内容が頭に入ってこない、動画を見ることが苦痛になるなど、マイナスの影響を及ぼしてしまうこともあるでしょう。
特に開始時と終了時に録画ボタンを押す音や仕草など講座の内容に関係ない余計なものが写ることがありますが、こうした雑音やいらない部分のカットをするだけでも見やすくなります。最初と最後のいらない部分をトリミングしていらない部分をカットする方法です。
ストーリーボードのメニューバーの中から「トリミング」をクリックし、トリミングの開始とトリミングの終了を決定し、完了ボタンを押すと保存されます。

トリミング後の動画の長さは右上に表示されます。
動画の分割
動画を分割する方法です。間に何か効果を入れたい時やタイトルカードを挿入したい、途中で雑音が入ってしまったので修正したいなどの場合に動画を分割します。
ストーリーボードのメニューバーから「分割」をクリックし、動画を分割したいところにピンを移動させます。完了ボタンを押すと保存されます。

分割された動画の長さは、先ほどと同じように右上に表示されます。
動画の順番を入れ替えたい場合は、ドラッグして入れ替えます。

字幕を入れる
動画にテキストを挿入する方法です。テキストスタイルやレイアウトはテンプレートから選択するしかありませんが、シンプルな字幕を入れたい場合は十分対応できます。
ストーリーボードのメニューバーから「テキスト」を選択します。
入れたい文字を入力し、テキストスタイルとレイアウトを選択して、完了ボタンを押すと保存されます。

字幕の表示時間も変更可能です。

タイトルカードを入れる
タイトルカードとは、動画の冒頭や区切りにタイトルを挿入できる機能です。
メニューバーの一番右の「・・・」をクリックして、「タイトルカードを追加」を選択します。

メニューバーが表示されるので、表示するテキストと背景、表示時間などを編集します。

表示させたいテキストを入力し、テキストスタイルとレイアウトを選択します。表示させる時間も変更可能です。

背景は、上の「背景」ボタンをクリックして、好みの色を選択します。

BGM、またはオリジナルの音声を入れる
動画にBGMまたはオリジナルの音声を挿入する方法です。「BGM」はあらかじめデフォルトでいくつか入っている音楽を入れる操作で、オリジナルの音声を挿入するのは「カスタムオーディオ」です。
まず、音楽を挿入したい動画部分を選択し、BGMを挿入するには右上部の「BGM」をクリックします。

好みの音楽を選択し、BGMの音量を調整して完了ボタンを押します。

オリジナルの音声を入れたい場合は「カスタムオーディオ」をクリックし、オーディオファイルを追加します。

ミュージックに音楽ファイルがある場合はオリジナルの音楽を挿入できます。別の音声ファイルで動画の説明を差し替えたり追加したりする場合は、音声を収録して挿入することも可能です。
(ここでは、別撮りした動画の音声だけを追加する操作をやってみます。)
オーディオファイルを追加し、音量や長さ、挿入位置を調整します。

元の動画の音量はここで調整します。

元の動画の音声と音楽が合わさるとごちゃごちゃして聞きづらい、オーディオファイルを追加して別の音声を入れたいなどあれば、元の動画の音量を完全に抑えてミュートにしてしまった方が聞きやすいこともあります。
実際にプレビューで再生してみて、調整しましょう。
再生速度の調整
再生速度の調整は、ストーリーボートのメニューバーからおこないます。

「速度」をクリックすると「遅い」「普通」「速い」と表示され、普通を「1」とすると「遅い」のMAXが0.02×、「速い」のMAXが64×で、その間で自由に調整できます。

モーション、3D効果、フィルターを入れる
必要に応じて、モーション、3D効果、フィルター機能を使ってみましょう。
それぞれ、
- モーション:画面の中心や上下左右などにフォーカスして画面に動きをつける
- 3D効果:音と光などの効果を追加する
- フィルター:セピアや白黒など色の効果を追加する
上記のような機能です。
やり方は、字幕を入れた時と同じで、ストーリーボードのメニューバーからそれぞれ「モーション」「3D効果」「フィルター」を選択します。
右側にモーション、3D効果、フィルターが表示されるので、使いたいものを選択して完了ボタンで保存します。
挿入位置や効果の継続時間も、下部に表示されているタイムラインで調整可能です。
ビデオのエクスポート
動画が完成したら「ビデオの完了」をクリックしてエクスポートします。

画質を選択して「エクスポート」をクリックすると、指定した場所にビデオファイルを保存できます。

zoomで開催したWEBセミナーを動画販売する際に気をつけたいこと
動画講座より、zoomで開催したWebセミナーの方が臨場感があります。動画講座として1人で喋りながら収録せずに、参加者のいるzoomのセミナーを録画してそのまま販売したり、YouTubeなどの動画サイトにアップしたりする講師の方もいらっしゃるでしょう。
zoomの講座やレッスンでは、画面共有する前に録画ボタンを押しておかないといけないので、画面共有する過程が写ってしまったり、参加者の顔や名前など個人情報が写ってしまったりすることがあるので、動画をトリミングして編集する必要があります。
特に個人情報の漏洩については、厳しくチェックして必ず配慮をしてください。

対処法として、映ってしまった参加者を編集でモザイクをかけたりスタンプで消したりするよりは、最初から映り込まないようにしたほうが簡単です。
資料スライドを画面共有するような講座で参加者の顔が映らないように録画するには、画面共有したら講師の画面をピンで止めます。(発言者の顔が映るようになっているので、受講生が発言すると受講生の顔が映ってしまいます。ピンで止めるとその人が固定で映ります。)


こうすることにより、資料と説明する講師の顔のみ映った状態か、参加者が一切映らず資料スライドだけ映っている状態で録画が可能になります。


画面共有するとチャットの確認や参加者の様子が確認しづらいので、メインで使用するパソコンからzoomに参加した後、さらにタブレット端末やスマートフォンなど別の端末から参加するとチャットや参加者の様子を確認しやすくなります。この時、サブ(確認用)で参加した端末は参加時に「オーディオなし」を選択してハウリングを防ぎましょう。
まとめ
ちょっとした工夫で、動画は非常に見やすく、伝わりやすくなります。無料アプリでもできることは多いですし、直感的に操作できるよう作られているので操作自体は難しくありません。この記事を参考に、まずは無料アプリで動画編集を試してみましょう。